5月 一般大会 4
コートチェンジが行われ、ベンチを移動していた陽介に、A区の連盟顧問が近づいて来て、「監督がヤジった人に言ったことは、正しいことだったよ。私からもあの人には注意しておいたから、心配しないで采配を振るいなさい。ただ、チョッとだけ声が大きかったかな」と、笑って言ってくれた。
陽介は、次のセットが始まるまでのインターバルで、あらためて皆なに、「さっき関係ないところで、試合中に大きな声を出して、ごめんなさい。」と、詫びた。
そして、「相手チームがどうあれ、永竹クラブのバレーボールをしっかりやりましょう!」と言って、「2セット目は、バックレフト#13シズさんに代わって#15彩姉さん。中衛レフト#11和気ちゃんに代わって#8ハリちゃん。#3キーちゃんに代わって#10芦さんで行きます!」と伝えた。
#15彩姉さんは、交代を告げられると、見る見るうちに顔から血の気が引いて、青ざめた。
陽介が、「彩姉さん、具合でも悪いんですか?」と心配すると、「急に交代するって言われたんで、物凄く緊張してる。こんな緊張は結婚式以来だわ。チョッと陽ちゃん、何とかしてよ!」と柄にもなく言った。
陽介は、「そうですか、彩姉さんでもヤッパリ緊張しますか?ハッハッハ!、まるで人間並みですね!、あれっ、さっき彩姉さんが、結婚式以来の緊張って言ってたけど、彩姉さん離婚してませんでしたっけ?、ヤッパリ離婚は緊張しないんですね!」と柄にもなく緊張してる北極グマに、笑いながら言った。
彩姉さんは、「チョッと、陽ちゃん。こんな公の場で私の離婚の話しを大声で言わなくたって、いいじゃない!、離婚するときは、色んなことを勘定するから、緊張してる暇がないの!」と言い返した。
陽介が、「離婚の勘定って、ヤッパリ…」と言い出した時、2セット目の吹笛が、陽介と彩姉さんの話しを遮った。
永竹クラブは、円陣を組み、キャプテン#1ヨシちゃんが声がけをして、エンドラインに向かった。
整列した#15彩姉さんが、陽介の方を見て、「陽ちゃん、ありがとう。緊張がほぐれたわ。」
「それは何より、彩姉さん、いつものように大きな声で、チームを引っ張って下さい!」と、ベンチから陽介が呼応した。
大御所の三輪さんは、笑っていた。




