呪いの噂
今回からいよいよ本編です!
俺の名前は、見取兜。世界的有名な釁高等高校に通う生徒の一人だ。
今日は4月1日始業式、今日から俺は2年生だ。不安なことはたくさんある。勉強、友達との友好関係、先輩として自分は何ができるのか、数を上げればきりがなく次から次へと不安が押し寄せてくる。何より一番不安なのは「2年生の呪い」だ。
「2年生の呪い」はこの高校で昔から起こっている不可解な現象の事だ。多くの生徒が二年生を節目に学校をやめてしまい、その存在を忘れられてしまう。この学校に入る前はたんなるうわさだと思っていたが1年になり、3年生の少なさに目を疑った。とはいえ、もともとあの人数なのかもしれないしそう自分に言い聞かせた。
そんなことを考えながら俺は、自分の席で頬杖を突きぼーっと黒板を眺めていた。黒板には先生のメッセージがこう書かれていた。
『2年1組の担任をさせていただく三山未海です。今日から勉強を一緒に頑張っていきましょう。それと8時になったらクラスでまとまって体育館に来てください。』
挨拶する系の先生なんだなとか思っていると急に視界が暗くなる。誰かが手で目を抑えたのだ。
「だーれだ」
その声は俺が昔から聞いていて、一番の親友の声だった。
「朝から騒がしーぞ。おい、医人。」
この男、名を医人と言う。彼は医学に精通していてそこらの医者より頼りになるんだが少しふざけたやつだ。これは無駄話だが地毛が銀髪でサラサラそんでもってイケメンだからモテてる、だから結構人から妬まれてるらしい。
「ちぇーなんでわかんだよつまんねーの。そんなことよりあれはどうなのよ。」
「あれ?何のことだよ。」
「もー鈍感だなーわかってるくせにー」
「いやガチでわかんねー。何のことだ?」
「彼女だよ出来たのか?」
すると後ろの席にいた弓が話に入ってきた。
「え?どうしたの?兜もやっと彼女出来たの?」
「なんかそうらしいよ。」
「おい医人、勝手に俺の彼女を作んなよ。」
「え?いなかったの。」
「出来たらもっと喜んでるわ。」
すると弓が少し自慢げに言う。
「早く作った方がいいよ彼女。俺も彼女いてよかったなーって思うことあるもん」
「は?うっせーリア充は黙ってろ。」
「へいへい。」
そう言って弓は手に持っていたスマホに目を戻した。
少し医人とくだらない話をしていると、教室に委員長の声が響く。
「もう7時55分だからみんなで並んで移動するから集まって。番号順ね。」
みんなはそれに従って教室のドアの前に並び始める。おれもいったん医人との話をやめ、自分の位置に着いた。すると後ろからこえを掛けられた。
「なあなあなあなあなあなあなあなあ」
「なあが多い!それよりなんだよ弓。」
「それがな面白い記事を見つけたよ。ネットで。」
そういって携帯をこちらに渡してきた。画面の上にはこう書かれていた。
『有名校釁高等高校消えた生徒の秘密に迫る!」
このサイトはネットでいろんな人が話している掲示板のうちの一つだ。
「マジかよこれ、、、「2年生の呪い」の事じゃねーか?」
「まあそうだろうな。この高校のOBが書いてるらしいぞ。」
「ちょっとそこ!静かにして。もう行くよ」
委員長の凛がそう告げた。俺らはこの話をいったん後回しにして教室を出た。
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