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私のペットは皆何故か凶暴です(仮名)  作者: じゃがいも
まずは味方を作りましょう
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久しぶりの味は











私はまた来た道を戻り、音を立てないようするりと屋敷の裏口から出ていく。










裏口には見張りもいないし、非常に忍び込みやすい。

大きな屋敷なのに、この家の防犯はどうなってるんだろう。








そんな事を考えつつ来た道を頑張って戻って、屋敷から見えないよう小屋の裏手に行く。









木々によって私の姿を隠してもらいつつ逸る気持ちを抑え、人が来ないうちに私はトマトにかぶりついた。













皮にプツッと歯を立てると赤く染まった果肉は柔らかくて、ジュースのようにじゅわわっと水分が飛び出して口の中を潤していく。






甘酸っぱい香りが鼻にふわりと抜けていくと、口の中いっぱいに、甘くて、でもちょっと酸っぱい味に満たされていく。






ぬるくなった水を飲んだきりで、暑くて火照った体が少しひんやりとしたトマトによって冷やされる。

水分量の多いトマトは、緊張でひりついた喉を十分に潤し癒してくれた。











トマトが体中にじんわり染み渡るように、体に少しずつ力が巡っていく。

体が久々の食事に喜んでるのが分かる。




久しぶりに体に物を入れたからなのかお日様の光をいっぱい浴びて、大きく真っ赤に実ったトマトは、甘酸っぱくて、ジューシーで、美味しくて美味しくて堪らなかった。











胃袋が小さくなってるのかまだ体が小さいからか、トマト1個でもわりとお腹いっぱいになる。

きゅうりも食べればきっと、十分満足出来るぐらいお腹いっぱいになるだろう。





青々とした細長いきゅうりは、きっと食べれば美味しい。









お腹が空き過ぎて空っぽなので、ちょっと食べたらさらにガツガツと食べたくなる。

でもがっつき過ぎるのは良くない。







ゆっくりよく噛まないと、急に胃に物入れたら体がびっくりする。






真っ赤に染まった美味しいトマトは、私の食欲に火をつけた。









青々とした美味しそうなきゅうりに歯を立てるとプツッと音が鳴り、じゅわりと食べ慣れた瓜の味が広がる。





パキポキ、カリカリ、シャキシャキと音を鳴らしながら食べ進めていく。

噛む度に鳴る、シャキシャキとした歯触りが楽しい。





じゅわりじゅわりと口の中に広がる、清々しい夏の味。

お日様をいっぱい浴びたからか、鼻に抜ける瓜の匂いと味は強いのに、水分量も多くてジューシーで美味しい。














トマトもきゅうりもびっくりするぐらい美味しくて、お日様の下で食べた野菜は、存分に太陽の恵みを感じた。






鮮烈な印象を残してあっという間に野菜は無くなってしまったけど、何だか私はゆるゆると凪いだ気持ちになっていく。







食事って大事。

たったこれだけ食べただけなのに、凄く気持ちが浮上して満腹になって、ゆるゆるな気持ちになる。












水分が十分に取れたからか頭が痛いのもいつの間にか治ったし、体が重いのも目が覚めたからか多少マシになった。



床で寝ていたから体は少し痛みが残ってるけど、そのうち治るだろう。





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