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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園祭準備編
5/91

学園祭準備編 ― 大物の片鱗


「…えーんちょー?」


や ヤバい

ユキの目つきが獲物を見付けたそれに!?


ユキのターン


ユキは自分の鞄へ手を伸ばした



俺のカウンター

"会長指令"


俺はサヨにサインを出した

"プランY3"



すかさずサヨは自分の上着のポケットに手を伸ばし

小型スイッチのボタンを押した



ユキに200のダメージ!!


ユキは鞄を抱えたまま気絶した



ミッション

学園長を守れ

を クリアした!!


その間

ほんの2.64秒



「新記録更新ですね 先輩?」



「そ そうだな…」



もし仮に誰か目撃者が居たなら

きっと悲鳴をあげていただろう



そりゃ突然女の子が鞄を抱きしめたまま気絶したのだから



だが

これはここではよくみるものだった





去年の暮れ

生徒会メンバーがユキに贈ったブレスレット


一見ただの装飾品なそれは

サヨが持っているスイッチを押せば

7段階の電流が流れる仕組みだ


普段流している電流はもちろん気絶する程度だが…



ちなみにだが

いまだにユキはブレスレットのこの機能に気付いてないらしく

今回みたく暴走しては気絶させられている



その証拠に

今回の発動で計724回だ



…まぁ

ブレスレットの話はおいておこうか





こんな光景を目の当たりにした学園長は

「学園祭 楽しみだねー」

とだけ言って去って行った



一歩間違えればユキに血祭りにされていたのに

余裕があるのか

ただのバカなのか

学園長はお決まりの日の丸扇子を扇ぎながら生徒会室を去った





…ってか

一体何をしにきたんだ!?



そんなツッコミを

心の中でいれていると


「先輩ー

今回もユキ先輩の鞄の中がいろいろ凄いですよー」


とユキの鞄を覗きながら

まひるが言ってきた





さて

毎回恒例となりました

ユキのドキドキ(はぁと)荷物チェックのコーナーです



そんなコーナー知らない?


大丈夫大丈夫

お兄さんに任せなさい




1品目 鞭


「…ハセ君

また鞭だね…」


「…うん」


「これで7個目ですね… 先輩」


まぁなんだ

最近ユキは鞭にハマってるらしい



2品目 荒縄


「これは…

初めてじゃない?」


「初めてだね…」


「これって何に使うんですかねー?」


これでロウソクでも出てきたら

もうアレしか考えられないよな…



3品目 ハイヒール(右足だけ)


「そうきたか!?」


「そうきたかーって

どうきたんです 先輩?」


「まひるちゃんは知らなくてもいい世界の話だよ…」


「そうですかー

残念ですー」


いやいや 残念じゃないから!!


まひるは純粋でいてくれ!!


…とか

心の中で思ってみた今日この頃



4品目 水筒


「ハセ君

中身は水かお茶かな?」


「普通水かお茶だろ?

せいぜい予想斜め上を行ってもスポーツドリンクだろ」


「ユキ先輩に普通や常識は通用しませんよ 先輩?」


「うっ…そ そうだね

じゃあ確かめるか」


というわけで

紙コップに中身を出してみたところ

サスペンスドラマかなんかの誘拐犯がハンカチに染み込ませていそうな薬品の臭いがした…



5品目


「……!?」


「ハセ君

これ…拳銃!?」


「大丈夫です 先輩

ゴム弾ですよ これ」


………いやでも

ゴム弾も悶える程痛いって聞いたことが…



いまさらながら

ユキが恐ろしくなってきたよ…



6品目 ダンディーなサングラス


「………」(サヨ)


「………」(俺)


「似合いますかー先輩?」


俺とサヨは苦笑いしかできなかった


まひるはそのダンディーなサングラスをかけて鏡の前でキメポーズをとったり

いかにもなセリフを吐いたりしてみたりでご機嫌だった



…ってか

ユキがこんなサングラスをかけたら

ただの狂暴な変質者でしかないな…



「今回はこれだけみたいですねー」


「また磨きがかかってるね…」


「そうだな…

んじゃ これらは没収」


「そういえば

没収したものってどうしてるの?」


「え?

ほら ゴム弾なんて役立ちそうじゃん?

暴徒鎮圧に」


「はぅあ!!

ないすあいでぃあですね 先輩」


「言う なるほどね」



…何と言うか

生徒会メンバーはドSの集まりだったりする





「さて…と

ユキが気絶したせいで今日は話が進まないし

お開きにしない ハセ君?」


「そだな

ユキをどうする?」


俺は気絶してる凶悪犯を見た



「放置でいいんじゃないんですか 先輩?」


…純粋無垢だからこそ

まひるって本当恐いよな…



「じ じゃあ今日の会議は終了

片付けしよっか」


そう俺が云ったと同時に

生徒会室の扉がまた開いた



…が

今度は学園長ではなく

なんと俺の彼女だった


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