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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園戦記、夏
42/91

学祭戦記、夏 ― 囚われの王子様?



『たった今 放送室は我々が占拠した!!』



渋谷が高らかに宣言する



『どうした 長谷川?

ずいぶん放送室が手薄だったぞ?』



畜生…ナメやがって



『我々を舐めてもらっては困るな 生徒会諸君

期待には答えてくれよ?』



「くっ…畜生がっ」



校内を駆けながら呟く



後ろからなんとかサヨがついてくる



『さて 本題に入ろうか

我々は生徒諸君らに伝えたいことがあったので このように放送を使わせて頂いてるわけだが―』



何が使わせて頂いてるだ!!

勝手に乗っ取っといてよく言うぜ…



『学園長の話が始まりはや数十分

もはや諸君らも限界ではないのかな?』



た 確かに学園長の話は長いが…

だからといって渋谷が放送を乗っ取る理由にはならない



「もうすぐ…っ 放送室だ…」



最後の階段を2つとばしで駆け上がる



放送室の前では二人の生徒が鍵のかかったドアと格闘していた



だが カードキーなのでピッキングのしようがない



「どいて…くれ…っ」




肩で息をしながら言う



俺がIDカードを取り出すと2人の生徒―ロッテC3―が身構える



中に居る渋谷を捕獲するためだ



『そこでだ いまこの俺が宣言しよう!!

只今をもって第7回学園祭を開始する!!

我が同志よ!!見事生徒会を打ち破り 囚われの戦友 長谷川を取り戻そうぞ!!』


「…行くぞ」



渋谷の台詞と同時にIDカードを差し込む



電子音のあと ドアが開く



「生徒会だ!!」



C3の2人が勢いよく中に入る



「なっ…!?」



しかし物音ひとつしない



「どうした…?」



ようやく息が落ち着いてきた



「…居ません」



「はぁ…!?」



放送室の中には手足を縛られ口に布をあてられて喋れなくなっているA4の2人が居た



そう その2人だけ



渋谷が居ない…だと?



「…とりあえずほどいてやれ」



俺の指示を受けC3の2人がA4の2人の拘束を解く



俺は放送機具をいじり放送を止めた



どうやらあらかじめ録音しておいたものを再生しただけだったようだ





しかし…あいつまだ諦めてなかったのか…



俺はもう…こっち側の人間だってのによ…







放送は止まったが 渋谷の勝手な学園祭開始宣言により体育館は大騒ぎ



結果中途半端なまま開会式は終わり 生徒たちは各自行動に移っていった



そのなかで学園長は最後まで呑気に笑っていたそうだ







一般生徒まで乱されるという最悪の形で学園祭がスタートした




暴徒側…いや 渋谷たちに初戦の軍配が上がった




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