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3月公式戦 家庭婦人大会 7

 #6マメちゃんのサーブが続く。


 早くて低くてエンドラインまでとどくサーブが、ミカサクラブのコートに向かった。


 またもやサービスエース。と思いきや、ミカサクラブのバックセンターはレシーブした。しかしそのレシーブは勢いよく永竹クラブのコートに返って来た。そしてあっさりコートに落ちた。


 ミカサクラブは強いサーブをレシーブして、それが偶然にも得点になったことをお祭りのごとく騒いだ。ミカサクラブの一人が意図せず悪気もなく、バックライト#6マメちゃんを指さして笑った。


 それをハーフセンター#9井口ちゃんが怒り「そんな態度はないだろ!」と、明らかに年上のミカサクラブのメンバーに吠えた。#9井口ちゃんの言い分はその通りだが、興奮していたとはいえ、もう少し年上に対しての物言いはあったと感じていた。


 その後険悪な雰囲気を感じた主審が双方のキャプテンを呼び、イエローカード(警告)は出さなかったが注意をした。


永竹クラブ9-9ミカサクラブ


 ミカサクラブがサーブを打つ。


 永竹クラブはまださっきのことを引きずっているようだ。


 バックセンター#3キーちゃんがレシーブ。少し乱れてハーフセンター#9井口ちゃんがライト#1ヨシちゃんにトス。#1ヨシちゃんはネットから離れた二段トスを打ち切れず、チャンスボールで相手に返す。


 相手はつないでライトから攻撃。大したアタックではなかったが、バックレフト#4川さんとハーフセンター井9口ちゃんが重なり、レシーブをはじき、失点。


永竹クラブ9-10ミカサクラブ


 #9井口ちゃんが「何だよも~!」と吠えた。


 #9井口ちゃんは自分に言ったつもりだったが、周りがそうは思わなかった。#9井口ちゃんが「自分に言ったんですよ」と、すぐに説明すれば良かったのだが、そもそもそんなことを言えるような人ではない。いつも大御所に口の利き方を意見されるが、治したことはない。今度はチーム内が険悪になった。


 続いてミカサクラブのサーブ。


 ハーフセンター#9井口ちゃんがレシーブ。セッター#18ユカちゃんが中衛ライト#11和気ちゃんにトスを上げた。この和気ちゃん、10球に1球しか決められない人の一人である。案の定ネットにかけて失点。


永竹クラブ9-11ミカサクラブ


 陽介はセッターの#18ユカちゃんを見た。ユカちゃんは陽介を気まずそうに見ていたが、仕方ないことなの分かってほしい!、と訴えているようにも見えた。

 

 ミカサクラブのサーブが続く。


 バックライト#6マメちゃんがレシーブ。乱れてハーフセンター#9井口ちゃんがレフト#17よっちゃんに二段トス。


 #17よっちゃんはネットにかけて失点。自分たちのミスで失点を重ねる永竹クラブ。


永竹クラブ9-12ミカサクラブ


 険悪な雰囲気はまだ続く。全く声が出なくなっていた。全員寡黙である。


 ミカサクラブのサーブ。レフト#17よっちゃんがレシーブ。乱れてバックライト#6マメちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トスを上げるも打ち切れず、チャンスボールを相手に返す。ミカサクラブが上手くつないで攻撃。永竹クラブはレシーブ出来ず失点。


永竹クラブ9-13ミカサクラブ


 まだ続くミカサクラブのサーブ。


 バックレフト#4川さんがはじき、バックセンター#3キーちゃんが二段トス。これもネットから離れライト#1ヨシちゃんが打ち切れず、チャンスボールを相手に返す。


 ミカサクラブは上手くつないでライトから攻撃。レフト#17よっちゃんと中衛レフト#2ヤマちゃんのブロック。決まった!。


 しかし主審はミカサクラブにポイントのジャッチ。レフト#17よっちゃんのオーバーネットの反則だった。


永竹クラブ9-14ミカサクラブ


 もはや、誰も自分を信じられなくなっていた。チームとしてもバラバラになっている。陽介はベンチメンバーの#19イケさんに「中衛ライト#11和気ちゃんと交代します。今日はアタックを打つのではなく、ブロックとレシーブに力を注いで下さい。タイムアウトをとってセッターにもその旨伝えますから…」と言って、タイムアウトをとった。

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