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死守。

ブォーン…ブォーン…ブォーン…


けたたましく鳴り響く警告音とそれに合わせて点滅する赤い光。


秋山は、身じろぎせずにモニターを見つめていた。



「閣下!敵艦隊の第一陣が機雷原を突破!5分程で我らの前衛と接触します!」




今回の戦闘は、前回を上回る規模であった。

敵は10個艦隊30万隻以上の動員をかけてきたのだ。


対するこちらも出来うる限りの対策を練ってきた。


秋山は、こういった事態も想定に入れてきたのだ。


とは言え、こちら側の艦艇は12万隻。いささか想定外ではあった。

5万隻は有人艦隊で残り7万隻は無人艦隊である。


「閣下、建設コロニー周辺に配備している艦隊も呼び寄せた方が良いのではありませんか?」


かつて、留守居艦隊の参謀として和泉の元にいた滝口准将が言った。彼も特例の昇進を果たしていた。


建設コロニーには、15000隻の艦隊を配備していた。


「いや、いいんだ。ここで我らが食い止めれなければ同じことだよ。それより新造船の建設の進行具合はどうなんだい?」


「はい。既に8割方完成しているとのことであります。閣下の指示通り工期を急がせ内装関係を後回しにさせたおかげで、出航自体はいつでもできる状態と聞き及んでおります。」


今度は山口少将が答えた。


「よし、最後の移住者が到着次第に出発出来るように調整を急がせろ。後は航行中に作業せよとな。」






その頃、内山中将率いる前衛艦隊と敵の第一陣との間に戦端が開かれた。


内山は、レーザー攻撃斉射後レーザーシールドを張り、レールガンを射出するという間断ない攻撃を行い敵の前進を強力に阻んでいた。


約10時間に及ぶ戦闘の末に後退を開始した。


それに合わせるように敵艦隊も前進を開始した。そのすぐ後方には、第二陣の姿も確認できた。


内山は、その2艦隊を引っ張る形で後退を続けた。



更に15時間後に敵の第三陣が通り過ぎたのを確認した佐藤中将と佐竹中将の艦隊がそれぞれ行動を開始した。


両艦隊は、内山艦隊が交戦していた宙域で動力を切り、その宙域の両脇に存在した小惑星群に身をひそめていたのであった。


佐藤中将の艦隊は、有人艦艇100隻で無人艦隊25000隻を率いて敵第三陣の後背に襲い掛かった。


佐竹中将は、そのまま前進して第四陣の側面を突く予定である。

同じく有人艦艇100隻に無人艦隊25000隻の規模であった。





内山艦隊が後退を続ける先には、秋山元帥率いる本隊が左右に分かれて布陣していた。


これを見た敵艦隊は、第一陣と第二陣が合流を果たし挑んできたのであった。


数の上では、ほぼ互角であった。


戦いの中で、秋山は左右の両翼を伸ばし、敵を半包囲の形に取り込みつつあったが、それに対応した敵は紡錘陣形をとりつつあった。


その時敵の後背の左右の宙域から秋山が配置していた無人艦隊が躍り出て、包囲網が完成したのであった。


敵は四方からの砲撃により崩れていった。

途中で一点突破を図る動きも見せたが、秋山の艦隊運動の前に防がれてしまった。



「前方で戦っている佐藤・佐竹両提督の救援にもいかねばならん。ここは一気にたたみかけるぞ!」


包囲の輪が更に広がり敵艦隊を完全に包み込む形となり、そして飽和攻撃を仕掛け数時間後には敵の反撃が無くなった。




更に日付が変わったころには、第三陣を壊滅させ総力を挙げて第四陣と対峙していた。


第四陣には、既に第五・第六陣も加わり膠着状態に陥ったのであった。

そして、その背後には4個艦隊も目前に迫ってきていた。


「ここまでだな。ここで敵の大軍をどれだけ食い止めることが出来るか…」


秋山には悲壮感はなかった。もはや戦いを楽しんでいるようにも見える。



「諸君の今までの奮戦見事であった。それでも尚、この一戦に我が国の存亡がかかっておる。家族の為、愛する人の為、共に鬼畜な敵と刺し違えん!最後に我々の意地を相手に知らしめてやるのだ!」


珍しく秋山が語気を強めて言った。



―皇国の興廃この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ。


―これは、俺のご先祖様が残した言葉だそうだな。数世紀以上も前の話であるが…


―当時の日本も現在のように危機に陥っていたのだそうだ。



皮肉なものと秋山は一人笑っていた。



敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ聯合艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ




「まさに。大和魂の見せどころである!装備が劣ろうが兵力が劣ろうが、我らの魂に勝るものなし!各艦隊、突入と同時に砲撃を開始せよ!!」



―和泉、後は頼んだぞ。





80時間にも及ぶ戦闘にて、秋山率いる艦隊は敵に倍近くの被害を被らせて散っていったのであった。


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