5月 一般大会 2試合目 3
ドリーム化繊の強いサーブが続く。
永竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんがレシーブ。強いサーブのため、中々ナイスレシーブが出来ない。
乱れたレシーブを、ハーフセンター#6マメちゃんが、ライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんが打ったアタックは、ドリーム化繊の2枚ブロックがワンタッチ。
バックライトが、浅い位置からレフトアタッカーに二段トス。
永竹クラブは、二段トスだったので、高い3枚ブロックが揃う。
ドリーム化繊のレフトアタッカーは、3枚ブロックめがけアタックを軽く打って、リバウンドをとった。
そのリバウンドを、ハーフセンターレシーブ。セッターがBクイックを使い、決まった。
永竹クラブのレシーバーは、陽介に速攻をマークしまくて良いと指示を受けていたので、全く動けなかった。
陽介は、タイムアウトを要求した。
永竹クラブ0-5ドリーム化繊
ベンチに戻って来たメンバーは、一様に下を向いて寡黙だった。
陽介は、「残念ながら、個々の実力は、ドリーム化繊の方が一枚も二枚も上です。今僕は、ドリーム化繊のチームとしての『穴』を探しています。皆さんがつけこめる『穴』を!、それまでしばらく時間を下さい。そしてそのために、何とか多くのラリーが出来るように頑張って下さい。サーブレシーブはあの強いサーブをナイスカットするのではなく、コートの中にカットして二段トスです。特にコート中盤でサーブレシーブする人は、腰を落としオーバーでレシーブして、近くにいる人が二段トスを上げましょう!、さぁ、大きな声を出して!」と言って、コートに戻した。
タイム明け、主審のサーブ許可の吹笛。
ドリーム化繊の強いサーブが、永竹クラブに向かう。
永竹クラブは、陽介の指示通り、ハーフセンター#6マメちゃんが腰を落としてオーバーレシーブで、ボールを上に上げる。
その上がったボールをバックライト#9井口ちゃんが、レフト#17よっちゃんに二段トス。
「よっちゃん、思いっきり振り抜けぇ~!」陽介が大声で叫ぶ。
レフト#17よっちゃんが思い切り振り抜いたアタックは、ドリーム化繊の2枚ブロックの内側(中衛ライト・ライトセミ)がワンタッチして、ドリーム化繊のコートの外に出た。ブロックアウト。
#17よっちゃんは、両手を高く上げてガッツポーズ。
やっと1点をとった。
永竹クラブ1-5ドリーム化繊
しかしこの時、陽介はドリーム化繊のブロックのタイミングに違和感を感じた。
さっき、チャンスボールをセッター#2ヤマちゃんが、レフト#17よっちゃんにトスを上げた時は、ドリーム化繊の2枚ブロックは綺麗に揃っていて、#17よっちゃんのアタックをシャットアウトした。さらに言えば、たとえ2枚ブロックがシャットアウトしていなくとも、レシーバーがブロックのコースに入っていたため、レシーブされていたと思われる陣形であった。
今回の二段トスからの#17よっちゃんのレフトアタックも、レシーバーはコースに入っていたが、ブロックが揃わなかったと、陽介は感じた。
要は、二段トスをレフトアタッカーに打たすことに、可能性があるのかと感じた。
陽介は、それを確認するために、ベンチを立ってコート近くまで行き、すぐ目の前にいるバックレフト#13シズさんに、「二段トスはしばらくレフト#17よっちゃんに上げるように、皆に伝えてくれ!」と、相手チームに聞こえないように伝えた。
すぐさま#13シズさんが、コートの中のメンバーに陽介の指示を伝えた。