海軍-2 から 市街-1
しばらく放置してすいませんでした。
そして誰かがこれを読んでいることが判明しました!
驚きです!
うれしいです!
がんばって更新するつもりです!
「“第32号艦”!?」
第32号艦とは、大日本帝国海軍が戦艦大和建造の予算確保のために使った書類の中に出てくる。
帝国海軍は諸外国(というか主にアメリカ)に戦艦大和の建造を知られたくなかった。そのため“敵を欺くにはまず味方から”という考えがあってかは知らないが、予算を駆逐艦3隻の建造ということで申請している。
その時出てくるのが陽炎型駆逐艦“第32号艦”“第33号艦”“第34号艦”だ。
「じゃあ・・・なんで建造されていない駆逐艦がここに・・・」
「わからんよ。そもそもそれを言うなら我々がこの世界にいること自体が“異常”でしょう?」
「それもそうですがねぇ・・・」
「とにかく動かしましょう。あらかじめ乗組員の基礎教育はしてくれたんですよね?」
「ええ、まぁ。ですがちゃんとできるかどうか・・・」
「安心してください。いざとなったら私がどうにかします。」
「お願いします。」
斎間さんを臨時艦長にする形で、陽炎型駆逐艦“第32号艦”は処女航海(?)へ出た。
たった10kmも移動しないけど。
「右!距離・・・100!特殊な船舶!」
「微妙な見張り報告だなぁ・・・」
斎間さんが露天艦橋からの報告に苦笑いする。
「僕、見てきます。」
実質的に副長な立場になった俺はそう言って露天艦橋へ向かった。
鉄製ヘルメット(通称“鉄ハチ”)をかぶった見張り員は双眼鏡をのぞいていた。
「特殊船舶はどこだ?」
「あ、大佐。どうぞ。」
譲ってくれた双眼鏡を覗き込む。
「・・・ありゃあ、タグボートか?」
そういえば造船所で作っているとか聞いたな・・・
それだけ確認したらすぐに艦橋へ戻る。そして報告。
「それもそうか・・・。僕ら以外の人間からすれば帆の無い船舶って・・・」
「“特殊船舶”ですよね・・・。今度そこらへん教育しておきます。」
俺、反省。
その後もてんやわんやしながら艦を進め、どうにかドック入りをした。
だが、水抜き用のポンプはかなりの低性能らしく、途中で故障をし、結局水抜きが完了したのはドック入りから8時間後のことだった。
だがこの時俺はまだ知らなかった。この世界にどんな日本人が来ているのかを・・・。
「整備、改造にはしばらく時間がかかる。」by斎間
とのことでその間に俺は他のことを調べることにした。
簡単にいえば、“この町について”である。
こちらに来てすぐに佐藤に海軍準備室に放り込まれたため、実は市街を一切見ていないのであった。
しかも、私物も少なかった。
確かに大学の教科書やパソコンなどはこちらに飛ばされて来ていたが、それは大学の近くの家に置いていたもの。私物の1/3は実家に置いていたのだが、それらはこちらの世界に来ていなかった。
まぁ、寮の部屋がやたら広いから私物が少なく見える、ということも原因ではあるのだが・・・。
とにかく財布をもって買い物に出た。
軍の基地の近くには路面電車の電停があった。どうやら俺が最初に来た時くぐった門は別の門らしく、こちらが“正門”だと門番に言われた。
路面電車の電停には路線図があった。どうやら“ガリ版印刷”である。
「路線が10路線もあるって・・・すごいな。」
あらためてこの町のでかさに驚く。
広島出身の俺としては、路面電車はなじみ深いものだ。広島市を走る路面電車は“市内均一160円(一部例外)”だったから非常に使いやすかったのだ。そして鉄道オタクでもあった俺はそれで1日中路面電車に乗りまくって過ごしたのである。
キュキイイイイイィィィィ!
耳を刺激するブレーキ音とともに路面電車がやってきた。
「うわ!見た目広島にいた路面電車そっくり!」
おもわず言葉に出てしまった。だがそれほど“元大阪市電”の車両にそっくりだったのだ。
だが違った点もあった。まずは車掌がいることだ。
やはり機械が微妙に発達していない(一部のみ異常発達)しているこの世界では、ワンマン化は無理があったのであろう。そう勝手に解釈した。
そして、ここで驚いたことがある。
空いている席に座った時だ。向かいの席にいる女性を見ると・・・
耳が頭の上にあるような気がした。
は?俺バカじゃないの?
と思いもう一度見る。
どう見ても三角形の、いや、一見すると二等辺三角形の耳が頭の上から出ているように見える。
いや、二等辺三角形はどうでもいい!問題は三角形!じゃなくて耳!
とかってにパニックになっている間に女性は降りて行ってしまった。
え、いや、まさか・・・
獣耳!?
結構行き当たりばったりで書いているけど、これ、いつ終わるんですかね(笑)
オチすらまだ考えていない。