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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
外交編
33/174

外交編-4

眠いです・・・

みなさんも夜更かしはしないように気を付けてくださいね~

・・・って最近夜中にばかり更新している作者のいうセリフではないか。

日本民主主義国

国防海軍所属

重巡洋艦

“仙崎”


現在、我が日本民主主義国国防海軍で一番大きな軍艦である。名前は斎間大将の出身地からとられた。

高雄型重巡洋艦を参考にして作られた軍艦で、どこか高雄型に似ている。

近々、同型艦の“下関”が就役予定。


その、重巡“仙崎”は現在連合艦隊旗艦となっていた。

艦尾には中将旗が翻り、俺が艦内にいることを表している。

連合艦隊発足から2週間。

なんとも微妙な状況にあった。


「私としては、戦力はあるに越したことは無いですし、できれば待ちたいですけどねぇ。」

エヴェリーナ少将が言った。

「しかしですね、絶対に遅れるわけにはいかないんですよ。日程には余裕をもっていかないと。」

と、外務省の越智さん。

「それに、ある程度の練度が無いと足を引っ張るだけですよ。」

と、ペートルス中佐。


そう、問題は出港時期と、編成だ。


現在、連合艦隊麾下にあるのは、

第1戦隊(重巡“仙崎”)

第1艦隊(駆逐艦8隻)

第2艦隊(駆逐艦8隻)

第1輸送艦隊(鋼鉄製輸送艦5隻)

のみ。

鋼鉄製の軍艦すら珍しいこの世界では、ある意味“豪華”とも言える艦隊だ。


だが、もっと“見た目”にインパクトが欲しい。戦力的にももう少し欲しい。

と、いうのが俺の本音だ。今回は“外国親善目的”であるため、最悪“仙崎”と駆逐艦数隻でもよいのだが、道中なにがあるかわからない。斎間大将からも越智さんからも、“覚悟はするように”と言われている。


もちろん、無い袖は振れない。これで他に編入できそうな軍艦が無ければ俺はこれで出港した。

だが、ここで悩ましい存在が3隻ある。


まず、軽巡洋艦“酒田”と“三川”だ。

長良型軽巡洋艦を参考に建造された艦で、2隻ともほぼ同時に進水、竣工。

一応1番艦は“酒田”で酒田型軽巡洋艦ということになっている。

就役したのは重巡“仙崎”の1週間後。だが未だ訓練中であり、練度はもう少し欲しいところ。

次に、“仙崎”の同型艦、“下関”。

3日前に進水したばかりで練度はまだまだ。だが乗組員の9割が他の軍艦からの転属で構成されており、艦長は

「命令とあらば2日で任務につけることのできる練度にします!」

と豪語している。


これから行くアドリミア王国は、日本民主主義国とは別の大陸にある国家で、複数の国と連合を組んでいる。日本民主主義国のことは完全になめてかかっているようで、“外交の行方によっては敵国となる”と越智さんがはっきり言った。

そう、場合によっては敵国から越智さんを連れて緊急出港することになるのだ。

戦力も欲しくなる。


この議案は、すでに先週から話し合われてきたことだった。

だが、そろそろ決断しなければならない。


「このまま出港しよう。ただし、軽巡2隻は後追いで来てもらう。」


日本民主主義国防衛用の戦力にはあまり問題は無かった。とにかくいつの間にか我が海軍は“中小艦艇”だらけになっていた。今では木造帆船は海軍籍から外れ、民間へ払い下げられた。水深測量も、敷設艦などの補助艦艇がやっている。

こんな中小艦艇だらけなので、海防艦や駆逐艦は多くいた。というか多すぎだ。


これで日程ははっきりと決まった。

日本民主主義国歴12年10月15日。

5日後の正午に出港式典をやって、13時出港予定と決まった。


これに伴い、俺も寝床をお引っ越しすることにした。

今までは海軍司令部の自分の部屋から会議があるたびに重巡“仙崎”の会議室へ足を運んでいたが、もう少ししたら出港だ。“仙崎”は旗艦機能も有しているので、艦隊司令室に寝床を移すことにした。


“仙崎”の会議室を出ると、メイドのノエルさんが待っていた。さすがに軍の会議に参加することはやめてもらった。というか、居ても意味がない。

海図にコーヒーをこぼしたら大変なので、会議は飲み物なしで行う。すると、お茶くみすらいらない。よってノエルさんは会議室の出入り口でずっと待っていてもらったのだ。

「すいませんね。こんなところで待たせてしまって。」

「いえ。待つのは慣れてます。」


ノエルさんが俺のところへ来てすでに2週間がもう少ししたら経つ。最初は緊張しまくりだったノエルさんだが、だんだん慣れてきたのか最初みたいにあわてることが少ない。


あれはあれでかわいい・・・ってそれはどうでもいい!


「室長、その方は・・・」

まるで他の海軍兵たちの質問を代弁するかのように、エヴェリーナ少将が俺に訊ねた。周りを見ると、こっそり聞き耳を立てている奴が多くいる。

「ああ、外交的な理由から外務省からつけられた俺のメイドさんでノエルさんという。」

「外務省より海軍へ出向中の、国防海軍艦隊総司令谷岡中将閣下付メイドのノエル・ケアードです。以後、お見知りおきを。第1艦隊司令、エヴェリーナ・ユングラウ少将閣下。」

スカートの端をちょっとつまんで、“メイド風お辞儀(?)”をするノエルさん。

「あ、これはご親切に・・・。ってあれ?なんで私の名前を?」

「谷岡中将に関係する、及び連合艦隊に関係する人物の名前と役職くらいは頭に入っておりますので。」

す、すげぇ・・・。メイドってこういうものなのか!?

「すご~い!さすがね~。室長もこんな美人さんについてもらってうれしいのでは?」

「エヴェリーナ少将。その前に俺はもう“室長”じゃない!それと美人に見とれている暇はあまりないんだよ!」

「室長は、あいかわらずですねぇ・・・」

「そういうおめぇも、相変わらずだろう?」

「そうでも・・・ないよ?」


・・・何?何で語尾疑問形?


司令部に戻る前に、先に艦隊司令室を覗きに行った。

やはり、司令部の自分の部屋よりも狭い。だが、固定されたベッド(大波で艦が揺れても動かないようにしてある)、コンパクトな応接セット、そして小さな事務机があり、機能としては申し分ない。

なんでも設計を担当した斎間大将や造船所の職員によれば、

「第2次世界大戦の時期よりかはかなり近代化してる。だから乗組員も450名くらいで住んでいるからその分スペースを余裕持って作ることができた。」

とか言っていた。ちなみにベースになった高雄型重巡洋艦の乗組員はおよそ760~840名くらい。300名以上乗組員が減ったことになっている。


それにしてもなんでこの世界へ飛ばされてきた日本人どもは“マッドサイエンティスト”並の技術力を持った者が多いのだろう。不思議だ。



「ノエルさん。これからここへ寝床を移すから。司令部から必要な書類とか持ってくるのを手伝って。」

「あの・・・質問良いですか?」

「ん?どしたの?」

「谷岡中将は、こちらで寝泊まりされるのですか?」

「ああ、航海中はずっとここだね。だから早めに引っ越そうと思って。不都合でもあった?」

「いえ、不都合と言うほどでは・・・。

それで、私はどこで寝ればよいのでしょう?」


・・・んあ!



まったく考えてなかった・・・・







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