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5月 一般大会 1

 迎えた5月の一般大会。永竹クラブの加盟するA区では、16チームが一般の9人制バレーボールに加盟しており、過去の成績により8チームが1部に所属。8チームが2部に所属していた。


 当然ながら、1部に所属しているチームが強く、2部に所属しているチームが弱い。各部8チームのトーナメント戦を行い、1部・2部共に3回勝つと優勝、1部においてはトーナメント戦1回戦で敗戦したチーム同士が戦い、そこで敗戦した2チームが自動的に2部に降格。2部においては優勝と準優勝チームの2チームが、自動的に1部に昇格することになっていた。また2部で1回戦に敗戦したチームは、降格はないが敗戦したチーム同士で試合を行い、1部・2部共に必ず2試合はすることが出来た。


 さて、1部に所属する永竹クラブの1回戦は、第一試合。家庭婦人にも加盟している、『塚本クラブ』。永竹クラブより格下のチームだ。


 前回の家庭婦人大会と違い、永竹クラブのメンバーは全員集合時間に来ていた。心配していたレフトアタッカーの#17よっちゃんも、皆のコーヒーを持参することなく、無事集合時間に間に合った。遅刻常習犯の#9井口ちゃんも、今回は間に合った。


 永竹クラブは、いつものようにウォーミングアップを終え、第一試合を迎える練習に入っていた。


 プロトコールから、主将の#1ヨシちゃんが笑顔で監督の陽介の所に戻って来て、「へへぇ、サーブ権とったよ!」と報告した。


 陽介は、「ヨシちゃんは、本当にジャンケン強いなぁ。前回の家庭婦人大会から、4回連続でサーブ権をとってるもんな。これが試合なら、とっくに優勝してるけどなぁ」などと独り言を言いながら、3分間の公式練習に入った。


 永竹クラブの公式練習が終了し、塚本クラブの公式練習が始まった。


 陽介は、永竹クラブのメンバーに、体が冷えないようランニングパスを指示して、自分は相手チームの練習を見ていた。


 相手チームのアタッカーは、あまりアタックの経験がない選手がやっている状況で、いわゆる『アタック』には程遠い上に、アタックを打つ時、ネットに向かって突っ込んで来る。そしてそのまま勢いよくネットタッチをしていた。さらに、突っ込んでアタックを打つあまり、永竹クラブのコートにアタッカーの足が入って来ていた。


 陽介は、ランニングパスを止めさせ、永竹クラブのメンバーを集め、「今回の相手は、普段から練習を上手く出来ていないように見受けます。従って、アタッカーも打つ時に突っ込んで来るし、足もこっちのコートに入って来ます。つきましては、皆さんにケガをさせたくないので、相手チームの攻撃の時、前衛・中衛はブロックを一切しないで、ネットから離れてチャンスボールを処理する位置で、プレーしましょう!」と指示した。


(9人制のコートには、ネット下にセンターラインは無く、6人制で言うところの、パッシング・ザ・センターラインの反則は、当然ながら無かった)


 主審が整列を促す吹笛をし、双方がエンドラインに整列した。


 塚本クラブは9人。監督はいなかった。


 あらためて、主審が吹笛をし、双方の選手が握手。スターターがエンドラインに整列し、副審と記録員の確認が出来たところで、主審の吹笛があり、選手がコートに入った。


 永竹クラブの第一サーバーは、#9井口ちゃん。


 主審のサーブ許可の吹笛。


 #9井口ちゃんは、格下の相手に容赦なく強いサーブを打ち込んだ!

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