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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
第3艦隊編
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第3艦隊編-11

どもです。定期試験寸前の作者です。

というわけで更新はしばらくないと思います。気分屋ですので書く気にならなければ続きかけませんし・・・。

定期試験終わって・・・。次の投稿は2月中にできたらいいな~と思います。

14年5月29日


戦艦“瀬戸”

「海軍総司令部より入電です。」

いつも走ってくる通信兵が、珍しく歩いてきた。

「ん、ごくろう。」

通信兵が持って来た紙を見る。


「なんの電文ですか?本土からとは。」

ヘルマー大佐が俺に訊ねる。

「何のことは無い。菊崎市警本部長様から感謝の電文だ。アンヌを無事送り届けたことのな。」

「あ、なるほど。」

現在、第3艦隊は実にヒマである。乗組員たちの上陸も一通り終わり、乗組員たちも陸に興味を失った。まぁ、少数はまた上陸したいと申請を出しているが、そこは必要物資の買い出しにかこつけて上陸しているようだ。何人かがそれをやって酒場に出入りしているのを海軍憲兵隊や上官に見つかり、しょっ引かれている。


とにかく、第3艦隊は現在、外交団の話し合いが終わるまでのんびり待機しているほかないのだ。

「空母“立山”より入電。航空隊の訓練をさせろとのことです。」

今度は通信兵が走ってきた。

「またか・・・」

逆にあまりにもヒマすぎて、“働き病”の我が海兵たちは、訓練させろとうるさい。どれだけ働き者なんだよ・・・。

「我が方の手を見せたくないから訓練は固く禁止すると幹部会議言ったんだがな・・・。」

「発信者は、姫城大佐の名前になってます。」

「あの人も会議に出てたろ・・・」

あ~、頭痛が・・・。



「司令!大変です!」

見張り員が叫んだ。それに続いて通信兵が艦橋に駆け込む。

「至急電!駆逐艦“潮風”が襲撃を受けています!」

一瞬、何のことかわからず思考が止まりかけた。だが、こういうことになれたのかすぐに思考が復活する。

「重巡“仙崎”に陸戦隊を編成させて増援に向かわせろ!すぐに第2海軍陸戦師団からも兵を出せ!」

「了解!」

「続いて重巡“仙崎”より入電!駆逐艦“潮風”の襲撃を伝えるとともにすでに陸戦隊を出したそうです!」

「わかった。重巡“下関”へ連絡しろ。“下関”からも増援を出せ!

外交団は緊急に連れ戻せ!無線で護衛に連絡!第3艦隊、全艦、緊急出港用意!」

第3艦隊は一気に忙しくなった。


「ヘルマー大佐、砲撃用意だ。」

「はっ!?」

「砲撃用意。目標、センヌ高級住宅街!空母“立山”“高山”へ連絡。第5水雷戦隊を連れて沖合に出ろ。いつでも艦載機を出せるようにしておいてくれ。しばらくその空母艦隊は空母“立山”艦長のミーサ大佐に任せる。」

通信兵が敬礼して走って行った。

「谷岡中将!センヌを砲撃するのですか!?」

「威嚇だ。だが、場合によっては砲撃する。榴弾装填。信管を抜いたりするな。」

「了解です。」


「内火艇用意!重巡“仙崎”に行く!」

「ハッ!」

「谷岡中将!こういう時、指揮官は後方から指揮するものでは?」

ヘルマー大佐がにやけて言う。

「俺がそうしないのは知っているだろう?」

「知ってます。」

ヘルマー大佐はやれやれ、といった表情になった。


埠頭には、重巡“仙崎”“下関”と駆逐艦4隻が停泊している。

駆逐艦“潮風”の甲板は赤い血で染まっていた。

「うわ~・・・。」

まず甲板に転がっていたのは、黒いローブをかぶった襲撃者と思しき死体だった。だが、25mm対空機関銃で銃撃されたようだ。ハチの巣を通り越して、肉塊になっている。

「第2海軍陸戦師団のウィンストン大尉です。艦内の奪還は完了しましたが、艦長以下乗組員の大半が戦死しています。」

まったく・・・軍艦を襲撃するのはこの世界の常套手段なのか?アドリミアの時もやられたぞ。

「それにしてもひどい被害だな。また相手は魔法使いか?」

「いえ、奇妙な体術を使うものでした。」

「体術?」

「ええ、敵が殴っただけで兵が3名吹っ飛んだのを見ました。もしかしたら魔法なのかもしれませんが・・・。」

「わかった。報告書にしっかり書いておいてくれ。」

こりゃあ、海軍兵にもっと陸戦の訓練をさせたほうがいいのかもしれんな・・・。

「この艦の最先任(一番階級が上の者)は誰だ?」

「水雷長の大尉が生きていますが・・・。重傷です。」

「では、動けるものでは?」

「機関科の2等兵曹です。」

「そりゃあ、艦の指揮は無理だな・・・。誰か代わりの艦長と、他の艦から応援を出さないとな・・・。」

そこへ、外交団が戻ってきた。


「谷岡中将、あなたといると毎度のように問題が起きて胃に穴が開きそうです!」

越智さんが怒りをあらわにしてやってきた。

「俺に言わないでくださいよ・・・」

「じゃあ誰に言えばいい?」

「これを派遣したところに言ってくださいよ。」

俺はそう言って死体の身に着けていたものからグリースト帝国のマークが入ったナイフを取り出した。



14年5月30日

越智さん以下外交団は、証拠物件を持って港近くにある会談場所に向かった。

「さて、どう出るか・・・」

重巡“仙崎”の露天艦橋からそう思いつつ陸を眺めていると、ゴゴゴゴゴ・・・という変な音が聞こえた。

「何だ?」

とたんに艦の揺れが激しくなる。

「地震です!」

重巡“仙崎”艦長のハンナ・フェルデ中佐が叫ぶ。女性の人獣種の艦長だ。

「この世界で地震なんて初めてだぞ!」

陸地でも人々がパニックになっている。

「そこへ、通信兵が走ってきた。」

「外交団護衛より連絡!“脱兎”!」

暗号だ。外交団が緊急脱出する必要がある場合にそう無線で連絡するよう決めていた。

「よし、外交団が到着し次第出港する!津波が来る恐れもあるから気を付けろ!」

そう指示を出してから3分もしないうちに外交団は戻ってきた。


「撃て!」

技術を盗まれないように外交団と護衛が乗ってきた車は重巡“仙崎”の機銃で鉄くずにしておく。

「緊急出港!」

ハンナ中佐が叫ぶと同時に重巡“仙崎”は動き出した。


そこへ、転がり込むように越智さんがやってきた。

「越智さん!?どうしたんですか?」

越智さんは息切れしながら言った。

「う、裏切りやがった!」

「はっ?」

「リューシュ外交官だ!我が国の情報を流していた!」

「マジかよ・・・。じゃあ駆逐艦に襲撃があったのも・・・」

「恐らく、外務省の記録で見たんだろう。軍艦に襲撃があってもう少しで乗っ取られそうになったのを・・・」

あの時は兵員輸送艦だった。つまり、海軍でも一番陸戦になれた者たちが乗っている船である。ある意味相手が悪い。

だが、今回はそれよりもはるかに小型で人数が少なく、陸戦になれている乗組員が少ない駆逐艦だ。基礎的な技術を盗むのには駆逐艦でも充分だろう。


「すぐに逃げろ!」

越智さんが叫んだ。

「へっ?」

「奴らはこの艦隊がそもそもここへたどり着かなかったことにする気だ!」

「それはどういう・・・」

「皆殺しにして、軍艦を奪う気だ!」

その時、見入り員が飛び込んできた。


「軍艦と思しき船が接近中!」

「何!?」


見てみると、ミッシャー号と少し似ている船が近づいてきていた。


外輪船パドルシップ!?」





PS もう一つの執筆作品、どうしよう・・・。

しばらく続きが思いつきそうにない。

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