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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
海軍都市編
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海軍都市編-6

な~んか段々と海軍都市から離れてきたような気が・・・


そういえば鉄道ほとんど出てない!

ずいぶん前に路面電車がすこし出ただけだ!

鉄道書きたいよ~!

エルフ。

さて、そう言われて俺がピンとくるのは“人間より耳が若干長い(?)”ってことくらい。

というのも、エルフが出てくるような小説や漫画をあまり読まなかったせいだ。

ってか獣耳といいエルフと言い、何でもありだな。この世界。いづれ神とか海賊王とか出てくるんじゃないか?

というこの世界に対する疑問は後回しにする。


とにかくは、エルフだ。


リュディガーさんのお話をまとめると、こうだ。

まず第一に“よくわからない”

「おい!そりゃないでしょ!」

思わず俺は突っ込んだ。

「そう言われましても・・・。エルフの多くは排他的なんです。そのため自身がエルフであることを隠していたり、エルフの村自体も場所が分からないことが多くて・・・」

「はぁ・・・」

「部族によってはエルフを神として崇めたり、逆に悪魔として排斥するところもありますね。」

神と悪魔も出てきたよ~、早速だよ~。ホント何でもありだよ~、この世界。

いづれドラゴンとか空中都市とか世界滅亡の危機とか出てくるんじゃ・・・

「それでこの写真から判断するに、自然発生した火事ではないです。見てください。焼け焦げた場所が帯状になっています。おそらく、ドラゴンか何かにやられたのでしょう。」

!!?

やべぇ。滅多なことを思うんじゃない!これ以上“~とか出てくるんじゃ・・・”とか思っているとドラ○もんすら出てきそうだ!

という俺の心の中で行われた勝手な漫才を無視して、話が進んでいく。


「それで?何でこんなに軍が大集合になるの?」

美佐さんが訊ねた。

「そこです!よくぞ聞いてくれました。


外務省では首相を交えて会議をした結果、この国の憲法“人種差別を禁止する”の方針にのっとり、エルフ族の救援に向かいたいと思います。」

俺は素早く手を挙げた。

「待った。それはおかしい。もしもエルフ族の村が我が国の国内なら軍なり警察なりを動かすのはわかる。だがエルフ族の村は完全に我が国の勢力圏外だ!国外に我が国の憲法は当てはまらない。よって軍は出動できない!」

当たり前だ。前の世界で例えると、日本は死刑制度を行っている。それを他の国が無理やり“死刑制度をやめろ!”と主張して、日本がそれを飲む必要性はない。

もしもこれが国連など、国より上位組織で採択されたのであれば話は別だが。


とにかく、憲法も法律も、国境を越えないのが基本だ。


「これはすでに決まったことです。」

リュディガーさんは役人っぽく言い放った。あ、役人か。

「あんたなぁ、今自分がやろうとしていることが分かっているのか?勝手に人んちに上がり込んで怒らないやつがどこにいる?もしかしたらエルフ族は救援を求めていないかもしれない。さらに言えば排他的なんだろ?俺らを敵とみなして攻撃してきたらどうする?

殲滅するか?そりゃあ結構。やってもいいさ。

だがエルフ族を神とあがめる奴らは納得しないだろうな。俺らは悪魔の軍となる。

それに戦闘を行うことがどういうことが分かっているのか?兵士の命を危険にさらすんだぞ!?そんな不確定要素たっぷりなことに“すでに決まったこと”で俺は兵に命をかけろとは言えない!


そんぐらいなら今すぐ陸戦隊だけでも引っ張って帰るぞ!」

「それは命令違反ですよ!」

「違反結構!俺は犯罪者になっても自分の兵に無駄死にだけはさせたくないんでな!失礼!」

それだけ言い放つと俺は会議テントを出た。


まさかお役所があそこまでバカだったとは・・・。とあきれると同時に少し後悔もした。


さすがに、やりすぎたかな・・・。

後ろからエルネスト大尉が走ってきた。

「中将!思いっきりやりましたね。」

「聞いてたのか?」

「テントからすべて筒抜けでしたよ。」

そりゃそうか。建物じゃないもん。テントだもん。

「陸戦隊全員があれを聞いて喜んでますよ。中には一生中将について行く、何て言っている兵もいます。」

エルネスト大尉が苦笑しながら言った。

「マジかよ。だがありがたいね。もうちょっとしたら俺反逆者になるかもだし。」

「その時は我々も“反乱部隊”でしょうねぇ・・・」

「だな。とにかく無線を使わせてくれ。斎間大将に報告だ。」


その時だった。

「手をあげろ!」

俺たちに言われた言葉じゃない。

少し先にいた無線通信車(大型無線を積んだ遠距離通信可能な車両。佐藤の自信作)に居た陸戦隊兵に言われた言葉だ。

陸戦隊兵は面食らっている。

「いったい何なんだ!?同じ国防軍じゃないか!」

陸戦隊兵が言い返す。

「うるさい!先ほどをもって海軍陸戦隊は反乱部隊に認定された!大人しくしろ!」

それを着た瞬間、俺たち二人はすぐ近くの草むらに見を隠した。


「おかしくないですか?」

エルネスト大尉が言った。

「確かに。わが軍には“反乱部隊”の規定がない。つまり、こんなに早く反乱部隊に認定されるわけないんだ。」

「それは同感です。となるとあのリュディガーとかいう役人、怪しくないですか?」

「だな。」

「それで、どうします?」

「陸戦隊兵はどこだ?」

「東側の川の警戒に1個小隊と戦車3両。2個小隊はこの平地を囲むように配置されてます。残り2個中隊はおそらくテントの中かと。」

「本国に伝令を出せ。そしてまだ捕まっていない陸戦隊兵をかき集めろ!場所は東側の川の戦車だ!俺はそっちへ行って応戦体制を取らせる!」

「了解!」


我が海軍初めての戦闘は、自分たちが反乱軍扱いと言う最悪な形で始まろうとしていた。






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