表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

理想の子 前編

作者: そると

⚠️この作品には嘔吐を連想させる表現が含まれております。苦手な方はここでブラウザバックしてください


どうもはじめまして。そるとです。

国語が苦手で語彙力が消失していますが

楽しく閲覧して頂けたらと思います。

「それでさー…」

「……………………へー…………」

まただ。私の話ってそんなにつまらないのかな?

太陽が体全体を焦がすように照る暑い夏の帰り道

私と親友の佳奈、美月の3人でいつものように駅まで歩く


自分は中学の時虐められていたこともありそれ以降人一倍人の顔色を疑ってしまう癖があった。だから相手が自分の話を聞いている時の反応である程度考えてることがわかるようになってしまった。


面白くないんだろうな

興味無いんだろうな


そうやってまた自分の存在価値に着いて重く考え、喋るのをやめる

横で佳奈と美月が楽しそうに会話していた

2人の声は大きいはずなのに

やけに蝉の声が脳に焼き付いていた



その日の夜

いつものようにご飯を食べ

風呂に入り歯を磨き

髪も乾かさずベットに横になってスマホを開いた

「一人 寂しい 対処」

自分って可哀想な奴だな、と思いつつ人差し指で検索ボタンを押した


「私だけじゃないんだ。」


どうにも世の中には私みたいな可哀想なやつが多いみたい


対して読まず、検索に引っかかったツイートを下にスライドしていく

ふと、人差し指で液晶をタップしてひとつのツイートを読み上げた


「脳内で理想の子を作り上げ、脳内で理想の返事をしてもらってる……?」


いやいやいや、いくら私でもさすがに虚しすぎるでしょ!!!!


真っ先にそう思ったが

一人で帰り道病むよりは……


私は脳内の理想の子を作ることにした。

「やっぱ同い年の女の子がいいな〜」

「私の学校の制服を着てて…」

「ツヤツヤの黒髪ロングがいいな」

「見とれるくらい綺麗な顔で」

「名前はそうだなー、黒髪のセーラー服で…凛として…そうだ、凛ちゃんにしよっと」


電気もつけていない暗い部屋

ベットの上で考え事をしていた私の意識は気づけば遠くなっていた


翌日

つまらない学校が終わり、

玄関前で佳奈と美月を待つ。

3人組ってきついな

2人で仲良くなったら1人余るんだもんね

その余り物が私なのか………

またしても重いことを考えて落ち込んでいると

遠くから楽しそうに会話してる佳奈と美月が来た

私が喋ってる時にはあんな顔してくれないのにな


「きょ、今日家庭科の時に山田がさー笑」

「……………ふーん…」

っっ………

なんでこんなあからさまに…

ふと昨日の出来事を思い出す



「脳内で理想の子を作り上げ、理想の返事をしてもらっている」


そうだ、凛ちゃん。


(ねえ凛ちゃんはどう思う?)


((えーなにそれ!!!!笑山田くんアホすぎっっ笑笑笑))


…こんな、こんな返事をしてくれる子がホントにいたら…


その日を境に私は

佳奈と美月と帰る時、必ず脳内で凛ちゃんと会話をするようになっていた


凛ちゃんはどんなにくだらない私の話でもなにそれ笑と満面の笑みで返してくれる


凛ちゃんがホントにいてくれたら良いのにな。

本気で思うようになっていた


そんなある日の事


いつもは玄関前で佳奈と美月を待っているのだが

体調が優れていなかったので

直ぐにトイレに駆け込んだ


そして個室のドアを閉めた瞬間

聞き覚えのある声が聞こえてきた


佳奈と美月だ。


私と佳奈と美月以外トイレには誰もいなかったので

2人の声がよく響く


「茜ちょいキモくない?笑」

「帰り道必死に話しかけてる感じ、ちょっときついよね笑」

「ウチらが反応しなかったら焦ってんの、マジで笑える」


私はその場でしゃがみこみ

口元に手を当てた


気づいた時には佳奈も美月もおらず

涙なのか唾液なのかも分からない体液で手のひらがぐちゃぐちゃになっていた


トイレに駆け込んだ後から10分は立っていた


2人からのLINEは無い

恐らく先に帰っているのだろう


「助けて…凛……」


気づけば私はそう口にしていた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ