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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
出向編 続き
99/174

出向編-12

意外と暇だったので投稿できました。


それと、

祝!ブックマーク100件突破!

・・・ってこれだけ書いてやっと?って言われそう・・・。


それでもいいのです!自己満足作品でこれだけ行ったらとてもいい方でしょう!

「はてさて、と。」

リネット中尉が運転する軍用トラックの中で、俺は考えていた。


「どうするのですか?」

リネット中尉が運転しながら俺に訊ねる。

「どうしようかねぇ・・・」


この話が俺に回ってきた理由もだいたいわかった。

仮に、この話を在アドリミア日本民主主義国大使館に持って行ったとしよう。まずは大使は裏を取ろうとするだろう。そうしている間にも軍は動く。いや、仮に大使が速攻で本国の外務省に連絡したとしても、そこから外務大臣まで登って木嶋総理の耳まで届くのはそれなりの時間を要する。ここでも運よく木嶋総理までスピーディーにたどり着いたとして、鵜呑みにするようでは総理大臣失格だ。最悪でもここで裏付けを取らないと、その情報を基にした行動を起こせない。


つまりは、即効性のありそうな選択肢は、これから攻め込む予定の軍人に直談判するしかなかったわけだ。


「3日、待つわけにはいかないのですか?」

リネット中尉が言った。

「そう言うわけにもいかんだろう。あのフォルグ、だっけ?あの子爵が嘘をついているという可能性もある。本来なら“上”へお伺いを立てたいところだが、“上”が考えている間にキレヌ王国は地図から消えるだろうな。」

「でしょうね。国土もそこまで広くありませんし、陸軍は1個師団あれば充分とも言っていました。」

「その1個師団は明日にでも“飛び地”に到着するぞ。我が海軍が二式飛行艇でピストン輸送しているからな。さらに飛び地の飛行場には空軍さんがいるし、空軍の輸送機まで使えば・・・」

「もう来ているかもしれませんね。」

「ああ。」


飛び地へ戻ると、余計にやばい物を見つけた。

「おい!見ろリネット中尉!」

「あ、あれは・・・」


そこにいたのは日本民主主義国国防空軍10式爆撃機21型。その垂直尾翼には落下傘で降下するウサギの絵が描かれていた。

つまり、第1空挺団だ。

絵の通り、落下傘で降下する空軍の特殊部隊である。


「リネット中尉、キレヌ王国まで何キロだっけ?」

「ざっとここから南へ2000kmと聞いてますが・・・」

「対地速度400km/h前後、航続距離5000kmオーバーの機体でいったなら?」

「片道5時間、航続距離も問題なしです。」

「これ、俺にどうやって時間稼げっていうんだよ・・・」


そこへ、見覚えのある顔がやってきた。

「あ、お久しぶりです!鯵川大将!」

元アドリミア王国派遣軍軍団長の日本民主主義国国防陸軍、鯵川大将の姿があった。

「おお、元気そうじゃないか谷岡中将!なんでもアドリミアの皇帝から呼び出しをくらったんだってな!」

情報早いな~

「まぁ・・・。それなんですが・・・」

ええい!何も考えてないけどやけくそだ!全部しゃべってやる!


日本民主主義国国防空軍

飛地基地司令部


地名までそのまま“飛地”になってた・・・


「それで、どんな話をされてきたって?」

50代くらいの女性が椅子に座りながら俺に訊ねた。

国防空軍飛地基地司令、三枝美津子大将。前の世界にいたころは航空関係の仕事をしていたとか。それで空軍の大将になった人物だ。どちらかと言えば“空軍のお母さん”というあだ名の方が有名だ。


この部屋には、陸、海、空の主だった将校が全員集合していた。俺は、ハヴェル公爵との会話をそのまま話した。


「それで?あんた自身はどう思うんだい?坊ちゃん。」

「ぼ・・・」

坊ちゃんって!一応中将ですよ!確かにあなたからすれば坊ちゃんなんだろうけどさぁ!

咳払いをして気を取り直す。

「本官としては、信用しても良い、とは思いますが・・・情報の正確さには疑問符を付けざるを得ません。」

「と、いうと?」

鯵川大将が訊ねた。

「ハヴェル公爵は信用に足る人物と見ても良いと思います。知っての通り、現在このアドリミア王国は日本民主主義国国防軍われわれの協力が無くては成立していませんでした。まずこの理由から、裏切ることはないだろう。というのが一つ。」

「坊ちゃん、それは甘いんじゃないかねぇ。もう国防軍われわれが居なくてもやっていけるだろう?この国は。」

「三枝大将、それはごもっともです。ですが、2つ目の理由が本命です。

2つ目に、現在のアドリミアの状況です。

アドリミアは現在、日本民主主義国わがくにから工業製品を輸入しては値段を上乗せして他国へ流す、というようにして外貨を稼いでいます。キレヌ王国にこれを犠牲にしてまで肩入れする理由があるのですかね?」

ウンウン、とうなづきながら聞いていた三枝大将は、ゆっくりと言った。


「確かにそうだね。だけど、付き合いで言えば日本民主主義国うちらとは比べ物にならないくらい長いはずだね。そこで、“人情に流された”という可能性はあると思わないかい?」

長い付き合いを尊重して、外貨取得源を放棄してまで、アドリミアがキレヌ王国に肩入れする。残念ながらその可能性を否定できる要素は無い。

「・・・その可能性は、確かにあると思います。」

認めざるを得ない。


「おやおや、もうギブアップかい。考えてもみなよ。もしもアドリミアが日本民主主義国の敵国に肩入れしたら、矛先が自分に向く可能性だってあるんだ。アドリミアは我々の兵器と戦力を知っている。そうそう日本民主主義国われわれを簡単に裏切るようなことは無いよ。」

「・・・参りました。」

この人、軍人やめて外務省に行って欲しい。


「だけど、確かに裏付けが欲しいところではあるねぇ・・・」

そう言いながら三枝大将は鯵川大将を見た。俺も、鯵川大将を見る。

「そこでわしか?どうしろと?」

とぼけているので言ってやった。

「知ってますよ~。陸軍兵を冒険者にして探り入れさせているのは。」

「ゔ・・・なんでそれを。」

「誰がアドリミア派兵と時に兵隊を運んだと思っているのですか?行った人数と帰った人数が合わなければ気づきます。」

「そりゃごもっとも・・・」

その後、アドリミアと定期航路ができたからって海軍も独自にスパイを送り込んだのは秘密だけど。


「わかったよ。担当部署に聞くだけ聞いてみるよ!ちくしょう!」

陸軍だけ秘密をばらされた鯵川大将はぶっきらぼうになりながら席を立った。




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