NMS ― 生徒会の"攻守"の要…?
「どうかしたのか?」
慌ててまひるに尋ねる
「な なんか変な声が…」
さっきとはうってかわって不安そうな声を漏らすまひる
気付いたら俺はなにも考え無しでドアに手をかけていた
ガチャ と ドアが少し開く
鍵がかかってない…
意を決して一気にドアを開ける
「………なにやってんだお前ら?」
半ば想像していたが…
そんな想像が的中してるとはな…
まひるとサヨが唖然としている
「なにって ルームシェアの挨拶よ」
しれっと言ってのけるユキ
「誰だそんな非常識な挨拶を教えたヤツは!!
お前まともな教育受けてねぇだろ」
「だってこいつも同じ意見だったから」
そういって身動きがとれなくなってる本多を指差す
「そうだぞ会長 これからがいいとこなんだから」
「お前は黙ってろ マゾ本多
まひるの情操教育に悪影響をきたすだろ
少しは自重しやがれ」
まぁすでにまひるは黒いけど…
少なくともSMに目覚めてもらっては困る
え?
どういう状況かって?
とりあえず本多が荒縄に縛られて天井から吊されてるわけだ
部屋の電気は切ってあるし
カーテンも閉めてあるし
なんかユキは手にアブナイもの握ってるし
「とりあえず後にしろ」
「後でもダメだよっ!!」
すかさずサヨが突っ込む
「とりあえず いますぐまひるとサヨの部屋に行く支度しろよ」
「なんでよ?」
ユキの当然の疑問
「まひるがどうしてもお前らと遊びたいそうだ
お前らのお楽しみはそのあとにしとけ」
「…仕方ないな 降ろしてくれ」
宙吊り状態の本多がのたまう
お前何様だよ
「…まぁいいや さっさとこいよ」
そう言ってドアを閉める
「ああいう愛情表現もあるんですね…」
いまだに驚きの抜けないまひるが言う
「いや あれはアブノーマルだからな
あんなふうにはならないでくれよ…」
「大丈夫ですよ?
私痛いの嫌いですから…」
それを聞いてほっと胸を撫で下ろす俺とサヨ
「それとも…先輩も私にあんなことしたいですか…?」
上目遣いで俺を見るまひる
…なんでそうなるかな?
「私…先輩となら――」
「はいはーい!!
準備始めようね!!」
まひるの台詞をサヨが遮る
学園の外でも俺らは変わらんな…
いつまでもこんな毎日が続けばいいのにな…
なんて…夢物語かな
「ほらハセ君も早くっ!!」
「あぁ そうだな」
それよりは"いま"を楽しまないとな…