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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園祭準備編
4/91

学園祭準備編 ― 実は偉かった

ちなみに今日は終業式



本来なら

明日から夏休み



…のはず



だけど

このクラスは―


いや

どのクラスも

夏休みの真っ最中にある学園祭の準備―クラス発表など―のために毎日教室に行くわけだ



ちなみに

うちらのクラスは

まったくと云ってもいいほど話が進んでいない



まぁ理由は…

ご察しの通りだ



ともあれ

表向きには明日から夏休みだ





「ふぅー…」



俺は帰る支度をする生徒を横目に大きな溜め息をついた



俺も寮に帰りたいが

そういうわけにもいかない



鞄を背負った俺は

昇降口へ向かう生徒とは逆方向に歩き始めた





――――――――――――――





「ふぅ」


俺はとある教室の前で止まる



普通の教室よりかなり大きいそのトビラと

その横に提げてある板の文字を見る



附属生徒会室



読んで字の如くだ





別に

悪さをして呼び出されたわけではない


でも

いつもこのトビラの前で

少なからず緊張する



「さて…と」



俺はトビラに手をかけた


ガラガラ―



「失礼しまー…」

「遅ーーーい!!」


怒鳴り声と共に

高速で何かが飛んでくる



それを俺は後ろへ受け流す



ドカッ



壁に1050のダメージ



壁に亀裂が…



壁は戦闘不能になった





…って

そもそも壁って戦闘可能なのか!?


や そんなことはどうでもいい



壁を戦闘不能に追いやった犯人の第2撃が来る!!



???の攻撃


"理不尽な命令"


「貴様 罰として今日からこのユキ様に一生仕えろ

そして崇めろ!!」



なんと傲慢な


しかし

俺に0のダメージ



俺の攻撃


"会長権限"

"無条件降伏"


「会議始めるから

ユキは静かに席に座る」



「ぐっ…貴様…」



ユキは敗北した



「卑怯だろ!!」


ユキの見事なツッコミ



ふっ…

世の中権力なくしては生きていけないのだよ



こいつはユキ


附属の生徒会の副会長


どこぞクラスの副委員長と性格が微妙に被る

血の気の多い可愛いげのないヤツ



まぁそんなこと云ったら今度は何が飛んで来るかわからないから云わないでおく



ちなみに

さっき壁を戦闘不能にした凶器は

どうやら消しゴムみたいだ



恐るべき剛腕



ユキのせいで

生徒会室の前の壁は

開校7年目にして

14回補強工事をしている



まぁそんなことはどうでもいいか



「ふぅー」


無意識に溜め息をつき

椅子の隣に鞄を降ろすと



「でもハセ君遅いよー

私と同じクラスなのに」

正面から声がした



クラスメートで同じ生徒会役員のサヨ


ごく普通の女の子だ



「まさに重役出勤ですね 先輩?」



今度はサヨの隣

2つ後輩のまひる


純粋無垢

天然なのかときどき言動がぶっ飛ぶ


この前は

俺とふたりっきりの生徒会室でなんの前フリもなく急に脱ぎはじめ

「先輩とだったら…」

とか言い出すしさ



まぁなんだ

ユキとまひるが濃いから

サヨが隠れてる



そんな感じの附属生徒会メンバーだ



まぁまだ本当は何人も居るけど

このメンバー+1が主で附属生徒会は動いている



その+1は今日は来てないみたいだ



まぁあいつは本業があるからな



まぁいいや





えーと

話がズレすぎたが

俺はこの附属の生徒会長だ



…や 本当だから



「なにぼーっとしてるの?

会議始めようよーハセ君?」


あ そうだった



「そだねー

といっても

特にやることあったっけ?」



「学園祭の対策でしょ 先輩?」


あ そうだった←



「今年はどうなるかなー?」


ここの学園祭は一風変わっている



「去年は放送室が占拠されたって聞きましたよー?」


と まひる



「体育館も占拠されたよね…」


と サヨ



「去年は本校の鬼畜生徒会長が関わらなかったから

生徒共が好き放題やりやがったからな」


今度はユキ



そう

ここの学園祭は激しい

とても激しい



理由は簡単

脳天気な学園長だ



一番インパクトのある

一番学園祭を盛り上げたクラス・部活・個人に賞を与えるなんて云ったからもう大変



毎年毎年

生徒会・風紀委員・保健委員連合(通称生徒会あるいは役員)

V.S.

暴走生徒集団(通称暴徒)

の激戦が繰り広げられている



ちなみに

クラス副委員長のあいつ

サトミやタケ、そしてバカを筆頭に

我等が附属3年2組は

優勝候補No.1だ



…まったく

俺とサヨが生徒会だってのに


むしろ当日は

毎年敵だといわんばかりにやってくれる

(まぁ去年の途中までは俺もあっち側だったんだけど)



だけど

相手はうちらのクラスだけじゃない



生徒会連合は

附属本校合わせて約140人


対する暴走生徒集団は全生徒


一部うちらのクラスの委員長みたいな"いい子"も居るが

文字通り一部にすぎない


とにかく

無勢に多勢



以前

学園長にクレームを云ってみたが「君たちは若いよねー

青春だねー

はっはっはー」

とぬかしやがった



「とりあえず

今年こそ園長シメル?」

ユキが物騒なセリフと共に立ち上がる


こいつは本当にやりかねない…



まぁ実際

学園長をシメようにも

学園長に会わなければ無理な話で

ユキが学園長に会わなければ問題がなく―…


「やー やってるねー」

タイミング良く

間の抜けた声が響く



ちょっと待て この声は…



声に反応するように

ユキの目が光った



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