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異界の勇者の日記帳~不思議な雰囲気の剣士さんとおじいさん~

 今日は不思議な事がありました。いつものように南の森へ向かう途中、すらりとした不思議な剣士さんとすれ違ったのですが、とてもびっくりした顔で私をじっと見ていたのです。いえ、私というよりスライムちゃんを見ていた気もしますが……


 少し失礼な視線だなと思いつつも、スライムちゃんが可愛いから視線を集めても仕方がないかな、なんて考えながら森へ入りました。


 森の中ではスライムちゃんたちのお稽古をしています。最近は随分慣れてきて、私は森で待機したまま、スライムちゃんたちは少し先の山の中腹まで進み、魔物を倒していました。そんなスライムちゃんを私は一生懸命応援していたのです。この森であれば、ほとんど人が来ることはないので、全力で大声が出せます!


 そんな時、背後からぽそぽそと声が聞こえた気がしました。やっちゃいました。スライムちゃんを思いっきり応援している姿を見られてしまったかもしれません……ちょっぴり恥ずかしかったのですが、次の瞬間、急に飛び出してきたじゃないですか!


 私はびっくりして、思わず飛び出してきた男の人の腕をつかんで、えいっと思い切り投げ飛ばしてしまいました。その人は宙を舞って思い切り背中から地面に落っこちました。痛そうです。


 私は入院中、ずっと柔道などの格闘技大会を見ていました。病弱な私にとって、彼ら彼女らの雄姿は本当に憧れたのです。それはもう、本当に穴が開くほど何回も見ていたのです。とっさにその時の技をまねて、まさかうまくいくなんて。


 思いっきり背中を打っていたので心配しましたが、どうやら男の人は無事のようです。すぐに別の、こんどはおじいさんが駆けつけてきました。私を見て一瞬目が光ったのは驚きましたが、少しだけかっこいいなとも思いました。


 結局このお二人のお話を聞くと、私を偽物の勇者と勘違いしていたみたいでした。普通スライムに兜を身に着けさせるような人はいないんだそうです。こんなに可愛いのに。


 そして帰り道で、一緒にイーナカという街に来ないかと誘われました。でも私には一緒にパーティーを組んでくれた魔法使いちゃんがいますので、丁重にお断りさせていただきました。


 でも、せっかく異世界にきたんですから、他の街を見て回るのも楽しそうですね。

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