状況を整理する
え〜、もう、どうしよっかな〜。
どうせ転生するなら、両親にめちゃめちゃ愛されてる美幼女が良かったよ〜。
それでほのぼの暮らしていければそれでいいのにさ〜。
チートって言われてもね〜。
そりゃ魔法とか使ってみたいけど、こちとら安心安全が大好きな戦った事も無い日本人だぞ〜。
需要と供給〜!
あ〜、本当どうやって生きていこう。
五歳じゃ碌な事出来ないし、とりあえず食べ物と水を確保しないと。
小屋の周りをうろちょろしてると、小さな細い小道というか獣道を見つける。
何かないだろうかと草を掻き分けながら淡い期待を寄せしばらく歩いていくと、古びた井戸があった。
よっしゃキタコレ!!
中に水が入ってるのが見える。
水が入った桶を上まで持ち上げるのは大変だったけど、こればかりはどうにかするしかないので五歳の力でめっちゃ頑張った。
小屋にあった空っぽの水差しをまた戻って持ってきて、なみなみと注いで小屋に持ち帰る。
大きな背の高い草がめっちゃ生えてた獣道だったし、道も誰かが最近まで通ってたような感じじゃなかった。
井戸も古かったし、お屋敷の人はまた別の良い井戸を使ってるのかもしれない。
これでお屋敷の人に知られずに、飲み水が確保出来た。
木の実や川等も特に周りには無かったので、食料は期待出来ない。
これはやはり、お屋敷から拝借していくしかないのでは。
っていうかこれ、あの屋敷多分私の家だよね。
それでたぶん公爵令嬢なんだけど、育児放棄で小屋に放り出されてるって言う状況なのでは。
目を覚まして私が私になる前の、レティシアちゃんの時の事として特に強く思い出せるのは、痛い、辛い、悲しい、寂しい、この4つだ。
朧気ながら最近の事で思い出せるのは、食料は随分前からメイドが持ってきていない事。
飲み水は少し前までは持ってきてくれてたが、徐々に回数が減っていきここ数日はぱったり来ていなかった事。
よく死ななかったなと思ったけど、神の子ないし祝福持ちだし、魔力も生命力もかなり減っていたのでその辺で上手くまかなっていたのかもしれない。
とは言え野菜を食べた後にも関わらず、魔力も生命力もまだかなり減ってたので、目覚めた時はかなりギリギリの状態だったのかもしれない。
暑かったし具合悪かったし、脱水症状も出てたのかもしれない。