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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園戦記、夏
63/91

学祭戦記、夏 ― 最後の始まり



「…畜生 絶対おかしいぞ!?」





今日は早起きしたはずだ



目覚まし時計を7個もセットした



そしてその騒音に飛び起きた



身支度をしようとした



そこまでは覚えてる



そこまでは覚えてるのに…





…そこからの記憶がないのはなぜだ?



しかも太陽は西に傾き 空は茜色だ





「どうなってんのよ…」



そういえばここしばらく 気付いたら寝てるってことが多々あったな…





「もしかして…私病気!?

ナルシスト!!…じゃなくて…縄プレイ?ナルコプレシーだっけ?」



ぶつぶつと呟きながら廊下を歩く



「あーもう!!イイとこ見せようと思って張り切ってたのに―じゃなくって!!」



昨日間違えて部屋に持ち帰えったイヤホンマイクを装着する



でもまぁわざわざ生徒会室まで取りに行く手間が省けたのでラッキーだ





附属校舎に差し掛かると 入口あたりに見慣れない男の人がいた



一般の人みたいだ



まぁ学園祭は一般人も来れるから不思議じゃないけど―



ぼーっと突っ立ってるし なんか雰囲気がおかしい気がする



服装だってとても整えてきたようには見えない



声かけた方がよさそうだ



私だって生徒会役員なんだから!!





「あの どうかしましたか?」



この場に長谷川がいたら驚いただろうな



なんたってこのユキ様が丁寧な口調なんだから





…しかし 相手の反応はなかった





「あの 大丈夫ですか?」



だから今度は肩を軽く叩いてみた



もちろんいつもみたいな破壊力は皆無だ



相手を怒らせることなく紳士的に―って 私女の子じゃない!!





「…てやる」





相手が反応した



しかしよく聞き取れなかった



「はい?」





「ブッ壊してやる!!」





そして―相手の口から飛び出したのは 思ってもみなかった台詞だった





「なっ…!?」



気付いた瞬間には男につかまれ 腕を首にまわされた



しまったな…いつもなら反応できたのに さすがの私でも寝起きすぐには無理よ…!!




近くにいた生徒が叫び声を上げる





「ちょ…貴様っ!!」



突然のことに口調が戻っているが こんなヤツに使う丁寧口調はない





「…黙れよ」



「ふざけんじゃないよ!!

なんで私が黙らなきゃいけないの!?」



「…自分の置かれている状況をよく理解するんだな」



「なっ…貴様…!!」



いつのまにか自分の首筋に刃物が



「…てめぇは道連れだ」



「…道連れ?」



「いいから屋上に案内しやがれ」



「…なんでよ」



「いいからさっさとしろ!!

…余計なことは考えるんじゃねぇよ」



「…くっ」



普段ならこの程度のヤツなんて一瞬で片付けれるのに…



いわゆる人質の体制だから動くに動けない





…ひとまず従うしかなさそうね……





「…わかったわ」



そう言うと首筋の刃物が少しだけ離れた



「さっさと歩け」



「…くっ」



そして言われるがまま歩きだす





…いつのまにか学園内に非常ベルが響き渡っていた




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