学園祭準備編 ― 世界は動き続けるから
『朝のニュースです
先日世界中を―…』
「ん…朝か…」
いつも通り いつものニュースキャスターの聞き慣れた声で目を覚ます
今日も平凡な一日が始まるのだろう
…誰もがそう思いベッドから出るのだが決して平凡に一日が終わるとは限らない
『日本区だけでなく世界中の経済にも甚大な被害が及ぶと予想され 各政府は―…』
ニュースによると
日本区に本社を置く某一流企業が倒産を宣言
世界規模での経済損失が予想されるとか
きっと誰もがいつまでもこの企業が世界で指折りの大企業として名を轟かせ続けるのだとそう思っていただろうに…
それでも倒産した
企業の社員にとってそれまで平凡だった日々が嘘のように一変するのだろう
いままで当然だったものが当たり前のように当然でなくなる
良くも悪くも世界は動き続ける
いままでの当たり前が当たり前でなくなる
それは誰にだって訪れるかもしれない
いつ訪れるかさえわからない
…はたしてそれを不幸だと思うか?
俺は…思わない
少なくともいま は
世の中は不公平 平等じゃない
そして世界は 運命は 時に残酷だ
しかしそれは万人に共通する
だから決して自分が世界一不幸だと嘆いてはいけないと思う
その変化を―運命を受け入れることができるかどうか
そしてその運命を乗り越えることができるかどうか
運命に立ち向かえるかどうか
昔の俺はまだまだ子供だった
不幸を嘆き あらゆるものを壊してきた
でも いまなら少しだけ…
「ふぅ…支度するか」
俺はそれを―運命を受け入れることができた気がする
周りのおかげで な
「さてと…今日の朝食はどうするかな?」
俺は時間を確認し 部屋を後にした