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星の丘学園戦記  作者: 東雲 暁星
学園祭準備編
18/91

学園祭準備編 ― 去年の友は今年の…


「で ハセ君

私たちは何をするの?」



とりあえず校内を散策してる俺とサヨ



「基本的には各ロッテからの報告をもとに指示を出す って感じかな?」



何か事件や異変等に出くわした役員は俺に報告をすることになっている



「特に報告がなければ?」



まぁそんなことはこの学園のイベントにおいてありえないが



「このまま2人でランデヴー」



「…え ちょ ハセ君」



「や 冗談だよ」






だが…

いつもならすぐに不審物や不審な生徒の報告が来るのになぜか今日は20分経っても一切そのような報告は無い



初日だから暴徒も大人しくしてくれる―というわけもなく 毎年初日から事件があったりするのだが…



なぜか静かだ



嵐の前の静けさじゃなきゃいいけど…





すると不意にサヨが口を開いた



「こうしてハセ君とゆっくりするのも久しぶりな気がするよね?」



「そうか?

わりといつも一緒にゆっくりしてるような気がするけど」



クラスも同じだし一緒にいる機会は多いと思う



「そうじゃなくて

ハセ君とふたりっきりになるのが だよ」


いたずらっぽい笑顔を浮かべるサヨ



…そう言われるとそうかも知れない



俺は去年編入してきたが

この学園のシステムに苦労する俺―実際は全然別の理由で俺は荒れていたのだが―にいろいろとよくしてくれたのはサヨだった



去年の間は何かあればサヨに頼っていた―というか何かとサヨが構ってきたが

この学園に来て一年経った今俺は附属の生徒会長にまでなっていた



いまでも色々と助けてくれるサヨだが

去年と比べ俺がサヨを頼る回数が減った分たしかにふたりになる機会も減った気がする



「確かにそんな気がするなぁ

でも急にどうした?」


するとサヨは目線を逸らし

なんでも

と呟いただけだった





再びの沈黙



微妙に気まずいような空気が流れる





…それを破ったのは後方から聞こえた声だった



「よぉ お二方

今日もアツいですなぁ?」



冷やかしにしか聞こえないそれを真に受けたのか サヨの顔はこころなしか紅くなったように見えた



「もう渋谷君 何言ってるのよ?」



まだ顔の紅いサヨが取り繕うように言う



「バカがなんの用だ?」



俺はため息混じりに強大な敵に問い掛ける



「バカとは失礼ではないかMy同志長谷川よ」


いまはお前の同志などではない

というかむしろ敵だ


と 心の中で毒づく



「…まぁ 今日は挨拶に来ただけだ」



「挨拶だと?

…どうせまた何か企んでるんだろ?」



「本当だとも!!

挨拶を…次期総会長殿に ね」



そういうことか



「…さすがバカ

無駄に情報が早いな」



「ははーん 褒めるなよ」



右手を挙げ 照れたように言う



というか褒めてねぇよ



「そして挨拶ついでにひとつ情報だ」



「情報だと…?

やっぱり何か企んでるんじゃないか?」



「ふっ そろそろ俺の仕掛けた時限装置が作動する時間だ…」



「…は!?時限装置だと!?」





するといままで静かだったイヤホンから生徒の焦った声が飛び出してきた



『だ 代行っ!!

特別棟3階の蛇口がいきなり壊れました…!!水が止まりません!!』



「…はぁ!?蛇口!?」



「ではさらばだ My同志長谷川よ

はーっはっはっはー」



「ちょ… 待てバカ!!」



「待てと言われて待つような渋谷ではないぞ!!」



いちいちありきたりな返しをするな!!



というか蛇口壊すって小学生のイタズラかよ!!



『代行!!どうしましょう!?』



あーもうめんどくさいなぁー!!



「とりあえず教師に連絡しといてくれ

俺は犯人を追う!!」




『了解です』



畜生…こんな幕開け嫌だ…



「ハセ君!!早く追いかけるよ!!」



「あ あぁ…」



サヨに急かされ

俺たちはその場を離れた





…精神的にキツイぜ




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