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【悲報】能力ゼロのチー牛ワイ氏、異世界でなぜか勇者扱いされたンゴwwww  作者: ミタラリアット
第二章「正義とはなにか」

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十六話「クマにも人権がある」


 「まあ座って座って」黒服の女は三人と一匹を座らせる。


 「は、はぃ…」なぜかお行儀よくなる三人と一匹。田中は(なんだなんだ…今度は何がはじまるんだ…)と混乱する。


 「よろしゅうございましたらお話いたしましょか。」と黒服の女は言う。


 「お、お話…?」田中は首を傾げた。


 「どうやらモンスターを連れてるみたいやけど、うちらは基本モンスターと手ぇ取り合うなんて反対派どす。今まで勇者はんに討たれ続けてはったモンスターさんらを国王さまは片っ端からお救いあそばせしてはりますの」


 黒服の女はお茶を飲みながら説明を続ける。


 「それに魔王様はちっとも悪いお方やあらしまへん。ただ、そう呼ばれてしもた、それだけのことどす」


 黒服の男のほうも、「茶を入れよう」と三人と一匹に気遣いをする。


 「あ、ありがとうございます…」田中はお茶をもらうと二人にも配る。


 「実のところ、モンスターさんをお入れしてしもたら、治安がちぃと悪なってしもた気ぃがしますの」黒服の女は深刻な表情を浮かべる。


 田中は、(これって…)と既視感を覚えた。


 「モンスター入れたぐらいで治安ガタオチとかエアプやろ!」スライムは飛び跳ねながら怒る。


 黒服は、「実際に困っているお方もいてはりますえ。」女の黒服はお茶を飲む。


 「あまり喋るな、消されるぞ」男の黒服が心配するが、


 「まあまあ、そんな物騒なお言葉やめとくれやす。おどかされてもうちの言うことは変わりまへんえ」と女の黒服は返す。


 「で、勇者はんらどないするん?」お茶を飲む三人。


 「それでも…魔王を倒すよ」ミカエルは覚悟を決めたような瞳で答えた。


 リリアも、「それがモンスターをいじめていい理由にはならないよ」とミカエルに同意する。


 田中は難しい表情を浮かべた。移民政策に反対していた田中には、いろいろと思うところがあるようだ。


 「これ…魔王の意見も聞くべきなんじゃない?」田中の発言に、リリアとミカエルは驚く。


 「正気⁉」


 急に態度が変わる二人にも怯まず、田中は「どちらか一方の意見だけ聞いて従事するって危険だと思うよ」と答える。


 リリア、ミカエルからすれば、田中が急に寝返ったような、そんな衝撃だ。


 「悪の大魔王の肩を持つっていうの…」リリアは田中を睨みつける。


 田中は「いや、そんな意図があるわけじゃなくて…」と戦慄するが、


 ミカエルが食い気味に「魔王がどんなことを今までしてきたか。田中は全部知ってるの?人と平和に共存してきたモンスターまで殺したんだよ!そのモンスターたちの気も知らないでよく言えるね」と田中に悪態をつく。


 田中は(やっちまった…)と反省するが、パーティーの絆にはヒビが入っていた。


 「それは仲間割れどすえ。今一度よぉ考えてどないするか決めはったほうがよろしおす」黒服の女は冷静に言うと、


 「ほないきましょか」と、黒服の男を連れてダンジョンの外に立ち去っていく。


 そして、ダンジョン3‐2への扉が開く。


 アイテムを拾う田中。ミカエルは田中に近づく。


 「ねえ。田中。僕たち仲間だよね?」笑顔で手を差し伸べ確かめてくるミカエル。


 リリアも、「前言撤回するならいまだよ」と強気な態度をみせる。


 「俺が言いたかったのは…ただ…王様を信用しきるのってどうなの…。そんなに信用できる人なのってことで…」焦る田中。


 まさか異世界に来てまで自分の口から出た言葉で人を不快にさせるとは思っていなかった。


 リリアは田中の胸ぐらを掴む。


 「王様はね!何も悪くないの!国民のことを毎回第一に考えて下さる立派なお人なの!信用?私たち国民は王様を否定することなんて1ミリたりともないわ!田中ももっと物事わかると思ってた…私…!」ヒステリックに泣き出すリリア。


 ミカエルも、「王様は今までも政治で功績を残している…。モンスターとの共生だってきっと国民の利益になるはずだよ」と少々上を見上げながら、王様に酔いしれているかのような表情を浮かべた。


  二人の反応に狂気を感じる田中。この異世界は、自分が思っている以上に、悲惨な状態にあるのかもしれない。


 3‐2のダンジョンステージにたどり着くと、クマの形をしたモンスターが、「グルルルルルルルルルル…」と装置を付けられながら呻き声を上げていた。


 「クマ⁉」驚く一同。


 大柄の黒服のおじさんは、「ひっひっひ…モンスターは暴れるんだぞ!お前ら本当にモンスターと共生する気か!」とバカにするように笑う。


 「やめて!クマが可哀想じゃない!クマにも人権はあるのよ!」と黒服のおじさんに訴えるリリア。


 黒服のおじさんは「クマに人権⁉笑わせてもらう!」と腹を抱えて爆笑する。


 (ごめん、リリア…俺もさすがにクマに人権は意味わかんねえわ…)と心の中で呟く田中。


 「さぁ!戦え!そして死ね!モンスターと共生なんて無理なんだよ!奴らはいつ襲ってくるかわからない!」


 黒服のおじさんの言葉が終わると同時に、クマがリリアのほうに向かって走ってくる。


 田中はリリアの背中を押し最前線に立たせる。


 「モンスターと共生できるなら戦ってみろ!クマにも人権があるというならお前がなんとかしろ!」


 最低な方向に舵を切る田中。


 迫ってくるクマにリリアは、「きゃああああああ!」と悲鳴を上げる。


 「いつもの魔法はどうした。いつものあの力はどうした!」リリアを問い詰める田中に、


 ミカエルは「辞めろ田中!仲間を盾にするつもり⁉」と田中の目を覚まそうと訴えてくる。


 リリアの腹を爪で引っ掻くクマ。リリアは大量の血を噴き出す。


 「リリアアアアア!」ミカエルはリリアの名前を叫ぶ。


 リリアは田中の腕を払うと、血を垂れ流したまま、


 「メガケーキフラッシュウォール!」とがなり声で叫び、大きなケーキの壁でクマのモンスターを潰した。


 「やったか!」リリアは微笑むが、ケーキの壁を打ち破りクマはまたこちら側へ侵攻する。


 「な⁉」目を見開くリリア。


 ミカエルは、「馬鹿な…!暴走するモンスターなんてもういないはず…!」と声を震わせる。


 「モンスターと人間の共存なんて夢のまた夢…!現実はいつ暴走しだすかわからないやつらなんだよ…!」と田中が言うと、


 ミカエルは「それじゃ田中…田中の言い分は魔王軍とまったく一緒になってしまう!黒服たちの思うつぼだよ!」と田中に反論した。


 暴走するモンスター。チームの一体感が無く、クマ一匹倒すことが出来ない。


 「お前ら内ゲバしてて草ァ!仲良し営業はどこいったんや!」飛び跳ねながら三人に怒るスライム。


 「RPGもどきは黙ってなさい!」リリアに暴言を浴びせられるスライム。


 スライムは「RPGもどき…」と落ち込む。


 「大して仲も良くないお前らじゃ倒せねえよ!」と笑い続ける黒服のおじさん。


 苦戦する一同。


 「今までなら…今までなら倒せたはず…」と真剣に思考を巡らせるミカエル。


 「たとえ思想が違っても、いまは三人で共闘したほうが自分たちのためだ」冷静になったミカエル。


 「誰が田中と共闘するもんですか」と言うことを聞かないリリア。


 ミカエルは「今度田中とベッドシーンやってあげるから」と提案するが、


 巻き込まれた田中は「待て待て待て勝手に決めるな!」と慌てる。


 「それって実技込み?」真剣な表情でミカエルに問うリリア。


 「当然」僕がド攻めです。と言わんばかりの表情を浮かべるミカエル。


 「じゃあいまだけ!」とリリアがミカエルと背中を合わせる。田中も剣を構えながら混じる。


 「田中、私を盾にしたこと、ミカエルと五回絶頂するまで許さないから!」謎の怒り方をするリリアに、


 当人の許可なく「おっけー!」と答えるミカエル。


 (やめてくれよ…)狂人二人に巻き込まれながらも、田中は戦闘に集中する。


 だが後ろから、爪で勢いよく腹を裂かれているリリアの、「はぁ、はぁ…」と苦しそうな息遣いが聞こえた。


 三人で背中を合わせていると、クマは地面の中からミカエルがいる方向へ飛び出す。


 「ミカエルうううううう!」スライムは叫ぶが、


 ミカエルは「ファイアー!」と手から炎の矢を出現させ、クマに向かって放つ。


 クマは「グルルルルルルルルル…」と呻き声を上げ、少しずつバランスを崩しながら田中のほうへやってくる。


 田中は「おらあああああああ!」と叫びながら剣を振りクマを切り刻む。


 クマはいまにも倒れそうになりながらリリアに近づく。


 「フライパーン!カモーン!」手から大きなフライパンを出現させクマを打撃するリリア。


 「ええでええで最高や!」三人の団結にRPGもどきは飛び跳ねる。


 クマは横に倒れた。


 黒服のおじさんが「くっ!」とわかりやすく悔しがる。そして黒服のおじさんはどこかへ去っていった。


 3‐3への扉が開く。


 「あれをみても田中は魔王軍の意見も聞くべきって思う?」リリアが田中に問いかける。


 田中は「俺の意思は変わらない、だって…」と言った。


 (移民政策をむやみに進めると、国家の存続自体が危うくなる。彼らは何を発端に暴走するかわからない…・)続きたかった言葉は閉ざされた。


 ミカエルは深刻な表情で「どうやら本物の魔王に会うまで…僕たちが和解するのは無理みたいだね」と呟いた。


 田中の先を行くリリアとミカエル。ミカエルは続ける。


 「それに、君だって王様の話を聞こうとしていないじゃないか。」


 田中は「…」と黙る。


 「正しさってなんなんだろう…」中学生の田中にはそんなことまったくわからなかった。


 リリアは二人の会話を聞きながらおにぎりを食べ、腹の傷を回復する。


 ダンジョン3‐3のステージにたどり着くと、太った黒服と細い黒服が待ち構えていた。


 「よぉ、俺たちエロティックブラザーズ!」


 「エロブラと呼んでくれ!」マイクを片手に挨拶をする二人。


 スライムが「こいつらあかん…あかんで…セクシー攻撃使ってくる奴らや!」と発光しながら震えた。


 「そろそろみなさんエロが欲しくなってきた頃でしょう?」太った黒服が笑う。


 あとに続くように細い黒服が「我々の能力はエロを操る能力!たぁ~んとお楽しみあれ!」と楽しげに説明した。


 「エロティックハーンド!」太った黒服と細い黒服はリリアの方へ手を伸ばす。


 するとリリアのスカートが風に捲れ、真っ白で純潔な下着がひらりと露わになる。


 「きゃああああ!」リリアはスカートを抑えるのに必死になるが、スカートは風に吹かれてどうしてもひらりと舞い上がる。

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