10 街 ~ダンジョンをそえて~
「HYAFFUUUUUUUUUU!」
坂を駆け下がる。 ラニカは2日でマウンテンバイクをマスターしてしまった。 すごい。
五郎丸は肩にこがねは僕の頭にいる。
「こがね~」「あれが街~?」
『そうですわ~!』『セイヤ様~!』
「ラニカ~」「一旦休憩だ~」
「は~い~~」
ふう。お腹空いた。
「《物質創造》」「フライパン」
「はい、ラニカ」
「また、キノコを食べるの!?」
「だめ?」
「ダメではありません……」
そう、僕はキノコを食べている。 タマゴタケとヤマドリタケモドキだ。
これね。
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種:タマゴタケ(Amanita caesareoides)
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種:ヤマドリタケモドキ(Boletus reticulatus)
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うん、焼いただけなのにやっぱり美味しい。
「美味しいだろ?」
「そうなんだけど……」「飽きないの?」
「全然飽きないよー」
五郎丸は近くの樹液を飲んでいる。こがねは僕たちの垢を食べてるみたい。
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「こっからはあるくよ~~」
「え~~」「これ楽しいのにーー」
「街に入って何か聞かれたら困るからね」
服もTシャツだけだとまずいのでコートを作る。
ボタン、木にしたいな。
《物質創造》に材料を入れれば作れるって書いてたな。
近くの木の枝を拾う。
「《物質創造》」「コート」
木の枝が少し消えた。
「《物質創造》」「ラニカ用コート」
よし、ラニカのもできた。
「これも着てラニカ」
僕も着る。暑い。 我慢だ。
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壁がある。門? のようなところで槍を持った人が何かやっている。
並べばいいかな?
人が何列かに別れているからそのうちの一列に並ぶ。
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僕たちの番が来た。
「3000セイ払ってくださーい」
「これでいいですか?」
「はーい」「7000セイでーす」
金貨1枚が銀貨7枚になった。
まだ、お金はある。食材を買おう。
「ラニカ」
「はい?」
「どれ、必要?」
「これとこれとこれとこれと……」
「ストップストォオオオップ」
「なんで?」
睨まれた。
「もう、キノコ食べたくない」
そんなに嫌だったのか。何かごめんな。
「いいよ」「好きなの買って」
ラニカがすごい笑顔で首を縦に振った。
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重ー。様々な食材の入ったこのリュックは僕が持っている。
ん? 街の中央に人だかりがある。
「ラニカ」「あそこにいってみよう」
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中央に着いた。あれは洞窟?
「ラニカ」「あれなに?」
「あれはね~~」「わかんない」
こういうのは、近くの人に聞くのがいい。
「あのー」
目についたおじさんに声をかける。
「どうした、坊主」
「これはなんの人だかりなんですか?」
「さっき、勇者様たちがこのダンジョンに入ってな」「今、入場ができるようになったから、勇者に会えるかもと、入ろうとしている人がたくさんいるからだ」
勇者様? 何だっけ?
「ありがとうございます」
「いいってことよ」
勇者様? いや、今はそんなことよりあの洞窟だ。ダンジョンだっけ? コウモリとかムカデがいそうだな。
入ってみるか。
「ラニカ」「あれに入るぞ」
「それ、だいじょうぶなの?」
「リュック?」 「ダイジョブダイジョブ」
「あと、ラニカ」
「はい?」
「魔物って何だっけ?」