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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
NMS
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NMS ― 結局は俺たち



さて 案内役のボーイについて来たはいいが――硬直する若者×5



「な…なによこれ…」



ユキがかろうじて絞り出した言葉は 俺たち全員の心境を単純かつ明確に表していた



「ひ…広いです!!広すぎです!!というかあれはシャンデリアですか?シャンデリアですよね!?しかも馬鹿でかいですよね!?なんで天井に馬鹿でかいシャンデリアがどどーんってなってるんですか!?ここはいったい何なんですか!!

はっ…まさか…いまからここで私と先輩の結婚式が――」



「と…とりあえず落ち着けよ」



テンパって暴走を始めたまひるにとりあえずツッコミを入れた俺だが 口はぽかーんと開いたままだ



というかどさくさに紛れて結婚式とかいう単語が聞こえたような…



まぁいまは関係ないな



それ以上に驚くべき光景が目の前にあるのだから





そう 俺たちが驚いている理由は至極簡単



さっきまひるが言った通り 用意されている会場が俺たちに不釣り合いすぎるくらい盛大なのだ





「…何かお気に召されませんでしたか?」



入口で硬直する5人を不思議に思ったのか ボーイ(?)が尋ねる



「い…いや 十分過ぎます」


何と言うか…度肝を抜かれたというか…



この島に来たときから凄い凄いとは思っていたが…



恐るべし W2





「にしても…凄いね…」



部屋の中央に鎮座しているテーブルに近付く



そこには椅子が5つ



そしてシルバーが5セット



俺たちが近付くと ボーイが椅子を引いた



「あ…どうも」



慣れない待遇に戸惑う



この形式からするに…西洋系のフルコースとかか?



幼い頃に数回行ったっきりで マナーやら何やらは全然覚えてねぇぞ…?





「へぇ…なかなかいいアイテムじゃない」



そう言いながらナイフを懐に仕舞おうとするユキ



「…ってこら 何やっとんじゃ!!」



マナーもへったくれもねぇな…



「何って…ちょっとお持ち帰りに…」



「ナイフを持ち帰る奴がどこにいる!!

いったい何に使う気だよ!?

いや やっぱり言わなくていい!!

とりあえずおとなしくしてろよ!!」



なんでこんなとこにきてまで恥を晒さんといかんのだよ…



あぁ…俺たちしかいなくてよかった…





慣れない状況だけど ユキは良くも悪くもいつも通りか



本多も最初は驚いていたようだけど いまはいつも通り平然としてるな



…問題は残る2人



まひるは最初からきょろきょろしっぱなしだし サヨに至ってはずっとなんかぶつぶつと呟いてる



「…180752匹 羊が180753匹…」


…羊を数えてた!!



って 羊を数えるのは寝たいときだろ!!



しかも180753匹って…

どんだけいっぱいいるんだよ



飼い主大変だな…



過放牧は土地にかかる負担がデカイんだぞ?



…って ツッコミどころが違う気がする



はぁ…なにげに俺も緊張してるのかな…





…まぁ たまには緊張感を持ってもいいと思うよ







基本的に普段テキトーな感じの5人なだけに 最初は不安でいっぱいだった



だってさ 俺たちがこの旅行で奇行に走る=学園長の顔に泥を塗るようなものだろ?



まぁ学園長を崇拝してるわけではないが(一応尊敬はしているが)さすがに余分な迷惑をかけるつもりはない



…とはいえ他の4人(主にユキ)がわざわざそんなことを考えてるとは思えない



だから不安だったのだが…



どうやら大丈夫そうで安心したよ










…なんて思った俺が間違いだったのか?



メインを食べる頃には みんな普段通りの有様だった…





一心不乱に料理を食べるまひる



無言で丁寧に食べる本多



ドリンクをおかわりしまくるユキ



…相変わらず影が薄いサヨ





デザートを食べ終わる頃には テーブルの周りは戦場だった…



ユキの無茶苦茶な注文に右往左往するボーイ



シルバーを投げるユキ



それを止める俺とサヨ



その隙にこっそりサヨのデザートを盗み食いするまひる



…無言で食べ続ける本多





学園長…俺では力不足だったよ…





俺らが食べ終わった後にボーイが見せた営業スマイルを…俺は忘れない




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