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迷宮偏愛者の探索者、ダンジョンマスターの作ったダンジョンが雑なので作り直す。  作者: 森田季節


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最終話 これからもダンジョン作ります!

 ダンジョン飲食店はずいぶんと話題になり、だんだんとメニューも増えていった。



 やがて、店の数も増えていって、店員さんの数も増えていった。

 途中から、カイハさんが店長として、店員さんに教えていくという形が定着した。



 さらにモンスターを出すと飲食の邪魔になるから、あまり出現させないという本末転倒なことにもなってきた。



「このままだと地下10階層まで全部飲食店というすごいダンジョンになりそうですね。そこまでやっていいのか、私にもわからないんですが……どうですか、アルテちゃん?」


「実はちょっと偉い人から注意はされたんだけど……」



 あっ、やっぱりダメなんだ。いくらなんでも悪ノリが過ぎたか……。

 まあ、店員さんたちは全員、十分な知識と教養があるので、十分に生活はできると思うけども、このまま野放図に営業していくわけにはいかないか。



「ただ、このダンジョンだけの実験なら別にいいって。すべてのダンジョンがこんなふうになっちゃうと、ダンジョンって何なんだってことになるけど、ここだけなら別に構わないってさ」


「あ~、よかった~。それと、偉い人の言うこともよくわかります。例外はあくまで例外だからいいわけですからね」



 例外が一般化してしまうと、システムが破綻してしまう。

 たとえば窃盗犯がいても店が存在できるのは窃盗犯の数が著しく少ないからだ。入店してきた人間がすべて窃盗犯だったら、どんな店も経営できない。



 ダンジョンって飲食店ってことでしょというほどになってしまうと、各所に迷惑がかかりすぎる。これはよくない。あまりにもよくない。



 でも、実験作として特定のダンジョンだけは変わったことをしていいというのもよくわかる。そうやって新しい試みをやっていける場所は必要だ。



「それとね、師匠、次のダンジョンの許可も出たんだけど、また手伝ってくれない?」


「望むところです! ですが……まずはアルテちゃんのほうでダンジョンを作ってみましょうね。そこで課題があったら、また手伝うということで」







 こうして、ダンジョンの師匠としてそれ以降も活動することになった。



 なお、アルテちゃんの2つ目のダンジョンはこれもオーソドックスすぎたせいか、探索者の入りがそこまでではなかった。

 立地条件が地方のさらに田舎で、王都から2時間かかる最初のダンジョン同様、あまりいい場所とは言えなかったというのもある。



「テコ入れが必要だよね……。師匠、今度はどうしよう……。どうせなら、もっといろんな探索者の人に来てほしいよ……」


「う~む……。単純に人口が少ないところにありますからね……」


「この土地では珍しいアイテムを置くぐらいはできるんだけどね。それだけじゃ来てくれないか~」



 あっ、そうか。

 アイテムを置けるなら、飲食店に近い発想でどうにかできるのではないか。



 つまり、飲食店以外の店を設置すればいいんだろ?



「アルテちゃん、また飛び道具のダンジョンにしましょう。最下層にこの土地だと珍しいアイテムを売ってる商店を用意します」


「しょ、商店……?」


「店員さんは用意できますよね。絶対強盗できないぐらい強い店員さんを置けば問題ありません」





 そのダンジョンはやがて「商店のダンジョン」と呼ばれることになった。

 その土地で買えない貴重なアイテムが努力して最下層まで行けば購入できるということで、その地方の探索者がけっこう集まってくるようになったのだ。











 現在、私はアルテちゃんの第三のダンジョン作成の協力をしている。巨大モニターが並んだ部屋で「内装」を決めている。



「床と壁ですが、もっと透明でぷにぷにしたスライム状のものないですか?」


「あるけど。それ、本来は罠用なんだよね。全面それにするの?」


「そうです。どこもかしこもぷにぷにしたダンジョンなんてところ、これまでどこにもなかったはずですから」



 氷の床ですべるステージのゲームとか日本時代にやったことがあるけど、それの延長線上だ。




 私たちはぷにぷにした床と壁のダンジョンの試作品に入ってみた。



「これは斬新すぎるね! ジャンプしたらものすごく弾むし!」


「いいじゃないですか! 100%話題になりますよ!」



 まっすぐ歩きづらいので壁にぶつかる。でも、その壁もぷにぷにしているから痛くない。



「ダンジョンってこんなに自由にできるんだね。師匠、おかげですっごく視界が広がった気がする!」


「いえいえ! 新しいダンジョンがたくさんできたら自分も本望です!」



 せっかくSランク探索者になったんだし、これからも新しくて変わったダンジョンをどんどん楽しみたい。それと、可能ならばほかの探索者に楽しんでもらいたくもある。



「アルテちゃん、また新しいダンジョンの許可が下りたら、提案させてください」


「うん、もちろん! お願いします、師匠!」



◆終わり◆

今回で完結です! これまでごらんいただき、ありがとうございました!

長編の連載はこれでなくなりますが、また新しい長編と、短編のアップを続けていければと思っております。これからもなにとぞよろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
恋愛至上主義でない物語を初めて読みました。 とても感激しています。
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