学園祭準備編 ― 情報源はいったい…?
「……へ?」
どういうことだ?
「だから 私は誰と組むの?
スクリーンに私の名前無いよ?」
「…うそっ!?」
…あ 本当だ
おかしいなぁ…
いつもならサヨはユキと組んでいるから今回も─
って ユキは今回寝ててもらうんだった
「ごめん 忘れてた」
「えーっ ハセ君ひどいよぉ」
や ほんと すんません
とっ…とりあえず進めよう
「えーと…
全員組んであるから…俺と組むか?」
まぁ女子生徒を単独行動させるのは危ないしね
「えっ…!?
私ハセ君と組むの…?」
「あ いゃ…
俺とが嫌なら─」
「いっ 嫌な訳ないでしょ…!!」
珍しくサヨが大声を出して
みんな少しびっくりした
「そ そう?
じゃ 他にはー?」
辺りを見渡すと
まひるが必死に手を挙げていた
うーん
必死さが可愛らしい
…というか
質問があるヤツは俺の身内ばっかかよ
「先輩ー
本当はサヨ先輩と組みたかったんでしょ?」
…はい?
いきなりなんでしょうか?
意味がわかりませんが
「そんな小細工までして…
私だって…私だって先輩と…」
そういって俯いて黙ってしまった
周りからの視線が痛い…
…俺悪いことした?
まひるは容姿良しスタイル良し(B84 W51 H79 本多調べ)
性格も可愛いから
男子には大人気みたいだ
三大美少女の抜けたひとりの穴埋めはまひるが最有力候補だとか(本多調べ)
…というか
ほんとに俺はなにか悪いことをしましたか?
相変わらず男子共の視線が突き刺さる
とっ…とりあえず機嫌取りを─
「えと…
あとでそーすせ〇べいあげるからさ…?」
大好物で釣る作戦
はたして…!!
「…二人分ですからね」
にやり 大成功!!
相変わらず男子共の視線は痛いがあえて無視
激しく盛大に絶賛無視だ!!
…んじゃ 気を取り直し
「次に 各"隊"の戦争当日の特殊行動分担を発表する」
「特殊行動分担…?」
近くにいた女子生徒が尋ねる
「当日の特殊な行動 具体的に言うと救護 潜入 実行 護送の全部で4つだ」
救護は発生した怪我人の応急処置がメイン
…まぁ怪我人を運ぶのは教師だ
潜入は口コミ等で入った情報をもとに行動を起こそうとしている暴徒の詳細を探る部隊
本多みたいなその道に通じた人しかできない 危険度が高い部隊だ
つまり人数は少ないがエリート
まぁ偵察の上位ランクみたいな感じかな?
実行は暴徒を取り押さえる部隊
最も多い人数がこの部隊になる
最悪骨折など大怪我を負う生徒も少なくない
ちなみに生徒会側は鎮圧・防衛手段として状況に応じて様々な"凶器"の使用が許可されていたりする
もちろん死なない程度の凶器だが
護送は捕まえた暴徒を"監獄"へ文字通り護送する部隊
ちなみに"監獄"の場所等の詳細はごく一部の生徒会役員しか知らない
護送される暴徒も 目隠しに耳栓 手足に手錠の状態で"棺桶"に入れられ担ぎ込まれるらしく 詳細を知る者はいない
ちなみに俺も詳しくは知らない
まぁあとは司令部の俺で全部隊かな
まぁ
これは当日の役割であって当日までは役割に関係なく様々な指示に従ってもらうけど
「…よし これで全"隊"の特殊行動分担の発表が済んだな?」
そういって辺りを見渡す
大丈夫そうだ
「じゃあ早速各"ロッテ"毎に見回りに行ってもらおう
担当区域を発表するぞ」
さっきからサヨ達に配ってもらってる特殊イヤホンマイクが各"ロッテ"に行き渡ったところで担当区域を発表した
「よし じゃあみんな気をつけて各持ち場に行ってくれ 解散!!」
俺は声高らかに初日の指示を出した
「─って ハセ君 "アレ"は?」
"アレ"…?
またなにか忘れてる?
…あ~れ~
「…あぁ "アレ"を忘れてた」
サヨがため息をつく
呆れたように顔を見合わせる生徒もいる
なんで初日からこんなんなんだろう…
この一ヶ月本当に大丈夫かなぁ…
とか いまさら思っても手遅れだよな…
「はぁ… なんかごめん」
俺の声が虚しく消えていった