「夢②」分岐点
夢②
気が付くと私はそこに立っていた。
街道の上。
私は、街道のど真ん中に立っていた。
街なのに、
色が無い。
テクスチャが貼られていない真っ白な街だった。
私は、寝ていた身体を起こし、周りを見る。
本当に全てが白かった。
家も、マンションも、店も、、、
とにかく全てだった。
居心地が悪すぎる。
どこなのかは、想像がつく。
私が、毎日通っている通勤している所だ。
「頭が・・痛い・・・」
頭痛がする。
気持ちも悪くなる一方だ。
立ち尽くす私は、目の前の道路、
“分岐点”に視点を置く。
ここは、この街最大の2分岐点ロード
通称、【県壁】と、呼ばれている。
左路に行くと、・・県に行って、
直進路行くと、・・県に行くという、
県と県を繋ぐ為の道と、呼ばれている。
何故こんなところに・・・?
と、思い当たらない筈なのに脳内を回転させる。
すると、異様な光景がそこにあった。
上を向いた時だ。
いつも・・県と書かれている筈の看板が、
見たことが無い字が書いている。
それを、読むと、
← ↑
今日やる 明日やる
なんだ・・これ?
立ち尽くしてしまう。
考えても何も浮かばない。
なにをやるのか、さっぱりだった。
その時、後ろの方から音が聞こえる。
エンジンのような音だ。
慌てて後ろを振り向く。
その音の正体は、大型トラックだった。
速度を上げながらこちらに近づいてきている。
フロントガラスに何やら文字が書いているが
今の僕には、見る余裕が無い。
私は慌てて、道の外れの歩道に走った。
だが、
「痛っ!?」
その間には、見えない壁があった。
何度叩いても、通れない・・
このままでは、惹かれる!?
焦った私は、分岐点をまっすぐ進んだ。
とにかく急いで逃げた。
そして私は、分岐点の直進路に入った。
「ハァ・・ハァ・・・」
息切れが凄まじい。
運動不足な証拠だった。
くそ・・!
ウイルスが流行して、外出られないせいで運動できないせいだ。
全てココナウイルスが悪い!
私は、自己暗示を掛けて納得する。
トラックを確認しようと後ろを見ると、
後ろは、壁で覆われていた。
「あれ?いつの間に・・・?」
音がしなかった。
私は、前に進むしかなくなった。
私は、前に歩く。
歩く
歩く
すると、街に出た。
そこは、私にとって既視感があった。
なぜなら
私が起きた場所と同じ所だからだ。
当然、意味が分からなかった。
さっき居た筈なのに、なんで・・・?
思考を巡らすが、答えは出てこない。
だが、先ほどと違うのは、
看板の言葉だ。
← ↑
無視する。 謝罪する。
謝罪・・・?
結局、訳が分からない。
何でこの2つの言葉なのか、理解が及ばない。
その時だった。
またもや後ろからエンジンの音がする。
それこそ、トラックだ。
さっきと同じように焦るが、
フロントガラスの言葉を見ておきたかった。
そこには
【期限】と、書いてあった。
もちろん意味が分からずに、
轢かれるのを避ける為に、
慌てた僕は、
左路を進んだ。
そしてすぐ、後ろを確認した。
そこには、やはり壁が隔てられていた。
どういう仕組みなんだ・・・?
と、脳を回転させる。
すると、壁の前に何かが居た。
人間だ。
助けが来た!と、安堵する。
「おーい、そこの君!」
と、声を掛ける。
その人間は、
『誰が君だ、・・君?』
と言いながら、こちらを向く
そこに居たのは、
【社長】だった。
「あ、これはすいません。社長もこの世界にとばさr」
『黙れ!』
・・・・え?
さっぱり理解できない。
黙れとか言われる事は、したこと無いのに・・・?
『お前、ホームワークできるくせに、何も終わってないんだろ?』
・・・はい?
なんで・・知られているの・・・?
『しかも、それを未報告で、呼び出しも無視!』
・・・・・?
まだ、みんな報告してない筈では・・・?
『しかもお前、社員会議も出てないよな!』
・・・・そんなのあるのか?
『そんなお前に見込む要素がどこにもない!』
・・・・・え?待って。
「待ってくださいよ!」
『よってお前は、給料削減!転勤も視野にあるからな!』
・・・・・・・・・・・・
私は分岐点の看板を、思い出す。
私は、両膝を地面に着く。
全てを理解した。
期限から逃げる為に、冷静を忘れ、
自己暗示をしながら、
理解できる筈の事を、理解しようとせず、
現実から逃げる為に、過ちを犯してしまった。
本当に、辛い事から逃げ続けるのは、正しいのか・・・?
そう悟った時、周りから人の声がする。
その声は、だんだん近づいてくる。
いつのまにか会社の
社長・先輩・同僚・後輩・取引先・家族
全員に囲まれていた。
『せんぱーい、転勤ですか~?大変っすねぇ~w』
『お前だけは、期待していたのに・・残念だ・・・』
『お前を信じて送り出したのに・・・帰って畑手伝いなさい』
『もう、お前は用済みだ。』
どんどん、私を取り囲んでくる
もう、考えれない・・・
私は・・私は・・・
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
・・・
・・
・
、、、「はっ!?」
目が覚めた
「夢・・・か」
そして、起きて机を見ると、
積まれた資料、
全て終わっていない物ばかりだ。
パソコンを慌てて付ける
すると、こんなメモがあった。
「道は、案内なんてされない。」
と、書かれていた。
私は不意に笑みを浮かべる。
そして、
「やってやる。道が無ければ作るだけよ!」
誰に言えば良いのか分からない決意を口にする。
私は、進行中の社員会議に急いで入った。
そして、
「申し訳ございません!資料が未完成なので少しの猶予をください!」
謝る。
すると、
『よく言ってくれたね。では、一週間あげよう。良い資料期待してるよ!』
社長は、笑いながら言う。
「はい!」
私は、冷静に作業を始めた。
「」を変える為に・・・
「」の部分は、自分で入れてみて下さい。
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