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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
第3艦隊編
123/174

第3艦隊編-17

今度は短めです。

なので、連続投稿です。

重巡の射程内に入ったが、重巡“仙崎”は射撃不可、重巡“下関”はなぜか砲撃せず。

駆逐艦の射程内まではまだ数分。


そして、再び火の龍が敵艦の甲板から出てこようとしていた。



その時だった。

「敵艦轟沈!」

見張り員の報告に、艦橋全員が驚いた。

それに続く報告が入る。

「第5水雷戦隊です!」

俺は驚いた。

「第5水雷戦隊!?空母艦隊の護衛につけたはずだろ!?」

「ですが、軽巡“相原”を先頭にしています!」

確かに、軽巡“相原”は第5水雷戦隊の旗艦だ。

そう驚いている間にも、敵艦隊は数を減らしていった。


そして、最後の1隻は空母の航空隊50機の空襲に見舞われ、海の底へ向かって行った。




とても長く感じた戦闘だったが、いざ腕時計を見てみるとなんとわずか4時間の出来事であった。

戦闘が終わって20分もしないうちに、空母“立山”と“高山”が駆逐艦を2隻だけ連れてやってきた。ミーサ大佐は空母の護衛を駆逐艦2隻残して、他をすべて輸送船団の護衛の増援に充てたらしい。



俺は旗艦を大型艦で一番無事な空母“立山”にすることにした。


内火艇で空母“立山”に乗り込み、艦橋目指して階段を上がっている時だった。

「うぉっと!」

俺は足元がふらつき、階段から落ちた。幸いまだ2段目だったため、少々痛い尻餅をつきだけで済んだ。

「まずいな。俺も疲れたのかな・・・」

この時俺は、空母“立山”ほど大きな軍艦がそこまで揺れるわけはない、と思っていたのである。

だが、実際は違った。

空母“立山”、いや、海ごと揺れていたのだ。


ミーサ大佐は艦橋に上がってきた俺を見るなり、あわてて報告した。

「司令!先ほどのはどう対応します!?」

「は?何が?」

「ですから!津波です!」

どうやら先ほど階段から落ちたのは、津波のせいだったようだ。


俺が何か言おうとした時、それを遮るように俺の押しのける者がいた。

「津波への対応って、何がだ?戦艦“音戸”に連絡するくらいだろ?」

飛行服のままの姫城大佐が言った。

「このままだとセンヌが!グリースト帝国が!」

ミーサ大佐は完全に慌てていた。


そんなミーサ大佐に真面目モードになった姫城大佐が冷たく言った。



「それで?」



ミーサ大佐は真面目モードの姫城大佐を見たことが無かったのか、思わず「へっ?」と言っただけだった。

「現在、グリースト帝国は敵国だ。敵国に情けはいらない。

“敵に情けをかけるな。”

谷岡中将、海軍はそんなことも教えてないのか?」

「いや、教えている。」

昔、ヒネク少将からどんな授業をしているか聞いたこともあるし、海軍兵学校は実際に見てきた。


日本民主主義国国防軍では敵にかける情けは“捕虜にする”くらいだ。それ以外は“敵”に対しては容赦するな、気を抜けば死ぬのは自分。となっている。

これは、陸海空軍共通だ。


「司令だって!あそこには送り届けた貴族のご令嬢がいるんじゃないのですか!」

俺はたじろいだ。


アンヌ・グリモー・ブライシュレット。オードリアン事件の被害者の一人で、俺が菊崎市警からの依頼で送り届けた少女だ。

確かに、短い付き合いではあった。

だが、現在は敵国の貴族だ。


正直、どうにかしてやりたい。

だが・・・。


「姫城大佐、敵に情けをかけるな、だったな。」

「ああ。」

俺は通信士に戦艦“音戸”へつなぐように言った。

「艦隊司令、谷岡だ。戦艦“音戸”に、対地砲撃命令を出す。




目標、センヌ。」



艦橋にいた全員が俺を見た。




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