外交編-3
この前”0時台が多い”と前書きに書いたら今度は1時台と2時台が増えました。
みなさん大丈夫ですか~?
そういえば今日くらいから学校が始まった方も多いのでは?
アクセス解析を見ていてもそう思います。
アクセス総数は減り、16時台が増えています。
読者には学生さんが多いのかな?
そんなことを思いつつ、今日ものんきにこれを書いてます。
起き上がると、メイドさん。
「お、おはようございます。ご主人様。」
・・・どゆこと?
何?おれまた転生でもした?
「どうです?若き中将閣下。彼女は。」
メイドさんの後ろから外務省の越智宗満さんが言った。
「はぁ。」
返事をしようにもどうにもこうにも状況が読めない。
「いいでしょう。私もうらやましいですよ。」
勝手に話を続けていくおっさん(=越智さん)に対して俺は言った。
「それより状況を説明してくれません?」
「俺にメイド!?」
海軍司令部の自分の部屋の応接セットで思わず大声をあげてしまった。
「あれ?斎間大将か木嶋総理からうかがってませんか?」
「いやまったく。」
二人とも何やってんだよ・・・。どこか抜けているんだよな~、斎間大将も木嶋総理も。
と、いうわけで越智さんが説明してくれた。
「我々が向かう“アドリミア王国”では貴族制が採用されています。聞けばあなたは軍のNO.2だというのに副官もいないとのことではありませんか。
あの国では、“何人従えているか”や“何人従えているように見えるか”が重要です。簡単に言ってしまえば“実際”と“見た目”ですね。
我が国の軍服は結構いいデザインをしています。なので“見た目”の服装は問題ないです。」
まぁ、ほぼ旧日本海軍の軍服のコピーだからな。
「問題は、“見た目”の身の回りの部分です。意外に貴族連中は細かなところまで見ているんですよ。
例えば、コーヒー。
自分でコーヒーを用意するか、メイドや部下、副官に頼むか。これで結構相手の態度も違ってきます。」
「めんどくさいんですな」
「まぁ、そう思うのも無理はない。私自身そう思います。
ですが向こうの国ではこれで平民出身の貴族か、昔からの貴族かを見極めようとするのです。」
うっぜ~。
「では、海軍内で人員を探しますよ。そんなメイドさんなんて僕にはもったいない。」
というかまさかメイドカフェにも行ったことないのに、メイドさんを使えるかもしれない立場になったことに驚きだな。こりゃ。
だが、俺のそばは一応軍事機密だらけだ。これでも一応中将。越智さんも言ったように、海軍NO.2。軍部全体でみれば俺が知ることのできない機密はたくさんあるが、海軍の機密で俺が見れないものは無いと言っていい。
そんなところに(メイドさんには失礼ではあるが)得体のしれない人物を置いておくわけにはいかないのだ。
「いや、私も最初はそうしようとしたんですよ。海軍内で人員探して谷岡中将に副官をつけてくれ、というように斎間大将にお願いしたんです。」
「はぁ。」
「ですが・・・“人員不足”と言われまして・・・」
悲しいな。我が海軍。
今度ヒネク中佐の尻でもひっぱたいておくか。
「それで、どうなったんです?」
「谷岡中将は、外務省か他の省庁にいらしたことは?」
「国土開発省へ毎日のように行ってますけど。」
「なら話が早い。
我が国では、女性の雇用と“見た目”のために多くの執事、メイドを雇っています。彼ら彼女らは大臣や役人を補佐し、時には職員として仕事をこなしています。ほとんど執事やメイドの格好をした“職員”と考えていただいて構いません。」
俺は前の世界で考えた。
高級車で登場する大臣。
それを執事メイドが出迎える。
昼には永田町近くのカフェに執事メイドがお客としてあふれかえり・・・。
う~ん。アキバのメイドカフェがかすんでしまいそうだ。行ったことないけど。
まぁいいや。
「つまり、彼ら彼女らは普段から国家機密に触れることもあり、絶対に秘密を外へ漏らしません。その点は信頼していただいて結構です。」
「ほぉ~。では軍事機密も大丈夫だと?」
「ええ。外務省は軍の上に居ますからね。たまに軍事機密も転がってますし。」
転がっているってオイ。丁寧に扱ってくれよ。
「とにかく、彼女は若いですがこれでも外務省に5年勤めており、今まで機密を漏らしたことはありません。信頼していただいて結構です。」
越智さんは胸を張るように言った。
だが、外務省の“信頼”は正直疑いたくなってしまう。なぜなら“前歴”が有るからだ。
そう、リュディガーの起こした“反乱軍騒動事件”は記憶に新しい。
俺にとって外務省は現在“信頼に足る存在”ではない。
俺は電話で斎間大将に確認を取った。確かにメイドをつける件は斎間大将の伝達ミスだそうだ。
「上からの命令なんで、とりあえず外務省さんからメイドさんをお借りしましょう。」
「了解です。頑張るんだよ、ノエル。」
「は、はい!」
ノエルと呼ばれたメイドは、緊張した声で返事をした。
「ノエル・ケアードです!よろしくお願いします!ご主人様。」
今まで思いっきり庶民だった俺は“ご主人様。”と言う響きにものすごい違和感を感じてしまう。
「ノエルさん。ご主人様はやめてくれ。どうも庶民の俺には慣れない。」
「では、何とお呼びすれば・・・」
そう言われるとなぁ・・・。
呼び捨て、というのはメイドさんという立場から無理だろう。
ニックネームなんて論外だ。
やっぱり・・・
「谷岡中将か、中将で頼む。」
「わかりました!中将閣下」
「閣下はつけないで。」
あれ?そういえば中将って庶民だっけ?軍高官って庶民なのかな?
まぁ、そんなことは置いておいて。
俺に副官がつく前に、
メイドがつきました。




