人を助けるのは難しい(かなり重めの話)
私は自殺未遂経験者だ。そして、自殺を考えている人間を数人、精神的に支えてきた人間でもある。
自殺を考えている人間に、テンプレートのような「死んじゃだめだよ」「周りが悲しむよ」は届かない。
そもそも、本人も、死んじゃダメなのは分かってる。周りが虐めてくるのだから「悲しむよ」と言われても、まったくピンとこない。
自殺を考えている人間を助けるなら、自分も何かを捨てなければいけない。「助けたい」と願う熱量によっては、社会的立場や人間性すら捨てる候補に入る。
まぁ……たいていは、暑苦しいセリフやクサイセリフを恥ずかしげもなく言うための、「既存のプライドを捨てる」くらいで済むが。
◇
自分はどう感じていて、あなたをどうして助けたいのか。なんでそこまでして「私」なのか。
それに、真剣に答えるだけでいい。
嘘はダメだ。
本心で喋らなくちゃ、届かない。
自分で口にするのも痛い記憶。
恥ずかしくて触れたくない記憶。
そんなおぞましい記憶を並べて、初めて向き合える。
少なくとも、私はそうして上手く関われてた。
本当にいろんな人たちがいた。
支離滅裂な長文を送ってくるけど、自分が変な事に気づいていて、文章の節々から謝罪や申し訳無さが滲んでいる人。
満月が親の目に見えてずっと監視されてる気分で嫌だという人。
リストカットの変わりに、何度もつけ爪を剥がす人。
腕が百々目鬼のような人。
あのとき、みんな確かに生きていた。
テンプレートの会話は、社会を上手く回すための言葉群だ。社会からはみ出た人間に届かないのは、当たり前なのかもしれない。
リアルな言葉で話すのは難しい。
むき出しの自分だから、
自身が深く傷つく危険性が高まるしね。
でも、「社会側」にいながら、社会から転げ落ちた人に手を伸ばそうと試みるのは、立派なことだと思う。




