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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
NMS
79/91

NMS ― いいじゃないですか



ホテルに帰ってきたはいいが 何もやることが見当たらない



なぜなら――はしゃぎすぎて見事に疲れ果てた少女の寝息×3



なにせ夕方まで浜辺で遊んでいたのだから仕方ない



ちなみに昼食は なんとホテル側が持ってきてくれた



相変わらず凄いもてなされてるな…





「満ち潮とお転婆娘の畜生が…」



そしてこっちで拗ねているのは 奇妙にこんがり焼けた義手義足少年×1



やっぱり義手は焼けなかったため なんとも言い難い外見になっている



例えるなら――日サロで横を向いた状態で寝てしまって 気付いたら左右で見事に焼け具合が違う といったところか


…まぁ日サロなんて行ったことないからわからんが



ちなみに 拗ねてる理由は

砂浜に描いていた巨大なユキの絵を波にさらわれ あまつさえまひるに散々踏まれたためだ





うーん 青春だねぇ…(しみじみ





はっ いかんいかん


なんか俺だけオッサン化してしまった





まぁ 俺にまともな青春はしばらく必要ないかな…



毎日が賑やかで楽しくて…



こんな夢のような日々が続けばな…



「痛っ…またか?」



そんな具合に理想のいまを思い描いていると また鋭い頭痛が



やっぱり疲れてるのかな…?



今日一日だけでもずいぶん疲れたからな…



…主に少女×3のお世話にね





…しかしまぁ 寝顔はかわいいんだけどな



この満足しきったような寝顔を見てるとさ…まぁ色々な厄介事に巻き込まれてもいいかな?なんて思っちまうな…



…はっ いかんいかん


俺までもがマゾ化してどうするんだ!!



マゾは本多だけで十分だ



だいたい俺がマゾになったらどうするんだ?



サディスティックな少女に弄ばれるマゾ少年×2の学園ストーリーになっちまうだろうが!!



そ…そんなの嫌だ…!!



「いいじゃないですか…先輩…」



「良くねぇー!!」



「私と楽しいコトしましょーよ…むにゃむにゃ」



「って寝言かよ!!」



しかも夢の中ですら俺はまひるに迫られているのか…!!



…正夢になりませんように





…そういえば 最近夢を見てないような



1番最近の夢は…あぁ 確か彼女と別れた夜に見たあの夢か



…不思議な夢だったよな





ともかく あれ以来約1ヶ月経つわけだが――夢を見た記憶が無いな…



…まぁ夢って見ても覚えてないことってよくあるらしいし きっとそんなとこだろう



「ふぁ~…っ」



そんな安易な考えで納得すると 俺にも眠気が襲ってきた




俺も寝ようかな…



水平線に沈んでいく夕陽が窓から射すなか 俺は眠りについた




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