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3月公式戦 家庭婦人大会 8

 陽介は、「今は試合の最中です。井口ちゃん、相手の言動は僕も腹が立ってます。あなたの言い分は正しいと思う。しかし、チームを険悪な雰囲気にしてしまった原因の一つは、あなたの物言いです。あなたが川さんに言った訳ではないことは、僕には分かります。今この場でチームのために物言いの説明をして下さい。」と言った。井口ちゃんはバレーボール経験者。陽介の言っている意味は分かっていた。「スミマセン。あの時「何だよも~」って言ったのは、自分に言ったのです。気分を悪くしていたら許して下さい。」と説明して謝罪した。陽介は、「これで険悪になる事情はなくなりました。井口ちゃんも勇気をもって話をしました。チームを何とかしたいからだと僕は思います。いいですか、チームで勝つんです。タイムアウトが明けたら#11和気ちゃんを#19イケさんにメンバーチェンジします。#18ユカちゃんは#19イケさんにはトスを上げなくていいです。その代わり#19イケさんにはブロックとレシーブに必死になってもらいます。さぁ皆な、もう一度普段練習している成果を出せるように頑張りましょう!サーブは強く、レシーブとパスは丁寧に、そして大きな声をだして、精一杯頑張りましょう!」と言って円陣を組み、コートに戻そうとした。その時である。今まで黙っていたマネージャーの彩姉さん(北極グマ)が物凄い剣幕で、「井口ちゃんは、皆に謝罪したのに、何でそんな顔をしてるの?、陽ちゃんが言う通り今は試合中だよ!チームだよチーム!、優勝したいから練習してきたんじゃない!、皆な笑顔でコートに戻りなさい!」と、そのたくましい腕を振り上げて吠えた。川さんも続いた。「皆なチームで勝とう!井口ちゃんゴメンね。私も分かってるから大丈夫!さぁ行こう!」円陣がとけてコートに戻った。


 陽介は、すぐさまメンバーチェンジを申し出た。


 タイムアウト明け、ミカサクラブのサーブが続く。


 ハーフセンター#9井口ちゃんがレシーブ。


 バックレフト#4川さんが大きな声で二段トスをライト#1ヨシちゃんに上げる。少しネットから離れたが、#1ヨシちゃんは思いっきり打ち抜いた。決まった。


永竹クラブ10-14ミカサクラブ


 永竹クラブのサーバーは#17よっちゃん。陽介はよっちゃんに「肘を伸ばして、思いっきり振り抜くようにサーブを打って!」と指示を出した。


 主審の吹笛。#17よっちゃんが打ったサーブは唸りをあげて相手コートに突き刺さる。サービスエース。


 マネージャーの北極グマはたくましい両腕をあげて「ナイスサーブ!」と吠えた。陽介はその様子を見て、ベンチに座っているメンバーに「僕も大声出して応援するから、皆も声を出しましょう!」と言った。


永竹クラブ11-14ミカサクラブ


 #17よっちゃんのサーブが続く。#17よっちゃんは北極グマの応援で気を良くしている。すっかり乗ってしまったようだ!


 主審の吹笛がありサーブを打つ。またもやサービスエース。このまま5点連続してサービスエースで得点し逆転した。ミカサクラブはタイムアウトをとった。


永竹クラブ16-14ミカサクラブ


 相手のタイムアウト中、陽介は「今は#17よっちゃんのサーブが当たってます。ただし、さっきみたいに一発でコートに返ってきたり、何でもないチャンスボールをミスしたりしないように集中しなきゃダメ!そのために、何回でも繰り返すけど、大きな声を出して自分達のリズムを作って、サーブは強くレシーブとパスは丁寧に!、絶対勝とう!」と言って円陣を組み、コートに戻した。


 #17よっちゃんのサーブが続く。


 凄いサーブはタイムアウト明けも健在で、完全に北極グマに乗せられた。続けて3得点。


永竹クラブ19-14ミカサクラブ


 #17よっちゃんのサーブはさらに続く。


 しかしチョッと調子に乗りすぎた感もあって、結局二本のサーブを失敗し、失点した。


永竹クラブ19-15ミカサクラブ


 ミカサクラブのサーブ。


 バックライト#6マメちゃんがレシーブ。セッター#18ユカちゃんが中衛レフト#2ヤマちゃんにトスを上げ#2ヤマちゃんが決める。


永竹クラブ20-15ミカサクラブ


 サーブは#2ヤマちゃん。


 ミカサクラブがレシーブ。上手くつなげずチャンスボールが返ってきた。


 ハーフセンター#9井口ちゃんがセッター#18ユカちゃんにパス。#18ユカちゃんは、勝負の1点をキャプテンのライト#1ヨシちゃんに上げた。


 #1ヨシちゃんは相手のブロックを大きくはじく力強いアタックを打って、このセットをやっととった。


永竹クラブ21-15ミカサクラブ

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