軍-1
これ、面白いんでしょうか・・・
書いてて自分でそう思い始めたこの頃。
まぁ、自己満足作品だしいいか!(開き直り)
熊○県警のパトカーが向かった先は、どうやら軍の基地らしきところだった。
”基地”というと要塞みたいなかっこいい?のを想像される人もいるかもしれないが、どちらかというと自衛隊の駐屯地だ。周りには堀が掘られ、金網フェンスと有刺鉄線で仕切りがしてある。
門には緑色の軍服を着た兵士が立っていた。
「身分証を。」
佐藤が身分証を差し出す。
「佐藤大佐。お帰りなさい。」
そういうと身分証を確認した兵士は他の兵士に合図して、ゲートを開け、道路障害物をどけてくれた。
「お疲れ様。」
佐藤はそう言ってパトカーを発進させた。俺もつられて「お疲れ様です」と頭を下げる。
「佐藤。銃が89式や64式じゃなかったな。」
89式や64式は自衛隊で採用されている小銃だ。それこそ一番日本人が見る機会のある小銃だろう。
だが、どう見てもさっきの兵が持っていたのはそれではない。
「まさかとは思うけど、三八式か?」
「やっぱりわかった?」
佐藤は(やっぱりわかったか)というような顔をした。
三八式歩兵銃。言わずと知れた(?)大日本帝国軍の歩兵銃である。
「正確には三八式歩兵銃を基に作った銃なんだけどね。ほとんど三八式と変わらないよ。」
「よくそんなもの作れたなぁ・・・」
俺が感心していると、佐藤が言った。
「こっちに飛ばされてきた人の中に金属加工ができる人が居てね。しかも僕より先に来ていたから仕様を伝えたらさっそくと言わんばかりに作ってくれたよ。」
「そりゃ良いとして、火薬は?」
「つくった」
「へっ?」
ここで俺は思い出した。大学での成績は佐藤より俺の方が上だった。ただし、火薬学に関しては佐藤は定期テストで満点をたたき出すほど優秀だったのだ。
「最初は製造の簡単な黒色火薬でやるつもりだったんだけどなかなか上手くいかなくて・・・。反動のめっちゃ強いショットガンしかできなかった。」
いや、できただけでもすげーよ!という突っ込みは心の中にしまっておく。
「それで・・・無煙火薬を作ってみた!」
「え~・・・」
こいつ、ありえんだろ・・・。本当に佐藤か?こいつ。
そんな俺の心の声をよそに、パトカーはある建物の前で止まった。
「ついてきて。」
佐藤に続いて俺もパトカーを降りる。そして大理石らしきものでできた建物へ入って行った。
「こりゃなんだ?軍司令部か?」
「いや、ただの軍人の寮だけど?」
「こんな大理石をふんだんに使ってか!?」
「ここじゃ大理石なんてたくさんあるからね。安いんだよ。」
「へぇ・・・」
段々と日本の常識から離れていくような気がする・・・。
「ここがたにさんの部屋。私物は運んでおいたから。」
「私物!?」
たしか死んだとき持っていたものと言えば懐中電灯とスマートフォンくらいなものだったが・・・
「あ、説明してなかったっけ?こっちの世界に来るとき、大半の人は自分の私物と一緒に飛ばされてくるんだよ。」
「マジか!?」
俺はあわててドアを開けた。
中には山積みになった木箱。それを急いで開けていく。
大学の教科書、自分の本、図書室から借りっぱなしだった図面、冷蔵庫、使い賭けだった焼き肉のたれ・・・
「いらん物までこっちに来てるな!」
思わず突っ込んだ。ありがたいけど使いかけの焼き肉のたれはいらないよ!
そこで気づいた。もし、佐藤も同じだったとすると火薬の話も納得がいく。火薬学講座を取った時に火薬学の専門書を買わされたからだ。
一人で納得したところで佐藤が言った。
「落ち着いたら声かけてよ。僕隣の部屋だから。」
「了解。」
とりあえず俺は、自分の持ち物から整理し始めた。
ついでに登場人物プロフィール書いておきます。
谷岡一朗
元N大土木工学科
身長190cm
体重100kg(若干デブ)
趣味 鉄道 旧日本海軍 海上自衛隊 警察 政治(少し)
出身地 広島
見た目 年齢よりおっさん。身長が高いこともあり、本人の意思と関係なく相手を威圧することもある。