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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
NMS
72/91

NMS ― 夜のお楽しみ



「ふぅ…」



ピッという電子音のあとに ガチャリと鍵の開く音



なんだか学園みたいだ



しかしここは学園じゃない





俺たちは さっき決めた通りの部屋に来ていた





…まぁ最後までまひるは駄々をこねていたが それでもサヨに連れていかれた



まぁ…隣の部屋なんだがな





そんなこんなで部屋に着いたわけだが…



「な…なんじゃこりゃ…」



『うわー!!凄いです!!広いです!!ベッドふかふかですっ!!』



隣の部屋も似たような感じらしい


俺の心を読み上げたかのように まひるが叫んでいた



『ふかふかなのにギシギシいわないです!!

本当に先輩と同じ部屋じゃなくて残念ですぅ…』



あーあー

なにも聞こえないー


というか聞こえたくない





しかし本当に凄い…



とりあえず…広い!!



寮とは大違いだ…



寮の部屋が3つくらい入りそうなくらい広いや…





そしてベッドも大きくてふかふか





…本当にギシギシ鳴らないし



床はふっさふさのカーペット(?)のせいで まったく足音が聞こえない



こりゃ夜ばいされても音じゃ気付けないな…



うん…ちゃんと部屋の鍵を閉めとかないと



まぁ確かに 初体験が安っぽいホテルじゃなくて こんなとこなら そりゃ思い出にもなるが――って そういう問題じゃねぇや





というか ひとり部屋でこのサイズって…


ほかはどれだけ広いんだ…?





…恐ろしいな W2





ふと窓側に目をやると すでに俺の荷物が置いてあった



部屋割をさっき決めたばっかりなのに…なんという早業だよ



従業員も一流ってか…





こりゃメシが楽しみだな





…高級すぎて食えんかも





なんて考えてると ドアをノックする音



『先輩ー逢い引きしましょー』



ドアをバンバン叩きながらもちゃんと聞こえる声量で叫ぶまひる



叫んでる時点で逢い引きとは言わないぞ…!!



というか恥ずかしいから そんなこと叫ばんでくれ



『先輩ー?いないんですかー?』



なるほど 居留守を使ってみるか



『いないんですか…?

私を置いて 行っちゃったんですか…?

もう離さないって言ったじゃないですか!!

私のカラダなしじゃ生きられないって!!』



「そんなこと言ってねぇよ!!」



『やっぱりいるんじゃないですか!!

いないふりしてないで出てきてくださいよー』



あ…しまった

ついついツッコミ入れちまった…



というか手段が姑息だ…





まぁ仕方ないからそろそろ行くか



「おう なんの用だ?」



ドアを開けるとまひるとサヨがいた



「だから逢い引きですよ

さっきボーイさんにベストスポットを聞いてきましたから!!」



「だから逢い引きって…

それにサヨもいるじゃんか」



「はっ 先輩…

私だけじゃ満足できないからってサヨ先輩まで…

二股はいけませんよ!!

私を選んでください!!」



「いや 別に二股してないし」



しかもよく聞いたら俺に選択権はなしか!!



「そ そうだよまひるちゃん

というか本題忘れてるでしょ?」



ここでやっとサヨが口を開いた



「あ そうでした

いまからユキ先輩たちも誘ってトランプ大会です!!

わー ぱちぱち!!」



「………はい?」



「いや だからトランプ大会です!!

お泊り会といったらトランプ大会で決まりですっ!!」



…まぁ言いたいことはわかったが そういうのってあくまで夜更かしの手段じゃねぇのか…?



まだ夕方じゃね?



とりあえず休憩タイムじゃね?



「…私も一応止めたんだけどね」



「…けど?」



「賛成してくれなきゃ秘密をバラすって…」



恐喝かよ!!



まひるがだんだん黒くなってく…



ってか それほどバラされたくない秘密なのか…



んー気になるなぁ



「とゆーわけで やりますよね?」



笑顔がどこか怖い気がする…



「あ あぁ…そうだな」



まぁ被害を最小限にとどめるためになら トランプくらいどうってことないよな



「じゃーれっつごーです」



そう言って まひるがもうひとつ隣――つまり本多とユキの部屋のドアの前に立って…ぴたりと止まった



「どうかしたのか?」



そう尋ねたはいいが…



無性に嫌な予感がした




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