学園祭準備編 ― 思春期ですから
ドアノブに手をかけ そっと回した
「………ん?」
ドアの向こうに側はなぜかもう一枚ドアがあり
ただ狭いだけの空間だった
「………んん?」
そしてなぜか小さな靴がちょこんと置いてあること以外その空間には何もなかった
…って 小さな靴!?
子供?いや…女子生徒か?
とりあえずもう一枚のドアの先が気になったのでその先に行くことにした
ドアノブを握り 回す
「………?」
今度はなぜか望遠鏡が俺を出迎えてくれた
絶賛意味不明だ
「望遠鏡…?」
吸い寄せられるように部屋の中に進む
念のため靴は脱いできた
その部屋は予想通り普通の部屋より広かったが…
部屋の片隅にある望遠鏡だったりよくわからない物のせいで普通の部屋とあまり変わらない広さに感じられた
「暴徒部のアジト…ってわけでもなさそうだな…」
よくわからない物とかがあるが 暴徒部のアジトというより…普段から誰かがここで生活しているような雰囲気の部屋だな
「結局ここはなんなんだ…?」
独り言を呟き 頭をかくと
この部屋に入る前に小さな靴があったことを思い出す
「靴…ってことは…誰か居るんだよな?」
サイズ的に女子生徒が
そう思ってふと足元に目線をやると―
「…って えっ!?」
そこには…なぜか手があった
というか女の子が仰向けに倒れていた
床に
…なぜかバスローブ姿で
盛大に意味不明だ
よし 状況確認をしようか
生徒の依頼で屋上に来た
屋上には誰も居なかったが明かりのついた建造物があったので潜入
建造物の中には望遠鏡や よくわからない物とかがあり誰かが生活してるような雰囲気もある
いま俺の足元にバスローブ姿の女の子が倒れている
確認終了
盛大に絶賛意味不明だ
「…おい 大丈夫か?」
とりあえず声をかけてみる
…反応無し
呼吸は?
「…ちゃんとしてるな」
大きな胸が規則正しく上下している
…大きな胸が
…バスローブ1枚(?)で隠された大きな胸が
いかんいかん…
そんな場合じゃない
とりあえず目のやり場に困ったから顔をよく見てみる
「見たこと…ないよな?…っ!?」
近くにあった机に手をつく
一瞬めまいがしたからだ
そういえば夕飯食ってないからなぁ…
「…まぁいいか
とりあえずさっさと帰りたいけど…」
再び顔をよく見てみる
童顔だけど…寮にいるんだから15歳以上だよな?
…胸の発育も素晴らしいし
…いかんいかん
どうしても意識が胸にいっちまう
身体をよく見てみる
身長は…まひるより低いんじゃないか?
線が細くて―胸がやたら大きい
胸もまひる並だな…
「…合格」
………俺はいったい何をしてるんだ?
「とっ とりあえず…風邪ひかないようにしてやらないとな…」
さすがに夏とはいえバスローブ姿で床に倒れてちゃ風邪ひいてもおかしくないしな
というかよく見たら髪がまだ湿ってるような…?
湯上がり?
…まぁいいや とりあえず何か掛けてあげないとな
…とは言え 周りに適した物がない
女の子の物と思われる服を見付けたが…さすがに俺が着せてあげるわけにもいかないしな
かといってこのまま放置も色々とマズイ
…そう 色々とマズイ
「…タオル乗っけとくか?」
服の近くにあったタオルを2枚ずつ女の子の胸部と下半身にかける
…これで胸部と下半身を何度もチラ見しなくてすむ
「………俺はいったい何やってんだ…?」
ふと自分がバカらしく思えた
…というかバカだ
目の前には仰向けで倒れているバスローブ姿の女の子
胸部と下半身だけ不自然にタオルがかけてある
「…はぁー」
いったいどうしたらいいんだ…?
…いっそ何も見なかったフリをして立ち去るか?
あ ダメだ
俺が屋上の鍵を開けたことが記録されちゃってるじゃん
退路 無し
「どうしよ…?」
俺は悩み続けていたが…俺の意思とは無関係に時間は流れる
そして俺の悩みは…時間が解決してくれた
「ん…っ ふぁ-…っ」
…えっ まさか
「んっ…ふぁ?おにーさん…誰?」
そう 最悪の展開を迎えて