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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
出向編 番外
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出向編 番外4

番外編を思いついて書き始めた時は、番外編1だけで終わるかな~?と思っていたのですが、見ての通り恐ろしく長くなりました。

またいつか、番外編をやると思います。

その時の主人公は、たぶんミアやエトー達ではないと思いますが。

戦いは、足止めが限界だった。


さすがに2対8では分が悪すぎた。


「あれね。これ、ピンチってやつね・・・。ハァ・・・ハァ・・・」

私がそう言うと、エトーも同意する。

「確かに。そうかな・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」

鉄鎧剣士はタイミングを見ている。少しでも隙を見せたらすぐにでも切りかかってくるだろう。


その時だった。

「フリーズ!」

そう言う声がすると、いきなり鉄鎧剣士の足元が凍り付いた。


「凍結魔法!」

「ということは・・・」

凍結魔法はカルマの得意魔法だ。


そこへ、ウーウーというサイレン音とともに屋根にピカピカ光るものを付けた自走馬車が現れた。

「まずいわ!あれはこの国の警備兵の自走馬車よ!」

「だけど!カルマが!」

「凍結魔法を使えるのはカルマだけじゃないわ!ここは一旦逃げるわよ!」


そうして私たちは、山の中に逃げ込んだ。


それからしばらく、最初にいた町の安宿で身を隠していた。

「エトー、どうやらあの奴隷達、助かったみたいよ。この町の警備組織が保護したってさ。」

「それって・・・大丈夫かなぁ?」

「大丈夫よ。この新聞によると、この国の政府は奴隷達を返す気はないみたいよ。」

「それは良かった。」

エトーはホッと胸をなでおろした。

「よかったじゃないわよ。私たちも傷だらけ、バートは行方不明、報酬は無し。これでこれからどうするのよ!」

「・・・どうしようかなぁ・・・」

まぁ、エトーに言っても何か良案が出るとは思ってなかったけどね。


「ねぇエトー。もういっそのこと、この町で暮らしちゃわない?」

そう言おうとした時、その台詞より0.5秒先にエトーが言った。


「とりあえず明日、大使館に行ってみよう。バートは目立つから見つかるかもしれない。」

んもぅ!!

なんでこういうときだけ素早く判断するのよ!

「どうしたの?」

しかもエトーは鈍感いいとこだし!

「何でもない!!」

私は新聞を投げつけた。


大使館前は物々しい雰囲気だった。

「いったい何事ですか?」

エトーが近くに居た人に訊ねた。

「何でも大使館の中で何かあったみたいよ?この前は大使館の外側でデモ活動があったけど、大使館の中も大変なのねぇ。」


「もしかして、バートが僕らが捕まったものと勘違いして・・・」

エトーがそう言った。

その時、ちょうどドアが勢いよく開いて2人出てきた。もちろん、どちらもバートではなかった。

「あ!あいつ!」

思わず私は叫んだ。

「えっ?知り合い?」

エトーが驚く。

「私を逮捕した警備兵よ!そして奴隷を保護した警備組織の一員よ!」

「あ!切りかかった!」

大使館の建物の外にいた鉄鎧剣士が2人に切りかかる。だがそれを警備兵はかわし、蹴りを食らわせた。

「結構やるわね、あの警備兵。」

「ということは、奴隷関係であの大使に呼び出されたのかな?」

「それで交渉決裂したのでしょうね・・・」


その時、警備兵が刺された。

民衆から、「ああ!」というどよめきが起こる。

警備兵は連れを先に大使館敷地から出した。だが、その後警備兵は倒れて動かない。


大使館の敷地は周りを塀で囲まれているが、門からは中が見える。そしてちょうど、倒れた警備兵とその後ろから迫る鉄鎧剣士集団が見える。


「谷岡中将―!」

倒れている警備兵と同じ制服の警備兵が叫ぶ。だが、叫ぶだけで中には入らない。


「なんでよ!?なんで誰も助けに行かないのよ!?」

「ミア、僕の故郷にも大使館制度があったから知っているんだけど、あそこはこの国からすれば外国なんだよ。警備兵は入れない。」

「目の前で倒れているのに!?」

エトーはうなづいた。

「あの人には少し恩があるの。

エトー、手伝ってくれない?」

「君ならそう言うと思った。そう言うところが好きだよ、ミア。」

こんな時に言わないでよ!恥ずかしい!


私は大量に集まった、大使館に入れずにいる警備兵をすり抜けて大使館の敷地へ入った。


ガキィン!

愛剣と鉄鎧剣士の剣がものすごい音を立てる!


「誰も助けないなら、私が助けるわ!」


「こういうの無視できない性格だよね!ミアって!」

エトーも杖で助太刀する。

「人助けは嫌いじゃないわ!」


だけど、時間稼ぎも一瞬だった。

鉄鎧剣士は8名いた。いや、最初に警備兵に倒された鉄鎧剣士が復活したから9名か。前回より一人多い。


「だからよぉ、いつも言ってるだろ!無謀に突っ込むなって!」

そう言いながら大剣が鉄鎧剣士を3名ほどまとめて吹っ飛ばした。


「「バート!!」」

「おう!」


バートは倒れている警備兵を拾い上げると、門の向こうへ放り投げた。


「ちょっとバート!もっと丁寧に扱ってあげなさいよ!」

私がそう言うと、バートが言った。

「ならよぉ、時間稼いだ時点でさっさと助けてやれよ、2人とも。」


それもそうね・・・





これで出向編番外は終わりです。ご感想お待ちしております。

次回からは通常通りになると思います。





たぶん!!!

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