学祭戦記、夏 ― 状況報告ッ!!
「はあっ…はあっ…く…っ」
爆発音
火薬の臭い
誰かの怒鳴り声や叫び声
「もうっ…すぐ…だ…っ!!」
減速無しで角を曲がる
目の前に広がるのはいつもの校舎裏ではなかった
「なっ…なんだこりゃ…」
目の前に広がるのは…机
机 机 机 机 机…
机の塊
…バリケードだ
呆気にとられていると横から声がした
「だっ…代行!!」
声のした方を振り返る
「なっ…お前ら大丈夫か!?」
そこには2人の役員
片方は腕を押さえ もう片方は仰向けで倒れている
「…すいません やられちゃいました」
苦笑いを浮かべる役員
もう片方は動く気配も無い
「ばっ…やられちゃいましたじゃねぇよ!!
きっ 救護隊は呼んだのか…!?」
「はい…もうすぐ来るようですが…向こう側の方が酷いので…」
そう言ってバリケードを一瞥する
「一体なにがあったんだよ!!」
「それが…こちら側からはご覧の通りです
バリケードを突破しようと試みたら…返り討ちに合いました
こいつはそんとき頭を打ったみたいで…」
仰向けの役員に歩み寄る
…呼吸 脈拍異常なしか
頭部に軽い腫れ
しばらく休めば大丈夫だと信じよう
それに手当てや処置は俺の役目じゃない
「それより代行…向こう側の応援に向かって下さい…」
おそらくバリケードは暴徒側が挟み撃ちを防ぐために作ったのだろうが―確かにバリケードがある限り暴徒側も簡単にこっちには来れない
…うちらにとっての最善策はこうか?
こっち側にも人員を割いて暴徒を牽制
そして向こう側より暴徒鎮圧
…だがどうやって?
現に向こう側の役員は劣勢との報告
数でも そしておそらく個々の能力でも―恐らく向こうは精鋭部隊だろうから―うちらが不利だろう
それでどうやって勝てというのだ!?
…総会長ならどう切り抜けるんだ?
…あぁ そうか…総会長ならそもそもこんな事態にはならないのか
これが…俺とヤツの違いなのか…!!
「くっ…!!」
いまこの瞬間も 役員は劣勢ながら頑張っている
それなのに俺はいったい何をしてるんだ…っ!!
何か…何かないのか?
クソ生意気な暴徒を撃ち殺すような方法は…!!
…撃ち殺す?
口元に―笑みが浮かんだ
「…勝てる」
「…代行?」
急に余裕を見せた俺を不安の目で見つめる役員
「よし…こっちにも応援を呼んでおく…それまで堪えてくれよ」
「り 了解です!!
代行…気をつけて下さい 暴徒は武器を持ってます」
「武器…?
任せろ…俺は大丈夫だが まぁ一応教えてくれ」
「あ はい 現時点では癇癪玉とロケット花火が確認済み
向こう側の役員は近付くに近付けない状況です…
なんとか打破してください…!!」
「…もちろんだ ひとり残らず撃ち抜いてやるぜ!!」
そう言い捨て踵を返す
ちょうど応援に呼んだG隊と救護隊が到着したところだった
「暴徒側が動くまで牽制
動いたら知らせてくれ
…怪我はするなよ」
「了解です!!」
「…頼んだぞ」
そして俺は再びフルアクセルで駆け出す
…あぁ サヨにIDを手渡さなくてよかったぜ
もし渡してたらドアが開かなかった
勝負ってのは ほんとにひとつの出来事で決まるもんなんだな…
そんなことを思いながらある場所を目指す
そこは…
附属生徒会室
勝利の鍵はそこにある!!