表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園祭準備編
33/91

学園祭準備編 ― 通常の3倍…いや100倍くらい



「…結局何だったんだろうな?」





屋上に住まう謎の少女と別れた後 俺は学食に向かっていた





屋上でフレンチトーストと紅茶を頂いたが…さすがに朝まではもたないと思ったので夜食用にパンでも買おうとしたからだ





時間を確認すると22:00を少し回ったあたりだった



思った以上に屋上で時間を費やしたらしい





「ふぅー…」



何気なく溜め息をつくと前方から聞き慣れた声が聞こえた



「あーっ 先輩

どこ行ってたんですかー?探したんですよ?」





近付いて来る見知った顔



なぜか少しふらついているように見える



「ん?まひるか…どうした?」



近付いてくる少女に問う



「何となーく一緒に夜ご飯をと思ってたんですけど…先輩がどこを探しても見付からなくて困ってたんですよー

おかげで腹ぺこですよー先輩」



壁に手を付きもう片方でお腹を押さえる



何となく一緒に食べるために俺をずっと探してたのか…



相変わらず難儀だな…





「もーほんとにどこに行って―」



まひるは俺の目の前に来た途端になぜか言葉を止めた



「…どこに行ってたんですか」



そしてなぜか急にトーンの低い声で問い掛ける



…怖い



「えっ…?どこって…屋上?」



急に変わる態度に戸惑い 何故か疑問形になる



「…女のニオイがする」



「…はい?」


「先輩の身体から女のニオイがします」



「えっと…」



俺は屋上での出来事を思い出す



とっさに冷や汗が出てきた





…というかニオイって……



普通の人間の嗅覚じゃわからんだろ…





「…私が必死に先輩を探している間 先輩はずっと他の女と屋上にいたんですね…」





さっきとは変わり今度はいかにも泣きだしそうな声色になる





「いや…その…別にそういうわけじゃ…」



必死に状況を説明しようと試みる が





「私は…あの時からずっと先輩のことしか見てないのに…

やっぱり先輩にとって私は特別でも何でもないただの生徒なんですか?

それとも…忘れてるんですかね…」



どこか思い詰めた表情で俺に問い掛けるが 後半はよく聞こえなかった







…とても説得できそうにないな





どうしたらいいのか考えていると…しばらくの沈黙の後まひるがふと口を開く



「とりあえず学食に行きませんかー?」





それはいつもの声色に戻っていた



「そ そうだな…」



まぁ俺も行くつもりだったし



「もちろん先輩の奢りですからね?」



「まぁ…別にいいけど…」



なんか悪いことをしたような感じだし 奢りくらい痛くはないか…



「ふたりっきりになる機会なんてなかなかないですからねー

このチャンスで一気に先輩を落としますからっ!!」



表情や言動はいつものまひるそのものだったけど…さっき見せた淋しげな表情が俺の頭からしばらく離れなかった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ