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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
第3艦隊編
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第3艦隊編-9

いつも小説を書いている時youtub〇を見ているのですが、時々バグるんですよ。ワードから画面をyoutub〇に戻したら画面が黒一色とか、画面全体が点滅するとか・・・。

誰か対処方法知っていたら教えてください。

グリースト帝国の首都、オーフェンは内陸にある。だが、グリースト帝国では首都であるオーフェンよりも第2の都市センヌのほうが栄えているという少し変わった国である。ちょうど、センヌは港町でグリースト帝国にとっては“外交の町”とされているのでそこで会談することになっていた。


気分の悪いアルドで地図をもらい、アルドを出て3日、ようやくそのセンヌへたどり着いたのであった。


港町センヌはアルドとは違い、とてもきれいな街並みだった。やはり、白壁で欧州風な家が並んでいる。まだ海からしか見てないけど・・・。


さて、ここで困ったのが上陸である。第2海軍陸戦師団は外交団の護衛もあるからあとで考えるとして、問題は艦艇に乗っている乗組員たち。

普通は長距離航海で帰港した場合、交代制で乗組員たちは上陸して羽を伸ばす。買い物をしたり、酒場へ繰り出したりは様々だが、今回はできればそれを避けたい。


理由は、越智さんから聞いた“グリースト帝国の成り立ち”である。

間違いなく日本民主主義国を裏切るように説得してくるだろう。もちろん、我が日本民主主義国国防海軍の兵がそれに乗るわけがない!とは思っているが・・・。

俺も駆逐艦や輸送艦の下っ端海兵まで知っているわけではない。正直、不安である。

とはいえ上陸させないというのも鬼である。ここまで3週間以上、彼らは土を踏んでいないのだ。それに、ストレスのたまる長距離航海での最大の楽しみでもある。


とりあえず初日は外交団と護衛だけの上陸にして、俺は露天艦橋で考えていた。

「あれれ~?艦隊司令さんがこんなところでなにしているのかな~?」

子供っぽいしゃべり方で話しかけて着た人物。すでに顔を見なくともわかる。

空母“立山”の飛行隊隊長、姫城大佐だ。

相変わらず“見た目は子供、頭脳は大人”な人なのだが、煙草をくわえているため見た目が犯罪っぽく見える。

「何しているって・・・。ここは俺の定位置ですから。」

「へぇ~、ここが~?」

煙草の煙をフーっと吹き出す姫城大佐。

「ここは禁煙ですよ。吸うなら艦内の喫煙所か甲板で吸ってください。」

姫城大佐はそれを思いっきり無視して言った。

「それで?何を悩んでいるんだ?」

「いきなり口調変わりましたね・・・」

「時と場合を考えているのさ。それで?」

「いえ、これは艦隊司令の仕事ですので・・・。」

「人生の先輩として相談に乗る。同じ軍人なのだから軍機も問題あるまい?」

いや、あなた正確には“空軍から海軍へ出向”だから本籍空軍でしょ?海軍の軍機話したら少しやばいんですが・・・。とか思ったがこの意見は露天艦橋から投げ捨てておく。

「まぁ、でしたら・・・」


思い切って相談してみた。

「ああ・・・。全海兵に通達のあった“誘惑”の件か。問題ないんじゃないか?」

「そうですかね?」

「もう少し部下を信じろよ艦隊司令!」

「はぁ・・・。すいません。」

一度、本気で佐官か尉官くらいまで階級下げて下っ端海兵がどんな感じか見てみようかと本気で考えた瞬間だった。

「それじゃあ私は“立山”に帰るね~!バイバイ!」

最後には子供らしい口調で姫城大佐は帰って行った。


心の中で感謝するとともに、せめて敬礼しろよ、若くても上官だぞ?と思う俺であった。



結局、越智さんからは何か対策をするように言われた乗組員の上陸であったが、3交代制で上陸させることに決めた。越智さんはずいぶんと不満そうにしていたが、そこは艦隊司令の権限で押し切った。



14年5月28日

俺も上陸する海兵たちに混ざって上陸した。艦隊の1/3の乗組員が上陸するとだけあってとても内火艇だけでは人員輸送が追い付かず、ついに駆逐艦で上陸することになった。

港はいままで見てきた外国の港の中では最大級に大きい。だが、さすがに第3艦隊全艦を収容する能力は無く、いつも通り第3艦隊は沖合停泊だ。だが、重巡“仙崎”“下関”と駆逐艦4隻は港の岸壁に着岸していた。いざと言うときの外交団脱出用だ。


俺が上陸した時にはすでに上陸第1陣は町に散っており、町中で日本民主主義国国防海軍の軍服を着た人が見られた。


「それじゃあ行こうか。アンヌさん。」

「はい。」

俺は“オードリアン事件”の被害者の一人、アンヌ・グリモーさんを届けるため12式小型トラックに乗り込んだ。なんでも家はセンヌ郊外にあるらしい。

人ごみを低速でかき分け、12式小型トラックは町の中心部へ進んで行った。

「アンヌさん、ここらへん来たことあるの?」

「アンヌでいいですよ中将閣下。」

「なら中将閣下は勘弁してくれ。谷岡でいいよ。」

「う~ん・・・年上の方に対して呼び捨てはどうかと思うので、谷岡さん、で。

それとここら辺は、小さいころに何度か来たことがあります。所々変わったところはありますが、道に迷うほどではないです。」

「そうか。それで?道はこっちでいいのか?」

「はい、この道をずーっとまっすぐです!」


道は広いが人が多い。その中を馬車がゆっくりと人の流れに合わせて進んでいく。12式小型トラックも同じように人の歩く速度で走っていくが、周りからは注目の的だ。


しばらくすると人通りは減ったものの道は広いままになり、衛兵のいる門へたどり着いた。門の横はずっと白壁が続いているようだ。

「ありゃ、どうする?アンヌ。」

俺が12式小型トラックを止めて訊ねると、アンヌは12式小型トラックを降りて行った。


「誰だ!この先は許可の無いものは立ち入りを禁じられている!」

「用がないのならすぐに去れ!」

槍を持った門番らしき二人の男がこちらへ向かって叫ぶ。

その二人の前に、アンヌが立った。


「アンヌ・グリモー・ブライシュレットです!すぐに父上に取り次ぎなさい!」

あ?

「ブライシュレットって・・・あの・・・」

「ブライシュレット家のアンヌ・・・確か何年か前に誘拐された・・・」

門番二人が顔を見合わせる。

「早く取り次ぎなさい!」

「「はい!」」

銀髪を振りかざして強く言ったアンヌに門番二人は気を付けをして飛ぶように走って行った。

ポカンとする俺にアンヌが言った。

「黙っていてごめんなさい。だいたいわかったかと思いますが・・・。

改めまして、グリースト帝国宰相バレル・グリモー・ブライシュレットの娘、アンヌ・グリモー・ブライシュレットです。」


俺の頭がフリーズ寸前のパソコンのごとく、様々な情報を同時並行に処理しようとして機能不全を起こす。


「へ?」

首をかしげつつアホみたいな声が出た後、頭の中で結論が出た。





越智さぁああああん!!!こっちきてぇええええ!!!





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