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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
NMS
89/91

NMS ― 抜け目


『おい本多、メールだぞ』



おっ、メールが返ってきたな。



というか、メールの着信音まで…。



いったいどうやって作ったんだよ。



…まぁあいつのことだから、これくらい簡単なんだろうけどさ。



んで、内容は…っと。



『りょうかい、だけどアンタがメールなんて珍しいじゃない?』



あれ…そういえば確かに本多がメールするなんて――いや、ケータイで連絡をよこすこと自体珍しいじゃねぇか!!



ちっ…少しミスったか?



いや、相手は所詮生徒会の"お荷物"ことユキだ。



ごまかし通せるだろ。



えーと…。



『仕方あるまい、協力せねば勝利はないのだから』



こんな感じでいいかな?



よし、送信。



さて、ユキを呼び出すのはいいが…どこに呼び出そうか?



他の誰か――特に本多――にバレたらアウトだから…誰もいなさそうなところといえば…。



いや、いまは逆に考えるべきか?



「見付からないようにする=普段誰もいないと思われるところに隠れる」


つまり、あえて見付かりそうな場所こそ誰もいないに違いない!!



となればあとは具体的な場所は…



『おい本多、メールだぞ』



お、返ってきたか。



『だったら電話でもいいじゃねぇかよ?

まぁべつに私はどっちでも構わんけどさ。

で、どこに行けばいいわけ?』



まぁ電話なら俺が本多だってバレちまうからな。



さて、じゃあ場所は…。



『第1談話室の扉の前。

T字通路を折れたところで待っていてくれ』



第1談話室は1番目立つ部屋。


それに隠れるようなスペースが無い。


つまり、誰も寄り付かないはずだ。


ちなみにその談話室の扉の前はすぐに突き当たり。

左にまっすぐな通路があり、右はすぐに曲がり角。

そして俺は右から近づく。

つまりユキの立つ位置からは右の通路は死角となる。


誰かが近づいてくることはわかっても、それが俺であるとはわからない。


しかしユキは近づいてくるのが本多だと思い込んでいる。



追う側である俺が有利なのは間違いない。



『おい本多、メールだぞ』



さて、舞台は整った。



あとは舞台にヒロインが登場するだけ。



『あぁ、その場所なら近いからすぐに行けるわ』



王子様なんて登場しないストーリーの、哀れなヒロインがね。



思わず笑みがこぼれる。



サディスティックな笑みが。




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