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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園戦記、夏
46/91

学祭戦記、夏 ― きーん



「どうなってんだ…?」



あんなに派手な音をたてときながら中庭は予想以上に綺麗だった



というより いつもとなんら変わらないくらいだ





「代行!!」



不可思議な現場に首をかしげていると役員に声をかけられた



確か中庭で待機していた役員だ



「おう 大丈夫なのか?」



「はい まぁまだ耳がきーんですが」



「耳がきーん?」



「はい きーんです」



「怪我とかねぇのか?救護班は?」



「いえ 結構ですよ 外傷はないですし

他に怪我人もいません

みんな耳がきーんですけど」



「そうか…」



「で 何があったんですか?」



なかなか話が進まないことにしびれを切らしたサヨが聞く



「あぁ はい 一応爆発だったと思います」



「でも怪我も爆発痕もないよな…?」



「…おそらく花火の一種かと」



そう答えたのは別の役員だった



おそらくロッテの片割れだろう



「花火?」



「はい 薬品の調合具合により 光と音を重視したものを作ったのかと」



「光も凄かったのか?」



「はい そりゃもう 目がきーんです」



再び最初の役員が答える



って 目がきーん ってなんだ?



「ずいぶん派手な演出だな…」



「で 犯人は?」



「おそらく逃げられたでしょう

目撃者もいません

…我々ですら見てません

なにせブツは空から降ってきましたから」



「…空?」



「屋上あるいは教室の窓からの投擲

…特定は難しいでしょう」



確かにそうだ


それにいまは 犯人探しよりも大切なことがある





「…ねぇ ハセ君」



「ん? なんだ」



「囮かなにかだと思うな」



この予告 そして爆発騒動が だ



「だよな 俺もそう思う」


あんな堂々と予告をしときながら 被害は耳と目(?)がきーんとなるだけ



明らかに囮だ





「…あの 僕らはどうすれば?」



見ると 目がきーんの役員と その片割れが暇そうに立っている



「とりあえず指示があるまで 最初に指示した持ち場で待機 で」



「了解です」



「え 自由時間くらい…」



片割れが 目がきーんを引っ張っていく



…なかなかいいロッテじゃないか?





「…で ハセ君?」



「ん? なんだったっけ?」



「もぅ…この事件の意図だよ」



「あぁ そうだったな」



時間稼ぎか


注意を牽くためか


それ以外


その両方



「相変わらず出たとこ勝負…か」



「だね…」



ふぅ と ため息をついたが―すぐに声が耳に届いた



『こちらD隊 ネズミが一匹かかりました』



サヨと目を合わせる



「よし 指示があるまで待機だ」



『了解』





「おいでなすったぜ?」



「そうだね」



一瞬の沈黙



「あいつらかな?」



「かもね」



「行く?」



「いや ここでいいだろ こいつがあるからな」



そう言って俺は ポケットの中の秘密兵器をちらつかせる





数分後 学園中に聞き覚えのある高笑いが響いた





俺たちの 反撃のときだ!!



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