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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
2つ 編
130/174

2つ 編-5

そこには、テレビ局をはじめとするマスコミ、および海上保安庁、海上自衛隊、そして野次馬が大集合していた。

“昨日より続いております、瀬戸大橋の謎の発光現象、現在政府は対応に追われておりますが、今のところ現場に動きはありません!”

「はい、桃太郎放送の河内さん、ありがとうございました。」

東京のスタジオにいる徳井アナウンサーは中継を切った。


「えー、昨夜から続いております、瀬戸大橋発光現象。一旦整理したいと思います。

まず、昨日午後、突如瀬戸大橋のこの船が通る部分、つまり海面から橋の下側、までが突如光り始め、海上保安庁が海上封鎖しました。

その後、政府は瀬戸大橋の封鎖を指示、岡山県警と香川県警が瀬戸大橋を封鎖しました。現在、これによる交通への影響が出ています。


JRの瀬戸大橋線は、児島~坂出・宇多津間で運転を見合わせています。高速バスは、瀬戸大橋を経由するバスは鳴門大橋、またはしまなみ海道へ迂回しています。


あ、速報です!たった今政府は避難準備命令を出しました!瀬戸大橋周辺にある島島の住人を、一時本州か四国へ避難させるとのことです!

以下の地域の皆さんは、落ち着いて避難の準備をしてください!

香川県・与島全域、櫃石島全域・・・」


避難準備区域の場所を読み上げ終わったとき、画面は突如中継に切り替わった。

再び瀬戸大橋上空のヘリコプターにいる河内リポーターが話す。

「光が強くなりました!瀬戸大橋の光が突如強くなり・・・

えっ・・・」

河内リポーターは思わず息をのんだ。

「どうしました?河内リポーター?」

徳井アナウンサーがあわてて呼びかけるが、次の瞬間にカメラに映ったものを見て徳井アナウンサーも黙ってしまった。



日本国時間

2021年5月11日の13時15分。

お昼のお茶の間に、過去の遺物となっていた巨大戦艦が映し出された。



---------------

「お、ワンセグが復活したぜ!」

そういって若い海兵がスマホを取り出した。

“大変です!瀬戸大橋の下から巨大戦艦が出てきました!”

もちろんのこと、マスコミを含め大パニックである。


“門”を通過してすぐに展開した見張り員が叫んだ。

「前方の大型護衛艦より信号旗!および手旗信号!“即時停船せよ!”」

「機関停止!R旗を掲げろ!取り舵いっぱい!なるべく“門”の前を空けて後続の“桜丸”のスペースを空けろ!」

斎間大将が即座に指示を出す。

「信号兵、こちらの周波数を伝えろ。艦隊内通信で受信できるはずだ。海上自衛隊ならそのくらい簡単だろう。」

「ハッ!」

信号兵はいそいで手旗信号をしに行った。


“桜丸”も“門”から出て来て2時間後、通信が入った。

“こちらは、日本国海上自衛隊である。貴艦の所属と艦名を問う。”


「誰が応答するかね?」

斎間大将が言った。

「いや、斎間大将でしょう。艦隊司令なんだし。」

「それもそうか。」

そういうと斎間大将は、受話器を取った。


「こちらは、日本民主主義国国防海軍、“門越艦隊”である。突如、貴国の領海内に出たことをまずは謝罪する。」

“私は、海上自衛隊第4護衛隊群司令の渡辺海将補だ。日本語が通じるとは驚いた。”

「渡辺か。出世したな。」

“はい?”

「ひどいな。忘れたのか?海上自衛隊で一緒だったろう?

飲み屋で飲んだくれて、最終の内火艇ランチに乗り遅れて沖合停泊中の護衛艦まで一緒に泳いだのは?誰だった?」

“まさか・・・”

「そうだ。俺だ。斎間渡だ。

ここにいるのは異世界で生き延びた日本人およそ3700名。すぐに日本政府に伝えてくれ。」


それから3日待たされた。

当たり前だ。日本政府としても前代未聞のことで、どう対応するか迷ったのであろう。


2021年5月14日

とりあえず入港許可が出た。斎間大将と越智さんが交渉を頑張った結果だ。


護衛艦2隻に護衛され、戦艦“音戸”はゆっくりと機関を始動した。



「あれは護衛じゃないな。」

露天艦橋でぼんやりしていた俺に、斎間大将が声をかけた。

「ええ、いざとなったらミサイルで沈める気でしょうね。この戦艦が、ミサイルで轟沈するとは思えませんが。」

「わからんよ。それに、1発で足らなければ10発撃ちこめばいい。この数の護衛艦ならそれが可能だ。」

斎間大将は第4護衛隊群を見ながら言った。


「それで、お前はどうするんだ?谷岡君。」

「一旦帰りますよ。実家は広島にあるはずですし。」

「そうか。

それでな、谷岡君。


君は、もうあの世界に帰る気はないのか?」


それを聞いた時、俺は頭を殴られたような気分になった。

聞いた時には用意が周到にしてあり、“帰れる”うれしさで興奮していたためそんなことは一切考えていなかったのだ。


「谷岡君。


どうなんだ?」


斎間大将は俺に詰め寄った。





ついに、日本国です

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