デート
俺は連絡先を手入れた。勝ち組だ。しかし油断は禁物、すぐにデートをしたい!
「来週の日曜空いてる?」
「空いてるよ?」
「一緒に遊ばない?」
「おっけ~」
すべてがおかしいくらいうまくいく。俺は勝ち組だった。間違いない
服を選んでおこう、お金も通学費の片道くらいしか残さないぞ!
俺は、学校の前にいた。念のため30分前からいる。そろそろ来るかな?
「ごめん、待った?」
「待ってないよ!」
この世最も有名なくだりをする。だがいけない。アクションを起こさないと
「とりま駅行こうよ」
それらしい、アクション。立てておいたプラン通りに進める。
なかよくしゃべりながら、駅まで歩く。これが絵に描いたようにうまくいった。
「新型ゴリラウィルスに気を付けてください!」
この音が、聞こえたら駅だ。やはり、駅は人が集う疫病には敏感らしい。駅だけに
もう、電車を待つだけ、運動不足の俺は歩くだけで汗をかいてしまった。
しかし、愛菜を見ると頬を赤らめ。俺より汗をかいていた。
似たもの同志かもしれない、と思った。
何かを考えると時間は過ぎる。もう電車が来た。これで目的地まで行こう!
しかし、電車はまあまあ長い。なにもしないのって暇だな。
そう思った矢先、駅員がすべての乗客の体温を測っていった。ウィルス対策だった。
もちろん、体温が高いと、降りるのをお願いされる。
そして、ついに俺の番が来た。ここで電車を降りたらすべてが水泡。低いのを祈るばかり。
セーフだった、ここで台無しにするのが俺だと思っていた。神は見方をしていたのだ。
そういえば愛菜も測っていた。体温計を返さなければ
「39.2」
2度見した。そんな、やはりうまくいかない。愛菜は電車を降りざるを得なくなった
俺も降りた。こんな体調で呼び出したことを後悔した。
前、撒き忘れた伏線を撒き始めた