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ホワイトノイズ  作者: 廿楽 亜久
第6楽章 ホワイトノイズ

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27/36

05

 全ての木々が、ひとつの謡を奏で、響きわたる。その音は、砂竜と戦っている艦隊にもよく聞こえるほどに大きな響き。


「この謡、ミドナの……?」


 聞き覚えのある謡だった。時折、庭園でミドナが口ずさむ謡だ。庭園で教えられる奏者の謡ではないのに、どこかなつかしい気がしたその謡を、ミドナは故郷でよく謡っていたのだとはぐらかして、それ以上のことは教えてくれなかった。

 教えられたことはない。でも、口を開けば不思議とその謡が溢れ出してくる。カルラだけではない。他の奏者だって。いつからか、艦隊に響く音はヒスイが発する音に共鳴していた。

 大きな聖なる音の響きに、ノイズがかき消されたのか砂竜たちの動きが鈍くなり、地を這う者(レジスター)は先程よりも連携も悪い。


「フィーネ!」


 その隙を見逃さず、ミスズとフィーネは近くに飛ぶ地を這う者に切り込むと、ウィンリアで戦っている時と同じように剣の刺さったところから地を這う者の体に大穴が開き、砂になって吹き飛んだ。


「ぇ……」


 見慣れているはずなのに、ここではありえないその光景に一瞬ミスズの動きが止まるが、後ろを通り抜けた風に、すぐに切っ先を近くにいた地を這う者に向けた。

 向かってくるユーリに砂竜は大きく羽ばたき、その風圧で動きを鈍らせようとしたが、傷ついていた翼の傷を抉るように正確に撃たれた矢は片翼を切り落とす。片翼を失い、大きくバランスを崩した瞬間を見逃さず、ユーリは砂竜の首元にある逆向きの鱗に剣を突き立て共鳴させた。


「ズルダ!!」


 砂竜は叫ぼうとしたのか、逃げようとしたのか、天を仰ぎ、首を空へと突き出す。その伸びた首にズルダは短刀の刃を突き立ると、渾身の力を込めて振り抜いた。


「オラァァアア!!」


 切り口から砂が溢れ出す。それは砂竜を倒した証拠。

 故に油断してしまった。砂竜が最後の力を振り絞り、大きく首を振るとズルダの脇腹に頭突きを食らわせ、そのままズルダを巻き込むように落ちていった。


「ズルダ!?」


 フィーネがすぐに援護に向かうため急降下すると、頭上にノイズと共に大きな影が通った。


 艦隊がいつもとは違う雰囲気に包まれているのは、全員が気づいていた。


「リンネの木のせい、だけではなさそうだけど……」


 残響領域が全ての船において広がっていた。しかも、その力すらも格段に上がっている。


「“廻リ謡”……か」

「説明」


 リンネのことや神子のことで、この場で詳しいのはクロスだ。今だって、また知らない名前を出してきた。


「神子が謡う特別な謡だ。見た限り、謡だけでも随分と力が違うらしい」


 クロスがあるひとつの確信にコンナを見れば、案の定、口端が上がっていた。そのことにオペレーターたちも気づいたらしく、表情が引きつる。

 何を言い出すにしても、この表情の時に無茶な要求以外をしてくることはない。


「ギリク! アネモネの守りは頼む」

≪ ハァ!? 何言ってんだ!? お前! ≫

≪ 何する気!? アンタ! ≫


 慌てる艦長たちの声を無視して、コンナは戦っている共鳴者全員に、キャメリアの前に立つなと命令をすると、慌てる艦長二人に短く、


「親玉を叩き出してくる!」


 エリザは無茶を言うなと笑いながらも、巣に向かうキャメリアの援護に回る。とはいえ、砂竜も地を這う者も、聖なる音のバリアの張られている軍艦の突進に勝てるはずがなく、自分からぶつかってくるものはそうはいなかった。

 おおよそ巣の中心だと思われる付近に来ると、急速に高度を落としていく。


「これ以上は危険です!」

「もう少し!」


 バリアを張っているとはいえ、砂海に勢いよく落ちれば損傷は避けられない。操舵士は叫びそうになるのを抑えながら、コンナの合図が出るのを早く早くと、涙目で待った。


「今!!」


 合図と同時に音響弾が広範囲に撃たれ、高度を落としてキャメリアは急上昇を始めた。


「……音響弾の着弾を確認!」


 ノイズに掻き消えた音を確認したオペレーターの声が響く中、今まで聞いたことのないような咆哮が響きわたった。キャメリアは、とにかくその場からの離脱に全力を注いだ。

 だからこそ、その咆哮と共に、キャメリアの下で砂が大きくへこんだのを見たのは、外にいたエリザを含めた共鳴者と、アネモネ、グラジオラスだけだった。

 キャメリアが確認した姿は、大きく翼を広げた今まで見た砂竜の中で最大の砂竜の後ろ姿だった。


「おーおー……さすがにでかいな」


 まだ体の半分ほどが砂海に埋まっているが、その大きさは今戦っている砂竜の二倍以上の大きさを持っていた。


「何あれでっか!?」

「ソフィア! よそ見するな!」

「す、すみません!」


 ビリビリとしびれるような咆哮に、ついそちらを眺めてしまっていたが、ソフィアは慌てて目の前のことに集中し直す。

 あんな大きな砂竜、倒しに行くのはどう考えても筆頭騎士クラスだ。ソフィアたちはとにかく砂竜の数を減らすことに専念するしかない。

 案の定、臨時にチームの組み換えが数人に連絡をされていた。


「どの位置でも艦が三方向を取り囲んでいますから、音の強さは変わりませんね」


 キャメリアはすでに旋回し、こちらに向き直っていた。おかげで、砂竜を取り囲むように残響領域が広がっていた。ガイナスが斧で地を這う者を薙ぎながら、スレイを見れば槍を的確に急所を穿ちながら相手の様子を見ていた。


「お前、切れるか? 翼か首」

「さて……あの大きさのものは切ったことがありませんので」

「ただ大きくなったというだけであれば、切れないことはないでしょう。切れるのなら、倒すことも可能です」

「このメンバーならば心強いな」

「騎士ってのはお気楽なんだか、よほどの自信があるんだか……」


 スレイの言葉に、ガイナス、ナギ、ライル、ジルと返すが、唯一、騎士の家系ではないジルはため息をついていた。だが、実際巨大な砂竜が脅威であると認識はしていたが、どうにもならない相手とは思えなかった。

 この程度で怖気づいていてはキャメリアの筆頭騎士はやっていられない。


「じゃあ、とっととやるとするか。時間かけてたら、うちの艦長が何しでかすかわかんねェしなァ!」


 スレイが一直線に砂竜に向かい、他も少し遅れながらも翼を切るため動き出した。


 砂竜の傷口から溢れ出した砂を頭から浴びたユーリは、少しそれに反応が遅れた。


「ミスズ!!」


 失われた片翼の場所から、別の砂竜が死んだ砂竜の砂に紛れ、ミスズを食らおうと口を広げていた。

 剣を自分の前に構え、衝撃に備えるミスズにユーリもすぐに援護しようと、浮遊装置を共鳴させたが、砂竜は大きく羽ばたくと崩れかけていた元砂竜もろともユーリを叩き落とした。

 砂竜が衝撃こそ吸ってくれたが、砂となり視界を塞ぐ。


「――――ッ」


 突然、腕に刺さるような痛みが走り、握っていた剣が砂に巻き込まれて落ちていく。

 ミスズは砂竜から目を離すことなく、衝撃に備えていたが、その衝撃が届く前に砂竜の片目が潰された。


「また……!?」


 地上から撃たれた軌道の矢に砂竜は叫び声を上げ、痛みに暴れまわっていた。それに目的などなく、その大きな体を無茶苦茶に動かしているだけ。

 ただでさえ凶悪な力が無茶苦茶に暴れまわるのは、冷静な時に叩くよりも危険だ。ミスズがすぐに後ろに距離を取ると、また数本の矢が飛んできた。


(やっぱりコレって……)


 旅商人の一人の弓の名手が、あの森にいた。おそらく、先程から撃っているのはその男だ。

 援護をしてくれているのか、的確に矢は砂竜の翼を傷つけ機動力を削ってくれている。これなら立て直す時間も取れるかもしれない。ミスズが全員の位置を確認しようとした時、一際大きな叫びを砂竜が上げた。


「リーダー!?」


 砂竜の背中に、ユーリが張り付いていた。その手には、鋭く尖った石のような鱗が握られ、少し赤く染まったそれを砂竜の首に突き立てていた。


「これだけの聖音だ。直接ここで共鳴させれば、お前の首も吹き飛ぶだろ」


 逆鱗は本来なら特殊な加工をされ、武器に変わる。しかし、ひとつの逆鱗からいくつもの武器を作り出すため、その共鳴の能力は下がり、聖なる音を響かせる力は必然的に下がる。

 しかし、逆鱗そのものを共鳴させれば、聖なる音をそのまま刃にしたようなものだ。刃のような逆鱗を深く突き立てると、砂竜はユーリを振り落とそうと暴れまわるが、ユーリはその手を離すことなく笑った。


「いい気味だ」


 強く共鳴させた瞬間、目の前をまた砂が覆った。


 それに気がついたのは誰が最初だっただろうか。急激に砂の塊と化し崩れだす砂竜がやけにクリアに見え、頭に音が反響を繰り返し続けている。


「ぇ」


 近づいたミスズが見たのは、両腕の無くなったユーリの姿だった。それだけじゃない。その腕の断面から溢れ出しているのは、血ではなく地を這う者と同じ砂。

 今もその砂はユーリの体から溢れ出し、体を小さくしていく。


「あぁ……そうか。結局俺も……」


 自分の声すらも頭に響く音のノイズとなる。ユーリは呆然と見つめるミスズを見上げると、柔らかく微笑んだ。


「あぁ……」


 初めてチームを組んだ時から、他よりもずっと騒がしく、トラブルを起こしては教官に目を付けられたりもしたが、それでも楽しかった。ただ地を這う者に奪われ、憎み続けた人生の中で、確かにミスズたちと過ごした時間は楽しかった。


「もっといたかったな……」

「ユーリ!!」


 ようやく伸ばした腕が掴んだのは、砂だった。


 首に槍を刺したというのに暴れ、腕をくらおうとする砂竜にすぐに槍から手を離し距離をとる。


「まだまだ元気ってか?」

「大丈夫ですか!? スレイ殿!」

「おう」


 無線でエリザからヤジが飛んでくるのを無視して、傷だらけだというのにまだ元気だというように暴れる砂竜の様子を見る。

 さすがに最初ほど動きにキレはないが、あれだけの大きさの翼の羽ばたきによって作られる風は、気を抜けば吹き飛ばされそうだ。


「薙げそうかい?」

「無理だな。ありゃ」


 砂竜を倒すなら、致命傷を与える必要がある。大抵は腹などよりも首を攻撃する。しかし、首を貫いたところで今だに倒れそうな雰囲気はない。

 刺さった槍を薙ぎ、半分ほど切れば倒すことはできるだろうが厳しそうだった。


「やっぱり、ナギかガイナスかねぇ」


 刀や斧であればあの厚い首を切ることはできるだろう。二人は頷いたが、ナギは砂竜の首に刺さっている赤い槍を指さすと、


「アレ、邪魔です」

「悪かったな。今取ってくるよ」


 武器も無しに向かおうとするスレイに、ジルがポーチから鋼鉄出てきた糸を取り出すと、


「援護してやるか」

「ならば、手伝いましょう」

「助かるよ」


 ライルに片方を投げ渡すと二人は、砂竜の頭を挟んで糸をピンと張った。三人を振り払うように暴れるが、糸の所為ですぐ下にいるスレイに噛み付くことはできず、横にいたジルに口を開き噛み付こうとすれば、上あごに足を乗せられ、そのまま口を上下縫い合わせるように槍が突き刺さった。

 スレイは頭上に見えた切っ先に、若干冷や汗をかきながらも、自らの槍を引き抜くとすぐさまそこから離れた。そして、離れると同時にナギが切り込んできた。


「浅い……」


 今だに砂が溢れ出す様子はない。また倒してないのだ。ナギがすぐさまもう一度切り込もうとした時、砂竜の頭上に斧を大きく振り上げたガイナスに、すぐに後ろの飛んだ。

 渾身の力を込めたガイナスの斧は、鋼鉄の糸ごと砂竜の頭を叩き割った。さすがにこれを耐えきることはできなかったらしく、砂竜は砂を吐いて形を崩し始める。


「ワイヤーが切れたのなんて初めてだよ……」


 手応えが無くなった糸にジルが苦笑いをしていれば、それはライルも同じだったようだ。


「もう少しズレてたら、アタシもまっぷたつだったかもねぇ」


 そんなことがないと分かっているからこそ、笑っていた。


「お前、俺にあと少しで当たりそうだったのわかってたか?」

「アンタならちょっと当たったって気にしないだろ」


 笑っているジルにスレイはため息をつくしかなかった。


***


 全ての砂竜を倒し、グラジオラスは討伐が終わったことを告げにリンネへと戻っている中、艦橋ではズルダの怒鳴り声が響いていた。


「なんで人が砂になるんだよ!? あれはどういうことだ!?」


 ユーリが共鳴した瞬間、ユーリの腕は砂竜と同じように砂になって弾けた。そして、そのあとは地を這う者の末路と同じ。砂となって、消えた。


「聖音で砂になるのは地を這う者だけじゃねェのかよ!? 人まで砂になるなんて……ただの兵器と同じじゃねェか!! なんとか言えよ!!」

「ズルダ。ちょっと落ち着いて」


 ミスズが諭せば、ズルダは鬼のような形相でひどく落ち着いているミスズの胸ぐらを掴んだ。しかし、それでもミスズは動揺することなく、落ち着いてともう一度繰り返す。


「テメェはなんでそんなに落ち着いてられんだ!?」

「わからないことだらけだからだよ」


 全部説明してもらうまで、人間が砂になるなど夢を見ていたとしか思えない。


「ほらほら。喧嘩しない」


 ジーニアスが二人の間に入ると、ギリクの方を見た。相変わらず、こちらに目を向けることはない。


「規則に乗っ取るのもいいけど、正直、ミスズたちなら言っても問題ないと思うよ」


 返事をしないギリクに、軽く肩をすくめるとジーニアスは教育課程では習うことのないことを三人に教え始めた。

 この世に、音は沢山存在する。そして、中でも特に意味を持つ音も存在した。ひとつは、地を這う者や砂竜が発するノイズ。ひとつは、奏者や共鳴者が発する聖なる音。

 ノイズは草木を枯らし、聖なる音は草木を育てた。正反対の作用を持つ音は、互いに打ち消し合い、一種の均衡を保っていた。

 しかし、そのふたつが唯一共通した力は、耐えうる体を持たないものは音によって砂となるというものだった。だからこそ、地を這う者に襲われた町に死者の姿はない。あるのは音によって砂となったものだけだ。


「普段、僕たちが使う武器は耐え切れる量しか共鳴できないようになってる。そもそも、逆鱗そのものでの共鳴に耐え切れるのは、奏者本人くらいだからね」

「じゃあ、聖音はただの凶器じゃないっすか! 地を這う者と同じ!」

「そうだ。使い方を誤れば、聖音だって凶器になる。だが、俺たちは人間だ。地を這う者と違って理性がある。だからこそ、人として誤った使い方をしてはならないんだ」


 ギリクの言葉にジーニアスは小さくため息をついくと、申し訳なさそうに眉を下げた。


「ギリクの言うとおり、聖音は使い方一つで立派な凶器になるんだ。だから、正式に討伐部隊に配属されるまでは、悪用されないように教えないようにしてるんだ。でも、君たちには教えておくべきだったね。ごめん」


 頭を下げたジーニアスにもう誰も何も言わなかった。


***


 リンネには本当に討伐が終わったことだけを告げ、少しの休息後、夜にはグラジオラスはリンネを後にしていた。なんとなく眠れないと甲板に出てみると、すでに人がいた。


「ギリクさん?」

「あぁ、フィーネか。今日は疲れただろ。早く休め」


 少しだけ振り返るとギリクはそれだけ言って、また前を見た。その手は固く握られ、いかにも話しかけるなという雰囲気が溢れ出していた。

 さすがのフィーネもそこまで空気を読めないわけではないが、声もなく気合を入れると、できる限り元気に声を上げた。


「ギリクさんだって早く休んだほうがいいですよ! 私たちよりも休憩時間ずっと短いんですよね?」

「俺は直接戦ったわけじゃない。お前たちの方が色々ときついだろ」

「それはきっと変わらないですよ!」


 ギリクの前に回り込むと、笑顔で話しかける。


「ようやくギリクさんの顔見た気がします。さっきもずっと違う方見てるし」


 口を尖らせるフィーネに、ギリクは視線を逸らせるが、フィーネはそれにまた声を上げた。


「あ! また! いつもは人話す時は目を合わせろとか言うのに!」

「……俺の判断ミスでユーリが死んだんだ。弁解のしようがない」


 それはギリクの艦長としてのあり方のひとつだった。もし戦死者が出たとしても、それに対して言い訳をせず、その事実を受け止める。それを罵倒されようと、それは艦長として出した答えである限り、言い訳をするつもりも、誤りを認め謝るつもりもなかった。その判断によって助かった人がいる限り。その人が、命をとして戦ったことを否定する気がして。

 ギリクが誰よりも後悔し、相手へ謝罪していることは、この船に乗っていれば自然とわかることだからこそ、ギリクを責めることをする船員はいなかった。


「さっき、リンネでヒスイちゃんに会ってきたんです」


 突然、語りだしたフィーネに驚いて目をやれば、相変わらずの笑顔で続けた。


「そしたら、最初によかった! って言われて、その次にごめんなさいって言われたんです。でも謝られた時、なんか違うなって思ったんです。結局、あの時助けられなかったのは私なんですよ? あんなに近くにいたのに……」

「違う。お前は精一杯戦った。自分を責めるな」

「……でも、守れなかったのは事実なんです。だから、私……もっとちゃんとみんなを守れるように強くならなきゃって……」


 ボロボロと大粒の涙をこぼすフィーネは、驚いた様子で引つりながらも笑顔を向けた。


「あれ、私、ちゃんと笑えて……? ギリクさんの方が、ずっと辛いのに……」


 泣きながら必死に笑顔を作ろうとするフィーネの頭に手を乗せると、フィーネの視界からギリクの姿が消える。


「あぁ。笑えてる。笑えてるよ」


 途端に溢れ出す涙は、しばらく収まることはなかった。

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