3月公式戦 家庭婦人大会 11
永竹クラブの2試合目、Aコート第四試合。対戦相手は『海岸クラブ』。永竹クラブにとっては『ミカサクラブ』より格下の相手だ。プロトコールが終わり、キャプテンのヨシちゃんが走って陽介のところに来て、「陽ちゃん、またサーブ権とった!」と、満面の笑みで報告した。陽介は悪いと思ったが笑いが止まらず、「良かったね、ジャンケン練習しておいて!」と言った。永竹クラブの3分間の公式練習が終わり、相手チームの公式練習が始まった時、陽介はメンバーを集め「何度でも言いますが、サーブは早くて低くてエンドラインまで、レシーブとパスは必要以上に丁寧に、そして大きな声を出して自分達のリズムを作って、チームで勝ちましょう!」と伝え、ミカサクラブ戦第一セットと同じスターターをコートに送り出した。
永竹クラブは第1試合1セット目と同じ布陣。
主審の吹笛で、エンドラインに並んでいた双方の全メンバーが、ネットを挟み握手をする。続けて双方のスターターがエンドラインに並び、副審・記録員の確認を終えると、あらためて主審が吹笛し双方がコートの中に入った。それと同時に主審がプレーボールの吹笛をする(当時のルールでは、必ずプレーボールの吹笛があった)。再度、副審・記録員の確認を終えると、サーブの吹笛がされた。
永竹クラブのサーバーは#9井口ちゃん。
皆な第一試合の予想もしなかった悪夢がよぎる。その時である。マネージャーの彩姉さん(北極グマ)が大きな声で、「一発で返って来るかも知れないから、皆な集中して!」と言った。コートの中のメンバーはうなずいた。
鋭いサーブが海岸クラブのコートに突き刺さった。サービスエースだ!
第一セット
永竹クラブ1-0海岸クラブ
続いて#9井口ちゃんのサーブ。格下の相手には絶対にレシーブ出来ないであろうサーブが、海岸クラブのコートに向かう。
海岸クラブのバックセンターははじいた。サービスエース。
永竹クラブ2-0海岸クラブ
さらに#9井口ちゃんのサーブが続き、連続7点をとった。海岸クラブはタイムアウトをとった。
永竹クラブ7-0海岸クラブ
「このまま行こう!、集中して次の準備をしっかりして!、どんなに点数が離れても、声を出すことを忘れない事。声が出なくなったりボールを追わなくなったりすると、自分達のリズムが崩れるから気を付けるように!」と陽介は言って、コートに戻した。
#9井口ちゃんのサーブ。鋭いサーブが続き、その後第二サーブをミスするまで5得点をした。結果、永竹クラブはこのセット、4人のサーブで21点をとった。
永竹クラブ21-3海岸クラブ