第6話 お金よりもエロエロ!
「叶詩ちゃん!そろそろ起きてよ!討伐クエストに行こうよ!昨日一緒に貯金するって決めたでしょ!」
「あら大香、おはよう♡」
「え、ちょっと!?叶詩ちゃん!?きゅうに抱きついてきちゃってどうしたの!?それにその格好は!?」
突然抱きついてきた叶詩。何を言ってもその手をなかなか離してはくれない。
「いいじゃないの、ちょっとくらい。早く脱ぎなさいよ♡」
「ちょ、叶詩ちゃん!朝から何やってるの!早く服を着てよ!」
どうやら今日の叶詩ちゃんは淫乱なモードの様だ。討伐依頼どころではなくなってしまった。
「うふふ、よく見ると大香ってなかなかいい身体してるわね♡」
「ちょ、ちょっと!本当にどうしちゃったの!お願いだから離して!」
あわてて突き出した大香の足が叶詩の顔面に直撃し、鼻血を出して伸びてしまった。
「か、叶詩ちゃん!大丈夫!?ごめんね!」
あわわどうしよう、取り敢えず鼻血を…の前に服を着せなゃ… 着物ってどうやって着せたらいいんだろう。よくわからないから適当に局部をしまわせてティッシュで鼻栓を作り、叶詩の鼻に突っ込んだ。
「はー、びっくりした。まさかいきなり裸になって抱きついてくるなんて…これから叶詩ちゃんを起こすときは注意しておこう…。」
とりあえず朝食を作るために叶詩を放置してキッチンへと向かう。いつものようにトーストを焼いてる間に目玉焼きとベーコンをやき、卵をかき混ぜスクランブルエッグを作り、出来たトーストにそれらを乗せて行く。ご飯が出来てすぐに叶詩が色気のある着物がだらし無く着崩れた状態でリビングへとやってきた。
「さっきはごめんね!ご飯できてるから座って待ってて!」
「ありがとう。でもさっきの蹴りはなかなか痛かったわよ。後でたっぷりご奉仕して頂戴ね♡」
「はいはい、いいからさっさと食べちゃってください!」
「頂きます。」
私も叶詩ちゃんと一緒に朝食を食べ始める。
一足先に食べ終わった叶詩ちゃんは喉が渇いたと言って冷蔵庫へ行き、当たり前のようにお酒を呑み始めた。
「ちょっと叶詩ちゃん!朝からのんでちゃダメでしょ!」
「ちょっとぐらい、いいじゃない。」
叶詩がお酒を口にしてからすぐに顔が真っ赤になった。どうやらお酒に強い方ではないらしい。食事を終え、食器を片付けにキッチンへ行くとまた突然 叶詩に抱きつかれ、部屋まで連れていかれる。
「さっきの約束覚えてるわよね…?♡」
「約束…?ってまさか!さっきのあれ冗談じゃなかったの!?」
「大香さっきはいはいって言ってたわよね?」
「ちょっと待ってよ!あれは適当に返事しただけで!ちょっと!」
叶詩が何処からか縄を取り出し、私は拘束されてしまった。
「さぁ、楽しみましょう♡」
「きゃー!お願いだから正気に戻ってよ!」
「私は正気よ♡」
私は身動きが取れない状態で、叶詩の思うようにされるしか無かった。
それから数十分がたったが、叶詩はちっとも解放してくれる気配が無かった。
はぁ、はぁ…流石に限界だ。こうなったら多少強引にでも!
「か、叶詩ちゃん、ちょっと、私お手洗いへ行きたいんだけど…」
荒い息遣いの叶詩は気付いていないようだった。私はさっきよりも大きな声でもう一度同じことを言った。
「お手洗い…?分かったわ、済んだらすぐ戻ってくるのよ?♡」
何とか今度は声が届いたようだ。
「わ、分かったよ!だからこの縄を解いてくれないかな?」
叶詩が渋々縄を解く。そして全てを解き終えた瞬間、大香は立ち上がって全力で魔力を込めて魔法を唱えた。
「ディープスリープ!!!!」
すると叶詩は一瞬で眠りにつき、横になった。
「はぁ…はぁ、やっと解放されたわ。一生分の羞恥を受けたわ。」
私は叶詩が眠っている間に、先程まで縛られていた縄を使い、力強く叶詩を締め付けた。
「今日はこのまま大人しく眠っておいてもらおう…」
よほど強く魔法をかけたのだろう。眠った叶詩再び目を覚ますまでに十二時間が経った。部屋で何やら騒いでいる。
「大香!これはどう言う状況なの!?どうして私が縛られているの!?」
「ようやく目が覚めたみたいね!さっきの仕返しよ!そこで反省してなさい!」
私は悪い顔をして叶詩に近付く。
「は、大香!?何を企んでるの!?」
「さっきの仕返しよ!」
私は身動きの取れない叶詩をくすぐり始める。
「も、もう許して!お願いだから!私が悪かったよ!」
それでも私はくすぐり続ける。
「お願いだから縄を解いて!私が悪かったから!」
「だって、縄を解いたらまた私を襲うんでしょ?」
「襲わない!〈とも言い切れないけど。〉
「ほらねやっぱり!」
「しまった、つい心の声が!あ、でも何だかこの感覚も…たまらない…♡」
私は呆れた視線を叶詩に向ける。
「じょ、冗談だ!それよりお手洗いにいk…」
「ディープスリープっ!!!」
私は再び叶詩を眠らせた。
「これからたくさんのお金を貯めようって話をした矢先からこんな状況じゃ先が思いやられるなぁ。」
私はそう言って叶詩の部屋から出て行った。