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異世界で開拓を  作者: 急行 千鳥
第3艦隊編
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第3艦隊編-6

どうも遅くなりすいません。

作者、いろいろと忙しくて・・・


おそらくこれが今年最後の投稿なるでしょう。


では、みなさんよいお年を!


※今回のお話はたこ焼きを含みます。たこ焼きが死ぬほど嫌いな方はご注意ください(笑)

日本民主主義国から見てグリースト帝国は東の方角にある。所要時間は片道およそ3週間か。よって第3艦隊は麾下に大量の輸送船とその護衛のために駆逐艦隊を複数追加され、大艦隊となった。さらに前述のとおり、第2海軍陸戦師団も兵員輸送船ごと追加されている。


「おお・・・」

「すげえ・・・」

「こんなに魔動船が・・・」

「誰だよ。しょうもない国とか言っていたのは・・・」

一時的に海軍総司令部で軟禁されていたミッシャー号の乗組員たちは岸壁から第3艦隊を眺めて口々に言った。彼らには第2海軍陸戦師団の兵員輸送船に第2海軍陸戦師団と一緒に乗ってもらう。兵員輸送船は“兵1個大隊(=500~600名)とその装備を輸送できる構造とする”となっているが、実際はこれ以上のものが余裕で乗せられる設計になっている。と、いうのも使ってみて追加で装備を追加したいときに“余裕がないため無理”となるのを避けるためだ。


兵員輸送船にミッシャー号の乗組員たちが全員乗り込んだのを確認して、俺は戦艦“瀬戸”へ向かった。


14年5月1日

正午

「第3艦隊はこれよりグリースト帝国へ向けて出港する!」

俺が艦隊内通信でそういうと、

「出港―!」

「取り舵10。所定の位置につけ!」

「機関始動!取り舵10!」

戦艦“瀬戸”の艦橋は一気ににぎやかになった。


日本民主主義国国防海軍はアドリミア王国との往復などで、長距離航海にはすでに慣れていた。艦隊設計も長距離航海に適したものへ変わってきているという。



14年5月10日

「司令、第2海軍陸戦師団の師団長から艦隊内通信が入ってます。」

「ん?」

何度目かの洋上補給中、露天艦橋でボーっとしていた俺に通信兵が声をかけた。

はて、陸地も遠いのに陸戦師団が何の用だろう?急病人でも出たかな?いや、でもそれなら軍医は兵員輸送船にいるし、医療設備も戦艦並の物が兵員輸送船に備わっているし・・・


俺は首をかしげつつ、艦橋で受話器を取った。

“谷岡中将、お久しぶりですね。”

それは、ずいぶん前に聞き慣れた声だった。



「エルネスト少佐か!?」

“大佐です!!”

「あ、すまんすまん・・・。在アドリミア大使館付武官はどうした?」

“やっとその任が終わって本土へ戻ってきたんですよ!その途端これですけどね・・・”

「運がないなぁ~」

“余計なお世話です!

それで本題なんですが・・・”

「どうした?」

“いえ・・・。

ミッシャー号の乗組員たちがですね、このまままっすぐ行くと大変なことになるって口をそろえて言うのです。”

「はぁ?」

“その・・・「魔の海域」とか言ってまして・・・”

「“魔の海域”?」


前の世界でも“魔の海域”と呼ばれる場所はあった。

バミューダトライアングルなどが有名だが、実はバミューダトライアングルにおける遭難事案はほとんどが、誤報、作り話であり、実は他の海域と比べて特別遭難船が多い、というわけでもないらしい。


「それで?魔の海域では具体的にどうなるんだ?」

“まず、魔動船の魔動力がすべて吸い取られることがあるとか・・・”

「それはどうでもいい。日本民主主義国国防海軍うちは魔法とは無縁だ。」

“あとは、巨大な海獣がでるとか・・・”


ちょうどその時、タイミングを見計らったかのように、海面が盛り上がった。



「おわわわわ!」

「総員耐ショック姿勢!」

「何かにつかまれーーー!!!」

大波とともに戦艦“瀬戸”は大きく揺れ、艦内は軽くパニックになった。だが、このくらいで大いに取り乱す国防海軍われわれではない。


そして、盛り上がった海から出てきたのが・・・




「・・・タコ?」

巨大なタコであった。

だが、少し残念なことに・・・


このタコ、せいぜい全長50m無い。いや、タコとしては世界最大級なんだろうが・・・

・・・こちら、戦艦に乗っているので戦艦と比べると・・・

「もうちょっと迫力欲しかったなぁ・・・」

受話器の向こうでエルネスト大佐が叫ぶ。

“ミッシャー号はあのタコに攻撃を受けて重大な損傷を負ったそうです!乗組員たちが・・・少し黙ってろ!うるさいんだよ!電話中だよ!”ガ、ガン、ガチャン!


エルネスト大佐は誰かに「うるさい」と苦情を言った後電話が切れた。

コノヤロー、とか思いつつも操作盤で持ったままの受話器を艦隊内通信、第3艦隊麾下の全艦に繋ぐ。

「第3艦隊、今夜はたこ焼きを食べるぞ!」



それからは面白いくらい早かった。

空母“立山”“高山”から艦上爆撃機が飛び立った。これで爆撃をすると同時に洋上補給の警備の任務に就いていた軽巡1駆逐6による水雷戦隊が魚雷を発射。

もともとタコなので、獲物に足を巻き付ける習性があったらしい。だが、魚雷でそれをやったら・・・

案の定、爆発音とともに足は胴体から泣き別れした。まぁ、足だけで暴れているけど。

そして、戦艦“瀬戸”“音戸”による砲撃。タコの胴体は穴だらけになり・・・


海へ沈んでいった。



「タコ焼きが・・・」



後に残ったのはバカスカ撃ちまくってすっきりした海兵と、たこ焼きを喰い損ねて本気で落ち込んでいる海兵、この2種類だった。




ちなみに俺は・・・後者かな。






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