放課後、俺の家にて
「そんじゃあさ、お互いの事を忘れないようになんか工夫しようぜ。」
弓がそう問いかける。すると医人は
「だったらどっかに名前と写真保存しとこうよ。というわけでみんなこっち向いてー」
その問いかけに俺、弓、硯、桃花の4人が反射的に振り返る。すると、
ーカシャッ
医人はこちらに背を向け、「自撮り」をしていた。そこにはちゃんと5人の人が映っていた。それを医人が落書きの機能で名前を付け足す。そこには右から順にこう書かれていた。
弓、硯、医人、桃花、バカ
「どういうことか説明してもらおうか?」
そういって俺は医人の耳を引っ張る。
「いてててててててて。はなせ!直すから。」
「ったく次やったら耳引きちぎるかんな?」
「耳に罪はない!」
「じゃあ指折ろうか?」
俺は笑みを浮かべてそう告げると、
「やめろサイコ、シャレになんない」
「誰がサイコだよ!」
「そんなことより本題に入ろ。」
桃花のその声に俺と医人はひとまず喧嘩をやめた。そしてその言葉に硯が問いを投げかけた。
「それで、名前はどこに残すの?」
「お、それならいい場所知ってるよ。俺が弓の練習に使ってるおんぼろの小屋が裏山にあるよ。そこいこ。」
「まあよくわかんねーがそこでいいんじゃないか?」
医人がそう答えると、硯がこう続けた、
「あそこ暗いから、何か明かりになるものが必要だよ。」
「硯ちゃんどうして知ってるの?」
桃花が聞くと硯は、
「よく弓の練習に付き合ってるからだよー」
「ちぇっ、いちゃつきやがって。」
「いいだろ。医人も彼女作ればいいじゃん。」
「俺モテねーから無理無理。」
俺は、医人はモテてるだろうと思ったけどなんか負けた気がするから、その思いは胸の奥にしまい、ひとまず話題を戻す発言をした。
「じゃあひとまずそこいこーぜ。ほかに当てないんだし。」
「じゃあ俺が案内するからついて来い。」
「ねーねーその前にちょっとみんなで寄っていきたいところあるんだけどいい?」
桃花がそういって俺たちは小屋に行く前に「ある場所」へ向かった。
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