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3月公式戦 家庭婦人大会 9

 実力に差があったのにもかかわらず、苦労して1セットをとった永竹クラブ。陽介は2セット目が始まるまでのインターバル(当時のルールでは通常2分であったが、1セット目の記録員の作業が終了するまでは次のセットは始まらない)でメンバーを集め、1セット目の総括をした。


一、最初に、予想もしていないことがおこり、失点したので、動揺してしまった。


二、相手の平凡なサーブやアタックを、自分達のミスで相手に得点を与えてしまった。


三、普段の練習のような丁寧なレシーブ・パスなどが、少なく感じた。もっと出来るはずだ。


四、個人のプレーも重要だが、チームで勝つように、もっと大きな声を出してチームのリズムを作って行かないと、劣勢の時に負の連鎖が始まってしまう。


と伝え、「要するに、相手チームのプレーやリズムに永竹クラブは合わせてしまった。ということです。相手がどうであれ、自分達のプレーをすることが極めて重要な事です。なぜならば、それ以上のことは出来ないからです。サーブは低くて早くてエンドラインまでとどくように。レシーブとパスは必要以上に丁寧に、レシーブが乱れば二段トス。そして何よりボールがコートに落ちるまで、そのボールを追うこと。このことをもう一度確認して下さい。それが皆さんが今出来ることです。そのことを精一杯実行出来るように、次のセット全員でプレーして下さい!」と言った。


 そして「2セット目は、#4川さんに代わって#13シズさん、#19イケさんはそのままで行きます。セッターは、#19イケさんにトスを上げなくていいです。理由は1セット目で言った通りです。」と言って、円陣を組み声を出して送り出した。


 1セット目の最終サーバーが、永竹クラブ#2ヤマちゃんだったので、2セット目はミカサクラブのサーブから始まる。双方の選手がエンドラインに並び、主審の吹笛でコートに入った。副審と記録員が選手の確認をした後、主審の吹笛がありミカサクラブがサーブを打った。


 実力に差がある相手チームの平凡なサーブが永竹クラブのコートに向かう。


 代わって入ったバックレフト#13シズさんがレシーブ。


 乱れてハーフセンター#井口ちゃんがレフト#17よっちゃんに二段トス。


 陽介が大きな声で「頑張れよっちゃん!思いっきり打てぇ~!」と叫ぶ。


 #17よっちゃんは思いっきり打った。


 しかし指先に当たってチップ。運よく相手コートにボールが落ちた。得点。ミカサクラブは、陽介が「思いっきり打てぇ~!」と大音量で叫んだので、1セット目のように強いアタックが来ると思いガチガチに構えていた。そこにレフト#17よっちゃんのフルスイングチップ。誰も動けずコートにボールが落ちた。


 永竹クラブのメンバーは大爆笑。主審をはじめ審判も笑っていた。偶然とはいえ、このプレーで緊張がほぐれた。


第二セット

永竹クラブ1-0ミカサクラブ


 永竹クラブのサーバーは#18ユカちゃん。陽介は永竹クラブで一番頼りにしていた。ミカサクラブのコートにサーブが向かう。


 ミカサクラブはレシーブ。上手くつなげずチャンスボールが返って来た。


 陽介は前衛の選手がサーブを打つ時、サーブを打ってから前衛に戻るまでの時間や労力を考え、バックセンター#3キーちゃんを前衛のポジションに置き、#3キーちゃんのバックセンターのポジションにサーバーを置く戦略をとっていた。


 従ってこの時のセッターは#3キーちゃん。返ってきたチャンスボールは今はバックセンターの#18ユカちゃんが、今はセッターの#3キーちゃんにパス。#3キーちゃんはライト#1ヨシちゃんにトス。#1ヨシちゃんはあっさり決める。


永竹クラブ2-0ミカサクラブ


 その後#18ユカちゃんのサーブが続き、何度となくチャンスボールが永竹クラブに返って来て、それを皆な丁寧に処理して、#3キーちゃんがトスを上げ、レフト#17よっちゃん・中衛レフト#2ヤマちゃん・ライト#1ヨシちゃんが決めって行った。


永竹クラブ6-0ミカサクラブ


 ミカサクラブはタイムアウトをとった。


 陽介はドリンクを飲んでる皆に「このままで良いよ!、このリズムで行こう!、実力の差があるのは歴然なんだから、相手チームを10点以内に抑えるつもりで頑張ろう!、さっきみたいに一発目で返って来たボールを見送ったりしないように集中して、大きな声を出して!」と言ってコートに戻した。


 サーバーは依然として#18ユカちゃん。


 相手チームがレシーブするも上手くつなげずチャンスボールが返ってくる。


 今はセッターの#3キーちゃんが、レフト#17よっちゃんにダイレクトにトス。陽介の「思いっきり打てぇ~!」という大音量の叫び。


 #17よっちゃんは思いっきり打った。ボールはコート遥か後方の壁にダイレクトで当たった。失点。


 さすがにこれだけフカスと気持ちが良い。


永竹クラブ6-1ミカサクラブ


 ミカサクラブのサーブ。


 レフト#17よっちゃんの大フカシのおかげで、失点してもすぐに切り替えることが出来たメンバーは、バックライト#6マメちゃんがレシーブ。


 少し乱れて中衛レフト#2ヤマちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。#1ヨシちゃんは決めた。


永竹クラブ7-1ミカサクラブ

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